『富山競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:7月31日

 富山競輪場開設69周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」は7月31日に2日目が行われた。予選2を走り終えて、準決勝進出の21名が決定した。S班の村上博幸が合計13ポイントでトップ通過。近藤龍徳、中井太祐、皿屋豊の3名は連勝で勝ち上がった。3日目は準決勝3個レースで7つの決勝シートを巡って激戦が繰り広げられる。

<1R>

近藤龍徳選手
近藤龍徳選手
 永井清史を叩いて出た岡﨑智哉が緩めたところを谷口遼平が赤板の2コーナーから一気にスパート。ライン3車で出切って上位独占の態勢に。最後は番手の近藤龍徳(写真)が粘る谷口をとらえて連勝を飾った。
 「(谷口は)すごいですね。ちょっとオーバーペースかと思ったけど、そこからは自分の仕事なので。風は強かったんですが、けっこう車間も切れて余裕はありました。昨日(初日)もそうですけど、1レースで人気に応えられて良かったです」
 谷口遼平はタイミング良く駆けて2着に粘り込んだ。
 「岡崎さんが切ってから流したんで、出る時は楽でした。風が強くて、いっぱいでしたけど結果は良かったです」

<2R>

 中団の高橋和也にしばらくフタをしていた小笹隼人が打鐘前に飛び出してハイピッチで駆ける。前受けからすんなり中団を確保した水谷好宏が最終2コーナーから鮮やかにまくって快勝した。
 「もう駆けようかソワソワしていたところで小笹君が来てくれた。3番手にはまってホームで行こうと思ったけど、風も流れていたし、仕掛けたら高橋君を引き出すだけになると思ったのでホームで我慢して正解。かぶる前に行けたし、後ろの仕掛けに合った感じでした」
 水谷をマークした村田雅一が2着をキープした。
 「僕らにとっては最高の展開でした。水谷さんの脚質を考えると、前を取って一発勝負。僕は余裕を持って走っていた。水谷さんも踏み上がっていきましたね。前回ぐらいから自転車が流れているし、良くなっています」

<3R>

中井太祐選手
中井太祐選手
 伊藤稔真を打鐘で不破将登が叩いて逃げる。俊敏に追い上げて4番手をキープした中井太祐(写真)がバック前から力強くまくり切った。
 「上手く中団が取れました。自分の動きとしては悪くないです。(仕掛けは)自分のタイミングじゃなかったんですが、そのわりには伸びていったと思います。7車で慣れてないんですけど、結果はいいですね」
 不破の先行をフルに利した地元の坂上樹大が2着に入った。
 「不破君がよく頑張ってくれました。中井君を1回振って止まったかと思ったんですけどね。勢いよく来られて前に踏んだんですが、力負けです」

<4R>

稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 正攻法の藤井栄二が、後ろ攻めから上昇してきた神田龍を突っ張って主導権を譲らない。番手の稲垣裕之(写真)は絶好の展開をきっちりとモノにした。
 「まさかあそこから突っ張るとは思わなかった。藤井君が強かったし、何もすることがなかった。7車だと9車より巻き返しが早いが、その辺りも頭は切り替えられている。脚の感じは悪くないし、明日(3日目)も7車立てと短走路を頭に入れて走りたい」
 逃げた藤井栄二が粘り込んで2着に入った。
 「突っ張ってから考えようと。内の方が有利なので。逃げ粘れているけど、体の調子は良くない。重たい感じ。すごい風も強かったです。4コーナーからホームにかけて追い風でそこでペースに入れられればって思っていた」

<5R>

皿屋豊選手
皿屋豊選手
 赤板前に飛び出した堀僚介が後続の出方を確認しながらペースで駆ける。3番手となった川口公太朗は前との車間を大きく空けて、皿屋豊(写真)の動きをけん制する。ホーム前から反撃に出た皿屋はバックで川口を乗り越えて詰める勢いで猛追。近畿コンビを直線で抜き去った。
 「危険なレースでしたね。正直、無理かと思いました。感じは良くて、どこからでも行ける手応えはあったんですけど、もう少し早く仕掛けられれば金子(貴志)さんと2人で決まったと思います。自分だけになってしまったのはマズかった。行けるところもあったんですが、7車なんで考えてしまって迷いが出てますね」
 逃げた堀僚介は2着。2日間、先行勝負に出ている。
 「後ろでけん制があって、初日と同じようなレースでしたね。ジャンで8割くらいで踏んで、ホームから全開で行きました。この展開だとバックくらいから一気に来られるかと思ってました。2日間とも苦手な戦法になってますね」

<6R>

 逃げる竹澤浩司を最終バックで元砂勇雪がまくり切ると、続いた南修二がきっちり差し切った。
 「元砂がすごい強かったです。いいスピードでした。あんまり余裕はないですけど、自分の走っている展開では7車立ての影響は連日ないですね」
 元砂勇雪は2着を2本並べてポイントを8に伸ばした。
 「山内(卓也)さんがけん制してくるのは分かっていたので注意しようと。何とか乗り越えられました。作戦とは違ったけど、あたふたしても仕方ないし、竹澤さんが行ってから考えようと思っていた。昨日(初日)よりはしっかり自力を出したので、いいと思う。準決でも任された位置で頑張りたい」

<7R>

福永大智選手
福永大智選手
 前受けから突っ張ろうとした福永大智(写真)を竹内雄作が赤板前に叩いて出る。4番手まで下げた福永は打鐘の2センターから再び反撃。最終1コーナーで竹内を抜き去ると、そのまま力強く押し切って金星を挙げた。
 「突っ張るつもりだったんですけど、力んでダメでした。切り替えて、緩んだらすぐに叩こうと。後ろがどうなっているかは分かりませんでした。正直、勝てるとは思っていなかった。自分の力をどこまで出せるかって考えてました。突っ張り切れなかったし、気持ちと脚では負けてましたね」
 竹内が福永を追いかける形になり、その後ろから追い込んだ吉田敏洋が2着に。
 「前が(竹内)雄作で後ろが地元。いろんな意味で難しいレースでした。2番(福永)の子がすごいダッシュでびっくりしました。雄作は自分の走りをして負けたから仕方がない。反省があるとすれば僕ですね。そう簡単には切り替えられないし、どうすれば良かったのか。脚は悪くないです」

<8R>

村上博幸選手
村上博幸選手
 近畿ラインの先頭を務めた酒井拳蔵と、正攻法に構えた山田諒で激しい先行争いになる。三谷竜生は赤板で岡本総の後ろに降りると、戦況を見極めて最終ホームからまくり上げて前団を抜き去り、最後は村上博幸(写真)が差し切った。
 「脚的にしんどいとかはないけど、7車で展開が早いので周りを全部確認する余裕がない。自分の反省点もありますね。(酒井)拳蔵が頑張ってくれて、(三谷)竜生もしっかり判断していた。竜生の踏み出しも末の粘りも強かったし、それを差せたので良いかな。昨日(初日)もセッティングをいじったけど、また少し修正していきたい」
 最終ホームから自力を発動した三谷竜生が2着。
 「ああいう展開になると思った。酒井君はしっかり駆けてくれると思っていた。見すぎた部分もあるけど、見極めていきました。今日(2日目)は重たかったですね。バック向かい風は周回中は感じたけど、仕掛けてからは分からなかった」

<9R>

浅井康太選手
浅井康太選手
 後ろ攻めから上昇した北野良栄が赤板過ぎから主導権を握る。中釜章成をけん制しながら3番手を確保した浅井康太(写真)が最終2コーナーから痛烈なスピードでまくって人気に応えた。
 「先行も考えていたけど、思っていたより楽に3番手が取れました。この展開なら負けられないでしょう。風はキツかったです。初日から修正して、シューズも戻して感じは良かったです」
 地元の北野武史が懸命に食い下がって2着に。
 「まずはしっかり追走と思ってました。楽ではなかったけど、ポイント、ポイントでこれなら大丈夫かなっていうのはありました。浅井君が強かったです」