『国際自転車トラック競技支援競輪in豊橋(GIII)レポート』 3日目編

配信日:11月14日
 国際自転車トラック競技支援競輪「穂の国金メダル争奪戦」G3は佳境に入り、3日目を迎えた。昨日と打って変わって本日は雨となり、さらに強風が吹き荒れる生憎の空模様となった。そんななか、今日のメイン・準決勝3個レースはどれも激戦。小埜正義、浅井康太、深谷知広がそれぞれ勝利し、ついにベストナインが出そろいました。
 また、15日の最終日9Rに行われる「KEIRIN EVOLUTION」に出場する7選手が大会2日目の昨日に現地入りしました。そのときの検車の様子も合わせてレポートいたします。
 最終日もたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。まずは先着入場者に入浴剤をプレゼント。また、移動販売車のケータリング、選手に挑戦・競輪バーチャル体験の「サイクルスピリッツ」、現金・豪華賞品が当たる「未確定抽選会」、レース予想会(15日は内林久徳氏、山口幸二氏)、競輪メダリストトークショー(15日は脇本雄太選手)が行われます。さらに、最終日はバルセロナ五輪柔道金メダリストの「吉田秀彦氏トークショー」、スポーツ体感イベント「スピードガン、トランポリンに挑戦」、豊橋伝播隊「DOEEダンスステージ」、スピードチャンネルでお馴染みの「スピーチーズライブ」、「BMXパフォーマンスショー」など盛りだくさん。こちらもどうぞお楽しみに。
<10R>
小埜正義選手
小埜正義選手
柏野智典選手
柏野智典選手
 田中孝彦が赤板で先頭に立つと、古性優作が早めに巻き返して打鐘が入る。古性はそのままフカして駆けるなか、早坂秀悟が強引にカマして最終主導権。早坂が懸命に逃げる一方、芦澤大輔が強力ブロックで稲川翔を止めにいく。前団で決まったかと思われたが、その外を小埜正義(写真)が豪快にまくって勝利。準決勝1番乗りを決めた。
 「田中君がレースを作ってくれたおかげ。赤板から思い切って行ってくれたしラインのおかげ。今の自分の力ではどうすることもできないし。芦澤君のブロックにからまれなくてよかった。避けながら外を踏んだらドリフトしてしまったけど、何とかいけました。ホント、今日は自分の力ではないので。(鈴木)誠さんも後ろに付いてくれたし、田中君は皆の脚を削ってくれたので」
 単騎勝負の柏野智典(写真)が中位確保から、直線で鋭く伸びて2着に食い込んだ。
 「早坂君が前を取った時点でレースは厳しくなるかなと思った。今日はとにかく変な動きをしないようにと思ってました。(稲川が)古性君を(3番手に)入れたらどうしようと思ったけど。あとはあの展開なら小埜君が飛んでくるかなと。(鈴木)誠さんがいなかったのが大きかったですね」
 早坂の番手から、芦澤大輔が追い込んで3着。
 「自分が2日間良いレースができていない中で、古性君が目イチで行ったところを、早坂君は8番手から叩いて強烈だったし強かった。2車なのに行ってくれたし、早坂君の気持ちが嬉しかったですね。稲川君を止めて決まったかと思ったけど皆強いですね。最後、(早坂を)残すというか、脚がいっぱいでした」
 早坂秀悟は必死に踏み直したが、惜しくも4着に敗れた。
 「古性君が思いのほか積極的なレースをしたので自分たちに展開が向きましたね。小松島、大宮と良くなかったからどうなるかと思ってたけど、思ったより良いレースができたので。これでやっぱり自分らしいレースをした方がいいと思いましたね。初日のような消去的なレースをしないように、明日もしっかり頑張ります」

<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
 後ろ攻めの吉澤純平が赤板で押さえて先頭に立つと、さらに北津留翼が打鐘過ぎに叩いて主導権を握る。すると、人気の浅井康太(写真)は内をすくって6番手を確保し、間合いを計って2コーナーからスパート。前を行く吉澤の先まくりに遭う苦しい展開となったが、浅井はゴール寸前でまくり切り、SS班の貫禄を示した。
 「いつもは7番手の競走なんですけど、次はG1(競輪祭)なんで、厳しい動きをしていこうと。最後はハンドルだけ。いつも30メートルラインでハンドルを投げるんですけど、今日は溜めましたね」
 吉澤純平は浅井に屈したが、軽快な動きで、自身2度目の記念優出を決めた。
 「あそこ(打鐘)で踏まないと一番後ろになってしまうので踏みました。そのあとは、ほとんど態勢は整ってなかったんですけど、浅井君も、金子(貴志)さんも強いので先に仕掛けないといけないと思って。焦って仕掛けましたね。あとは粘れるか、粘れないか。決勝は、初日(特選)で失敗したぶんまでしっかりと走りたい」
 大塚健一郎(写真)は目標の北津留翼がまくられると、最終2センターで3番手の金子を飛ばし3着に流れ込んだ。
 「浅井君のところは無理だったけど、翼が頑張ってくれたんで何とか決勝に乗ろうと。金子さんには悪いことをしましたね。決勝はとにかく3車のラインを機能できるようにしたいです」
 風を切った北津留翼だったが、最終バックで力尽き9着に敗れる。
 「(出切ってから)浅井さんが飛んできてしまうので、(これ以上緩めずに)踏みました。いっぱい、いっぱいになって力尽きました。大塚さんが決勝に乗ってくれてよかったです」

<12R>
深谷知広選手
深谷知広選手
渡部哲男選手
渡部哲男選手
 深谷知広(写真)が準決勝も先行勝負。今日は力強く逃げ切ってみせた。レースは初手から併走となったが、小川勇介が赤板で押さえて誘導の後ろに入ると、打鐘前に深谷が誘導を下ろして先頭に立つ。すると、雨谷一樹が反撃に出たが、深谷は完璧に合わせてこれを出させない。ペースが上がると山内卓也が離れ、雨谷が番手に入る予想外の展開に。さらに高橋陽介、小川勇介と次々に迫ってきたが、深谷はこれを寄せ付けずに押し切った。
 「周回中からすんなり回らせてもらえなかったので苦しかった。雨谷君が強かった。1回合わせたと思ったらもう1回きたので。同期が3人いたので面白かった。バックを取って勝ち上がれたことは大きいですね。今年はG1の準決勝で浅井さんと一緒になることが多かったけど一緒に勝ち上がれなかったので、明日ワンツー決めることが競輪祭に向けても繋がると思うので。調子は良いので、明日もしっかり頑張ります」
 小川勇介は雨谷を目標にまくっていくと、最後は内を抜けるトリッキーな走りで2着に食い込んだ。
 「あそこで外にいくと(渡部)哲男さんのコースがなくなるし、内に詰まってもいいからいきました。渡部さんだけ(決勝)でも良いと思って。2人が勝ち上がれたのでよかった。自転車と脚が噛み合ってきたし、次につながるレースができました」
 これに続いた渡部哲男(写真)が3着に入り決勝進出。
 「僕はただ付いていただけなんでね。勇介の先行はないけど、『前々に行ってくれ』とは言ってたので。結果、後ろにはなったけど、俊敏に動いて行ってくれたので。最後、内に詰まると思ったんで外を踏んだけど、雨谷君がふくれてきたので危なかったね。踏んだ感じは少し重たいかな」
 雨谷一樹は番手にはまりあわやの場面も、最後に内をすくわれ4着惜敗。
 「(深谷を)叩くつもりで思い切り踏んだけどダメだった。でも空いてたのが見えたから番手に入って。でも脚がいっぱいでした。自分でも内を空けたか分からなかった。経験の差が出てしまった。もったいない」
 前方の併走を目標に高橋陽介は一気に反撃に出たが、深谷の番手までが精一杯。
 「(深谷の番手が)重なったのでそこで行くしかないと思って踏んだけど。やっぱり(雨谷が)番手にはまったかと思いながら踏んだけど、深谷君が強くて番手までしか行けなかった」

<最終日・9R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)>
出場選手
出場選手
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
伊藤裕貴選手
伊藤裕貴選手
国際大会を規範とした競技規則で行われる「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」が最終日の第9Rに行われる。当大会も今回で8回目。本番に先立ち、7名の選手たちが大会2日目に宿舎入りしました。
 本業の競輪では点数上位の桐山敬太郎(写真)。普段と勝手が違うものの、実力で優るここも人気を集めそうだ。
 「(南関)地区プロ(ケイリン)ではぶっつけ本番でカーボンのフレームに乗ったけど、違和感はなかったので。結果はダメだったけど。前回の大垣は成績が悪かった。月が(10月に)変わって5点くらい落としましたね。でも最終日は早めに仕掛けて、相手(野原雅也)に意識付けもしていかないといけないので。お客さんには怒られるだろうけど、自分の中では納得しました。とりあえず(エボリューションは)勝てるように」
 猪俣康一は最内の1番車を生かしていきたい。
 「(中部)地区プロはケイリンの予定だったけど欠場しました。ここに向けた練習は3日間だけ。あまりやり過ぎると体が戻らなくなるので。調子は前回の富山で段々良くなって、最終日が一番良かった。誘導のペースが上がると思うんで、勝負所でしっかり仕掛けたい」
 競技歴は角令央奈が一番か。近畿地区プロでは4km個人パーシュートで準優勝。勢いそのままで挑む。
 「ここに向けて練習をやってきました。調子は落ち気味だけど、ここで点数を上げたいですね。位置取りにこだわって、良いところを狙っていかないと。勝負権のある位置を。走り方を考えていきます」
 伊藤裕貴(写真)は中部地区プロではチームスプリントを優勝。純粋に脚力は負けておらず、また、競技にも長けている。
 「地区プロ優勝は先輩方のおかげなので。地区プロのあとは競技の練習はしてないです。前回が悪すぎたので、考えながら練習してました。不慣れな自転車だけど、いつも通り走って1着を狙います」
 「えー! 7番車なんですか?」と驚くのは山賀雅仁。外枠の不利をどう克服するか。
 「調子は正直良くないですね。地区プロが終わってから、怪我したところを痛めてしまった。左足の肉離れなんですけど。スプリントだったから、ゼロに近いところからの踏み出しなので負担がかかったのかも。でもケイリンなんで、流れのなかで仕掛ける分には大丈夫だと思うけど。練習した感じでは普段と変わらずだったので」 
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