『富山競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:8月1日

 富山競輪場開設69周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」は8月1日に3日目が行われた。準決勝3個レースをメインに熱戦が展開された。S班の村上博幸をはじめ、稲垣裕之、松岡健介、椎木尾拓哉ら近畿勢が6名勝ち上がった。対する中部は吉田敏洋ただひとりに。2日の決勝戦でシリーズの頂点を決める。

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松岡健介選手
松岡健介選手

村田雅一選手
村田雅一選手
 青板の3コーナーから踏み上げた中井太祐を前受けの谷口遼平が突っ張ってハイピッチで駆ける。中部勢の後位で態勢を立て直した三谷竜生は打鐘の2センターから襲いかかる。これを金子貴志がけん制すると、今度は松岡健介(写真)が最終バック前から自力を発動。金子と三谷の間をすり抜けて先頭でゴールに飛び込んだ。
 「金子さんが番手から出たように見えたけど、戻ってきて詰まってしまった。それで申しわけないんですが、踏ませてもらう形になりました。(ライン)4人で戦えれば良かったけど、ちょっと難しかった。(決勝は)そんなに簡単に乗れるもんじゃないと思ってました」
 近畿ライン4番手を回った村田雅一(写真)が松岡に続いて2着に流れ込み、兵庫ワンツー決着となった。
 「(近畿ラインの)みんなは僕が4番手に付いていることを意識して走ってくれました。前3人のおかげです。ちょっと怖かったですけどね。これでホッとはできないし、優勝を狙って決勝も頑張ります」
 最後まで諦めずに踏み続けた三谷竜生が3着に入った。
 「金子さんが(番手から)出る前に行かないと、(ラインで)決められないと思った。出切って、ゴール前勝負と思ったんですけどね。(松岡の動きは)ちょっとびっくりしました」

<8R>

村上博幸選手
村上博幸選手

吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 赤板前に飛び出した神田龍を藤井栄二が打鐘前に叩いて先行策に出る。すかさず巻き返してきた水谷好宏は最終ホームで村上博幸(写真)に弾かれて後退。これで番手絶好となった村上が鋭く追い込んだ。
 「藤井がいい先行をしてくれた。僕がすごい楽ってことは、厳しいこと言えばもっとビリビリさせてほしい。勝ち上がりが2着権利ってことで難しかった。地区あっせんだし、近畿がしっかり勝ち上がることを考えました。練習通り感触はいいかなと思います。状態はいいので、あとはセッティングを煮つめていきたい」
 ライン3番手の椎木尾拓哉が2着にきっちり流れ込んだ。
 「(藤井)」栄二がしっかり先行してくれました。(2着権利で)難しいところもありました。尻上がりに状態は良くなっていると思います」
 後方から自ら踏み上げた吉田敏洋(写真)は3着に入って決勝にコマを進めた。
 「(7車立てのレースを)僕自身がいまいち探り、探りで走っている。ホームで自分で仕掛けて行きたかったけど、大阪勢にかぶっていたし、我慢して最後に踏みました。手応えはあったけど、ギリギリ届きましたね。中部の記念なのに近畿だらけになってしまった」

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稲垣裕之選手
稲垣裕之選手

元砂勇雪選手
元砂勇雪選手
 赤板で元砂勇雪を叩いた福永大智が先行態勢を取る。3番手外併走の態勢から反撃に出た皿屋豊だが、打鐘で南修二の強烈なブロックを受けて後退。内に切り込んだ浅井康太が福永の後位に入るが、南もすかさず追い上げて併走に。前団がもつれたところを元砂が最終2コーナーから好回転でまくり上げる。近藤龍徳にからまれながらも続いた稲垣裕之(写真)が直線で鋭く差し切った。
 「(元砂は)いつも頑張ってくれる。思っていたよりも落ち着いてましたね。レースは見えてました。(元砂が仕掛ける)タイミングは良かったと思います。僕は近藤君の抵抗をなんとかしのげたのが大きいですね。今回はセッティングを変えて、徐々に馴染んできています。調子はいいと思います」
 まくった元砂勇雪(写真)が2着で稲垣と初のワンツー決着。うれしい記念初優出を果たした。
 「後ろから切りに行くのにけっこう脚を使いました。前が併走になったのは見えていたので、そこを目がけて行きました。もう必死でした。稲垣さんと初めてワンツーが決まって良かったです。記念決勝も初なんで、素直にうれしいです」
 皿屋豊は浅井に切り替えられて最後方に。稲垣を追いかけるも3着まで。
 「前を取らされてしまうと、やっぱりああなってしまいますね。受けるレースになると厳しいです。突っ張りも考えないといけなかった。甘かったです」