『豊橋競輪開場68周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:8月18日
 豊橋競輪開場68周年記念「ちぎり賞争奪戦」が8月19日から開幕する。シリーズの主力はオールスターから中2日というタイトなスケジュールだが、ひとりの欠場者もなく元気に参戦。大会は深谷知広、金子貴志の地元コンビに浅井康太も加わる中部勢を中心に激しい優勝争いが繰り広げられる。
 開催中は毎日、イベントステージでのオープニングトーク(9時30分頃から)から始まります。初日は山口幸二さん、内林久徳さん、宮野亜恵美さんが出演予定。他にもスピーチーズのライブや縁日コーナー、自転車カキ氷などイベント盛りだくさん。豊橋競輪場へぜひご来場ください。

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中井太祐選手
中井太祐選手
 中井太祐(写真)は6月武雄、7月四日市で連続優勝を飾ったが、その後の2場所は落車、失格と流れが悪い。
 「前回(弥彦記念)の失格は本来の自分の動きではなかったですね。奈良の落車は擦過傷と打撲で、もう大丈夫です。練習もしっかりやってきたし、感じもよかったです。ここから仕切り直しですね。悪い流れを変えられるように頑張ります」
 中島将尊は伸び盛り新鋭。S級のペースにも慣れて、結果が出始めている。
 「たまに、いいレースができるようになってきました。まだ、あまり警戒されてないのもあるんですけどね。脚力的にはまだまだと思ってます。前回(西武園)も負け戦ですけど、いい走りができました。終わってから自分になりにしっかり練習もしてきました。初日を突破したいですね」

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 小橋秀幸は今期に入って1度も初日の予選を突破できていない。今回こそはの気持ちで臨む。
 「最近は予選でほとんど負けてますからね。さすがにそろそろ点数を上げないといけない。調子は問題ないんですけど、自分で負けるような走りをしている。人の後ろのほうが気持ちは楽だけど、成績は前のほうがいい。後ろ2人に任されたので、自力でしっかり頑張ります」
 小川祐司は前回の四日市から中2日。急な追加参戦でも力を出し切る。
 「四日市の2日目のアップ中に追加が来たので、びっくりしました。ここ1カ月ぐらいは自転車、セッティングを試行錯誤しながら走ってます。四日市は着以上に感触はよかったです」

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岡本聡選手
岡本聡選手
 今期からS級に上がった岡本聡(写真)は予想以上に善戦している。初の地元記念でファンにアピールする。
 「S級でここまで走れるとは思ってなかったです。特に変わったことはしてないんですけどね。前回の弥彦記念ももしかしたら3日で終わるんじゃないかと思っていたんですけど、最終日まで走れて、しかも1着が取れました。結果が出ているので自信になってます。初めての地元記念でめちゃめちゃ気持ちは入ってます。練習もしっかりやってきたので状態もいいです。初日は緩んだらしっかり行くつもり。最低でも中団は取ります」
 鈴木裕は相変わらず成績の波が激しいものの、タテ攻撃の破壊力は健在だ。
 「最近はあんまりよくないですね。でも、しっかり動くことはできている。前回(川崎ナイターGIII)はちょっと疲れが出ました。豊橋は相性がいいバンクなので、しっかり力を出し切ります」

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 ここは伊早坂駿一、神田龍と注目の若手機動型が激突する。伊早坂駿一は開口一番「やりづらいです」。ここ2場所連続で決勝に進出するなど調子は上向きだが、神田の存在には警戒心を強める。
 「最近は決勝にもけっこう乗れるようになってきた。力を出し切れるようになってきました。5月函館記念から使ってるフレームも合ってますね。相性がいい。まずはしっかりと自分の競走ができるように頑張りたい」
 神田龍もメンバーに伊早坂の名前を見つけると「強烈ですね」とポツリ。しかし、前回の8月京王閣では無傷で優出するなど近況は伊早坂にも負けないパフォーマンスを見せている。
 「いい感じです。特に変わったことはないけど、6月大垣のエボリューションでいい感じだったので、終わってからセッティングを競技用に近づけた。そしたらいい感じでした」

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 西村光太は7月弥彦記念で優出するなど、直近の競走得点は107点オーバー。ここは追加参戦だが、状態も問題なさそうだ。
 「今回は追加だけど、間も空いてたので。けっこう練習してて、ワンクール終わったぐらいで連絡が来たので受けました。疲れもないですね。最近は安定しているけど、もうちょい高いところに行きたいし、もうちょっと自力を出したり、長い距離を踏みたい。今回も何がやりたいかわかるようなレースがしたいです」
 村上直久は2月小田原の落車で鎖骨骨折してから、復帰5場所目。前回の8月岸和田を休んで、鎖骨に入れたワイヤーを抜いてきた。
 「小田原のエボリューションで鎖骨を骨折して、前回休んでワイヤーを抜いて来ました。まだ手術のダメージがあるし、抜いたといっても違和感はあります。ただ、徐々によくなってるし、練習の感じはいいんで頑張りたいですね」

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 7月大宮の落車をはさんで連続優出の雨谷一樹。ここもダッシュを生かした走りで一次予選突破を狙う。
 「大宮の落車でまだ痛いところはあるけど、自転車に乗ってる分には影響ない。普通に走れてるし、問題はないと思います。最近は絶対先行でもないけど、緩んだところを思い切りいく。それが少しずつ成績に結びついている。決勝では大きな着になってるけど、1回は仕掛けてるし納得はしてます」
 注目された中部勢の並びは重倉高史が岐阜勢の間に入る形で決着をみた。
 「(吉田)茂生に『どういう風にしたら一番やりやすい?』と聞いたら、3車のほうがと。宝満(大作)さんも3番手でいいと言ってくれたので、僕が番手になりました。同県の間に入るのはどうかな?っていうのはあるけど、迷惑をかけないように頑張りたい。番手はあまり多くないけど、茂生の番手を回ったこともあります。まずは離れないことですね」

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石塚輪太郎選手
石塚輪太郎選手
 7月はあっせんが止まっていた石塚輪太郎(写真)は練習十分。今期初戦となった前回の8月名古屋は準決勝で敗れたが、連日積極的にレースを組み立てていた。
 「1カ月あっせんが止まって、しっかり練習はできてた。前回は着があまりよくなかったけど、そこから1週間あったし調子は変わらずいいです。やることをやれば結果はついてくると思う。大矢さん、佐藤さんとは初対戦。どうしてくるのかがわからないけど、しっかりレースをできれば。地元に任されてるんで、変なレースはしないようにしたい」
 今期からS級初挑戦の大矢崇弘。ここまで敗者戦で3勝を挙げているが、やや苦戦している印象だ。
 「なかなか結果が出てないけど、もうちょっと何とかできるんじゃ?って感じはある。力が出せてないというか、先行もあまりできてないので。一般戦では1着も取れてるんで、タイミングとか慣れなんでしょうね。嫌だなと思ってたら、石塚君と一緒になった(苦笑)。頑張りたいですね」
 最近はバックが減り、戦法の幅が広がった佐藤佑一はここ3場所連続で予選を突破している。
 「初日勝ち上がれてるのはたまたまって感じ。最近は意識した訳じゃないけど、バックが急に減りましたね。何でもできるようにとは思ってるけど、タイミングが来たらしっかり仕掛けるようにはしてる。初日も力を出し切りたい」

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 荒井崇博は前回、川崎GIIIの3日目に節目の400勝を達成。最終日にも連勝を飾るなど、ようやく上向いてきた。
 「(400勝を達成した次の日も1着)なかなか取れんかったのに、あんなもんなんやね。あれでだいぶ気が楽になりました。状態はわからん。いつもどおりかなと思います。初日は晃がいるんでね。黙って付いときます」
 任された菅原晃は「調子はボチボチですね。セッティングはある程度固まった。細切れなんでやりやすいし、頑張ります」と健闘を誓う。
 このレースで先行力一番は戸田康平だ。
 「弥彦記念はよくなかったけど、前回(小松島FI)はちょっと踏めるようになりました。よくはなってきてますね。豊橋は久しぶり。風が強いイメージがあるけど、勝ち上がれるように頑張ります」

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阿部大樹選手
阿部大樹選手
 阿部大樹(写真)は7月小倉の2日目から3連勝。8月川崎GIIIではブロック7を制すなど、7月小松島記念決勝で落車した影響はなさそうだ。
 「前回(ブロック7)も優勝できたんで悪くはないと思う。ただ(7月小倉で参考にした)ブフリのセッティングがあまりよくなくて、今回はかなりいじってきた。まずは走ってみないとわからないですね。ブロック7も優勝できたけど、違和感があって感じはよくなかったので。来る前は雨が降りっぱなしだったので、自転車にも乗れなかった。その分ウエイトはいっぱいできました」
 三田村謙祐は連対も多いが、それ以外は大きな着ばかり。成績の波が激しい。
 「正直あまりよくないですね。何かが狂ってるというか、ちょっと苦労してます。それで成績に波が出てしまってるのが悔しい。レースでももうひとつのところがあるので、今回をきっかけにできるように。豊橋は久しぶり。A級やチャレンジではけっこう走ったけど、S級では初めてです」

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金子貴志選手
金子貴志選手
 ここからは特選がスタートする。主力はオールスターを走って中2日での参戦。地元の金子貴志(写真)も条件は同じだが、「ここも含めてと思ってたので」と計画どおりには入ってくることができたようだ。
 「疲れはあるけど、そういう選手は他にも来てる。配分も前もってわかってたことだから。小松島記念から自力が多いけど、たまたまそういう展開になってるだけ。地元だし、しっかり走りたい」
 金子幸央は前回、8月高松で優勝と調子上向き。豊橋記念は昨年大会でも決勝に勝ち上がっている。
 「S級の優勝は3回目。高松はタイムもよかったし、だいぶスピードが出るようになってきましたね。終わってからの練習のタイムもよくて、脚の感じはいい。去年ぐらいの活躍がしたいですね」
 オールスターで2勝を挙げている河端朋之も侮れない。
 「中2日だけど体調は変わりなく。オールスターの勢いでいければいいかなと思います。(オールスター3走目で先行)ああいうのも見せとけば、まくりも生きるでしょうからね。2走目に持ち味を出せなかったのが悔しいし、もっと勝ちたいという気持ちになりました」

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浅井康太選手
浅井康太選手
 浅井康太(写真)はオールスターで決勝3着。中2日の強行日程にも終始笑顔でインタビューに答える。
 「オールスターの決勝に関しては(竹内)雄作しか見てなかったんで。中2日も中3日も一緒でしょう。いつもどおり自転車には乗ってきた。(感じは)ボチボチじゃないですかね」
 勢いがあるのは伊勢崎彰大。初日は渡邉雄太の番手でレースを進める。
 「調子はずっと変わらずですね。前回(8月京王閣)は準決勝で失敗したけど、中団にこだわった結果だし仕方ない。オールスターの裏開催で優勝したかったけど、最終日もしっかり勝てたので。浅井の山(ブロック)は高いんで、浅井の前にいたいですね」
 渡邉雄太は弥彦記念、オールスターと初日は連勝している。
 「オールスターのあとは何もしてませんよ。その前にやることはやってたし。オールスターはよくわからないですね。もう少しやれた? そういう気もします。豊橋は3回目だと思うけど、特にイメージはない。走ってみてですね」

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深谷知広選手
深谷知広選手
 8月川崎GIIIで優勝、続くオールスターでも決勝に進出と深谷知広(写真)に力強さが戻ってきた。3年ぶり2度目の地元記念制覇へ、初日からエンジン全開だ。
 「オールスターからは乗ってないです。ケアが大事だと思ったので。オールスター決勝も自分のなかではやれることはやったと思う。ただ力負けしただけ。次また(新田祐大と)対戦するときは頑張ります」
 吉田敏洋は6月高松宮記念杯の落車で鎖骨骨折し、今回が復帰3場所目となる。レースではその影響を感じさせない動きを見せているが、結果がともなわないのがもどかしい。
 「ご覧のとおりの状況です。まだ動けてるし、勘は鈍ってないけど、脚がついていってない。分かって復帰してるんでしょうがないけどね。(深谷の番手で)抜く抜かんより、付いていけるか。しっかり集中して」
 ここ5場所で4度の優出と乗れている高久保雄介は深谷に一矢報いたい。
 「練習はあまりできてないけど、大丈夫だと思います。状態は走ってみないとわからないけど、最近のレースの調子で言ったら悪くないと思う。(最近はまくりが増えた)徹底に戻すまではいかないけど、もうちょっと積極的にいきたいですね」
 坂本貴史は「レースが続くけど、脚の貯金はたくさんある。オールスター後も1日はちゃんと乗って来れた」と胸を張る。最近はレースに上手さも加わり、強力な中部ラインが相手でも軽視できない存在だ。