『富山競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:7月24日

 富山競輪場開設70周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」は7月24日に2日目が行われた。二次予選7個レースをメインに熱戦が展開。10レースでは3連単30万円オーバーの大穴配当が飛び出すなど波乱もあったが、浅井康太に黒沢征治、山崎芳仁、岩本俊介ら実力者は順当に勝ち上がった。3日目の25日はファイナル進出をかけた準決勝3個レースが行われる。
 今シリーズは有観客開催となります。ご来場の際は、各種感染防止対策にご理解とご協力をお願い申し上げます。

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阿部拓真選手
阿部拓真選手
 阿部拓真(写真)、堀内俊介の順で切った上を取鳥雄吾が打鐘で叩いて主導権を握る。中団の4番手を堀内と追い上げた阿部で取り合う。最終2コーナー、外併走の態勢から踏み上げた阿部を柏野智典がけん制。空いた内を突いた阿部が取鳥もすくって抜け出した。
 「取鳥君が先行態勢に入って、後方だとチャンスはないので、追い上げなり、踏んで行こうと。冷静というより、外はいけないと思って、空いたんで内に行くしかなと思いました。取鳥君の内も空いたんで、たまたまですね。紙一重の展開でした。要所、要所、仕掛けられているんで、いいと思います」
 堀内俊介も空いたインコースをしぶとく踏んで2着に食い込んだ。
 「阿部君に降りられそうになって、その辺が甘かったですね。(阿部が)前に踏んでいってマズイと思ったけど、ゴチャついてコースを探して何とか2着に入れました。(状態は)思ったより良くないですね。シューズを変えたりして重い感じが取れないですね。セッティングを修正するかも」


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山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 赤板前に切った元砂勇雪を岩谷拓磨がすかさず叩いて出る。元砂は岩谷の後位に飛び付いて九州勢を分断。前団がもつれたところを山崎芳仁(写真)がロングまくりで襲いかかる。最終バック前に岩谷の抵抗をねじ伏せた山崎がそのまま力強く押し切って連勝を飾った。
 「誰も出ないだろうし、自分が前を取った方が楽だろうって思ったので、スタートで出ました。今日(2日目)はホームまくりしかないだろうって思っていたんですけどね。流れが向いて思いのほか行きやすくなりましたね。車の進みはそこまでですけど1着なので」
 ベテランの内藤宣彦がしっかり続いて2日連続の2着。北日本ワンツーが決まった。
 「メンバーを見た時から厳しいなって思っていたんですけどね。でも〝やっぱり山崎〟ってレース後になるだろうって言っていたんですよ(笑)。さすがですね。調子は悪くないですけど、流れがいい時は自然と4角ハコが回ってくるんですよね。調子が良くても流れが悪い時はダメなので」


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小原太樹選手
小原太樹選手
 後ろ攻めから切った山口敦也を菊池岳仁が赤板前に押さえてハイピッチで駆ける。前受けから7番手まで下げた岩本俊介は打鐘の4コーナーからスパート。懸命に抵抗する菊池を最終4コーナーでとらえると、続いた小原太樹(写真)がゴール前で逆転した。
 「想定される感じの展開でした。岩本さんのタイミングがあるので、自分はいつ踏み出しても付いていけるように準備していました。スピードはGIクラスで違うので、ギリギリでした。岩本さんは3コーナーで後輪がスリップしたので、詰められた。すんなりなら抜けてないと思います。二次予選でラインでワンツースリーはなかなかないので良かったです。GIIIのここに照準を絞って練習してきて、いまのところ結果が出ています」
 ロングまくりの岩本俊介は2着。南関ラインを上位独占に導いた。
 「車番が悪いんで前を取ろうと。ジャンで緩んで行こうと思ったけど、二次予選なので堅くいきました。力づくだったんですが、前回の決勝くらいから気持ちも乗って体も動いてきています。受けて立つ立場で結果を出せたのは大きいです」


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竹内雄作選手
竹内雄作選手
 後ろ攻めの竹内翼は中団の竹内雄作(写真)にフタをしてから赤板の2コーナーで飛び出す。7番手となった竹内雄は最終ホーム前から抜群のスピードでまくり上げる。あっさり竹内翼を抜き去った竹内雄がそのまま後続を突き放して圧勝した。
 「初手であの並びになったらフタをされると思っていたのでそこで勝負だと思っていました。本当はすかさず巻き返せれば良かったんですけど、見てしまったのでそこは反省点。あとはもう詰まったところからって感じでしたけど、ラインで決まったのは後ろの選手のおかげなので。自分は何もできなかった。富山はイメージが良くなくて、昨日(初日)の流れのまま失敗するかもって考えてしまったんですけどね。今日(2日目)しっかりと勝てたので。スピード自体は悪くないのであとは踏める距離だったりペースだったりすると思うので明日(3日目)はしっかりと」
 口が空きながらも地元の意地で懸命に竹内雄を追いかけた北野武史が2着をキープした。
 「本当に苦しかったです。坂口(晃輔)とかが番手だったら(竹内)雄作が構えても落ち着いて構えるんでしょうけど、こっちはもういつ行くんだ、いつ行くんだってドキドキで付いて行った、離れて付いて行ったっていう感じですけど、あそこで焦って踏んでも最後の最後で後ろから行かれてしまうので落ち着いて回すようにって。最後ヤバいって思いましたけど良かったです」


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藤井侑吾選手
藤井侑吾選手
 記念初挑戦の藤井侑吾(写真)が二次予選で強豪相手に大金星を挙げた。レースは後ろ攻めから赤板で飛び出した高橋晋也に2コーナーから藤井が襲いかかる。最終ホームで藤井が高橋を叩き切るが、マークの鷲田佳史は離れて、高橋が後位にはまる。それでも最後まで藤井のスピードは衰えず、会心の逃げ切り勝ちを収めた。
 「変なタイミングで行ってしまって、後ろに迷惑をかけました。しっかりバックを取って、逃げ切れたのは良かったです。出切ってからは意外といける感じはあったんですが、必死に踏むだけでした。高橋にはまられてるのかなって思ってました。同期の出世頭のスターに勝てて良かったです。初めての記念で1着が取れて、準決勝に乗れるのはうれしい。明日(3日目)はもう少し流れに乗って自分のレースをしたいです」
 ジワジワと外を踏み上げた恩田淳平は2センターから内を進出。最後は藤井と高橋の中を割って2着に。
 「ほぼ予定通りに走れました。たまたま仕掛けたタイミングが久米(康平)君と合って、乗って行ったら自然と体が反応しました。スピードを殺さずに(内に)入っていけました。オーバーワークで初日は疲れがあったんですけど、今日(2日目)はアップでもがかなかったら全然良かったです。準決勝はでかいですね。決勝を目指す権利があるので、確定板に乗れるように頑張ります」


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黒沢征治選手
黒沢征治選手
 中団から先に動いて切った高久保雄介を木村弘が赤板過ぎに叩いて出るが、前受けから下げた黒沢征治(写真)もすかさず巻き返す。懸命に抵抗する木村を黒沢が最終ホームで強引に叩いて逃げる。ライン3車で出切って、関東勢で上位独占の態勢。黒沢が強じんな粘りを発揮して押し切った。
 「初日にちょっと体が重く感じたので長い距離を踏むのが嫌だなっていう気持ちはあったんですけど、行ってダメなら練習するしかないと思って行きました。ラインで出切れて良かったです。バックからもう1回、踏み上げようと思ったんですが、最後はいっぱいでした。自信になりましたし、ライン3人で決まったことが一番うれしいです。思った以上に自分の中では重いんですが、結果は出ているので、あとは気持ちで負けないようにしたいです」
 2着に流れ込んだ神山拓弥は黒沢の強さを称える。
 「黒沢が強かったです。バンクが重くてニュートラルに入らない感じだったんですけど、タレる感じはなかったです。3コーナーから踏み直してました。一発、ヨコに行く脚は残っていたんですが、タテは残ってなかったです。最近の黒沢は力勝負して、強いレースをしている。このスタイルなら特別競輪でも戦えますね」


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井上昌己選手
井上昌己選手
 後ろ攻めから切った内山雅貴を平尾一晃が赤板で押さえてハイピッチで飛ばす。前受けから7番手まで下げた谷口遼平は最終ホーム前から反撃に出る。ジワジワと前団に迫ると、車間を空けて準備していた井上昌己(写真)が最終バック前から番手まくりを敢行。しっかり合わせて連勝を飾った。
 「(平尾は)気持ちが強かったですね。キツかった。(番手まくりは)無理やりという感じで余裕はなかったです。ちょっと重かったですね。セッティングはちょっといじります」
 谷口の仕掛けに乗った浅井康太が2着に突っ込んだ。
 「(谷口に)全て任せてました。二次予選に関しては谷口のレースだったので。付いているだけですからね。(状態に関しては)普通です」
 谷口遼平も最後まで諦めずに踏んで3着で準決勝に進出。
 「前からの作戦でした。ジャンで緩んでたら行こうと思っていたんですが、(平尾が)踏んでいったので見ちゃいました。無理やり行った感じだけど、仕掛けが遅かったです。井上さんの番手まくりを越えられないと思って、古川(貴之)さんのところにどうにか降りようと思いました。何とか勝ち上がれたので、(状態は)悪くないと思います」