『富山競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:7月25日

 富山競輪場開設70周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」は7月25日に3日目が行われた。準決勝3個レースは波乱の連続。最終12レースは1位入線の浅井康太が失格となったが、竹内雄作に稲垣裕之、柿澤大貴、小原太樹らファイナリスト9名が出そろった。最終日の26日はいよいよ決勝戦が争われる。
 今シリーズは有観客開催となります。ご来場の際は、各種感染防止対策にご理解とご協力をお願い申し上げます。

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宮越孝治選手
宮越孝治選手

藤井侑吾選手
藤井侑吾選手
 後ろ攻めから上昇した恩田淳平を前受けの取鳥雄吾が青板のバック過ぎに突っ張る。そこを岩本俊介が叩いて出るが、藤井侑吾が後方から一気の反撃。打鐘の3コーナーで岩本を叩いて主導権を取る。3番手を取った岩本だが、前との車間は最終バックを過ぎてもなかなか詰まらない。軽快なペースで駆けた藤井を地元の宮越孝治(写真)がゴール寸前で逆転した。
 「スタートでたまたま前から2番手の位置が取れて、それが良かったですね。一番いいところで順番が来るかなって。前が突っ張ってゴチャゴチャして、いい展開になりました。ジャンのかかりは半端なかったです。後ろを見たら車間が空いてて、2、3回見ても同じくらいの距離だったので、バック過ぎにあるんじゃないかと思いました。地元記念で初めて決勝に乗れて、うれしいです。しかも1着で最高です。(レース後は)すごい声援が大きくて、それに全部、応えてました」
 S級2場所目で記念初挑戦の藤井侑吾(写真)は先行勝負で見せ場を演出。強豪相手に2着に逃げ粘った。
 「宮越さんが上手いこと前中団を取ってくれました。昨日(2日目)は変なタイミングで行ってしまったけど、今日(3日目)は流れに乗って行けました。あそこから行かないとダッシュがあるほうじゃないので。出切った瞬間はちょっと流しましたけど、そのあとは頑張って踏むだけでした。宮越さんとワンツーが決まったのが一番良かったです。デキすぎですね」
 岩本マークから追い込んだ阿部力也が3着に入った。
 「岩本さんの行けるところからという感じで任せてました。いい位置を取ってもらって、そこから詰めてまくって行くかと思ったけど、藤井君が強かったですね。かかってました。最後は(岩本を)抜ける感じはしなかったんですが、ギリギリまで待って意地で抜きました。決していい状態ではないけど、徐々に良くなっています」

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稲垣裕之選手
稲垣裕之選手

三谷将太選手
三谷将太選手
 後ろ攻めから上昇した高橋晋也に合わせて5番手から踏み上げた黒沢征治が青板の3コーナーから逃げる。高橋は7番手の位置に戻り、1本棒の態勢で打鐘、最終ホームを通過。快調に飛ばす黒沢に対し、すんなり3番手を確保した稲垣裕之(写真)が2コーナーからまくる。柿澤大貴のけん制を乗り越えた稲垣が先頭でゴールを駆け抜けた。
 「早い展開になると思っていたので、(初手は)前のほうがいいかなって。黒沢君の先行意欲が強かったですね。いいペースで駆けていたので、余裕がなくてまくりに行くのは苦しかったです。でも、あそこで行かないとラインで決められないので。連日、脚には余裕があったけど、2日間は着にからめてなかったので、今日(3日目)はしっかりゴール前勝負できるようにと思ってました」
 稲垣を懸命に追いかけた三谷将太(写真)が2着で近畿ワンツーが決まった。
 「しっかりスタートを取れて、自分の役割は果たせた。黒沢が落ち着いて駆けていたけど、稲垣さんがしっかり位置を取って、まくってくれた。ちょっと危なかったけどワンツーが決まって良かった。やることはやれたと思う。決勝に乗れて言うことない」
 黒沢の先行に乗った柿澤大貴が3着に食い込んだ。
 「黒沢君に任せてました。昨日、菊池(岳仁)君の番手で車間を切って失敗したので、今日(3日目)はしっかり付け切ってから仕事をしようと。真後ろから(稲垣が)来て張ったんですが、スピードが良くて止まらなかったです。正直、何着か分かんなかったけど無我夢中でした」

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堀内俊介選手
堀内俊介選手

竹内雄作選手
竹内雄作選手
 後ろ攻めから切った堀内俊介(写真)を竹内雄作が赤板前に押さえて出るが、阿部拓真がすかさず襲いかかる。浅井康太にけん制されて苦しくなった阿部は3番手の外で粘る形に。浅井が最終1センターで外に振った時に阿部は落車。堀内は内をすくって竹内の後位に入る。3番手で態勢を立て直して直線で差し返した浅井が1位入線も失格。堀内が1着に繰り上がった。
 「後ろから切って、すんなり(竹内を)出させる形になりました。それから自分でどっかで仕掛けられれば良かったんですが、併走になって、どかせる力がなかったです。阿部ちゃんがコケそうになって、内に避けて浅井さんが外に浮いていたので、前々に行かなきゃと思って行った感じです。番手に入って何とか勝ち上がれたけど、内容的にも感触的にも納得いかないですね。ニュートラルに入らないで休めない感じです。何かしらの対策をして、決勝はいい勝負をいできるようにしたいです」
 打鐘の3コーナーで内をすくった堀内との連結を外してしまった小原太樹は最終2コーナーから自力で外を踏み上げて2着。
 「堀内が内に入ったけど、後ろに近藤(俊明)さんもいるので、付いて行かずに自分のタイミングで行きました。その判断が正しかったのかは、先輩方と話して反省しようと思います。車の出自体は2着まで来れているからいいと思います。3日間、人の後ろなんですが、結果は出ています」
 逃げた竹内雄作(写真)は繰り上がりで決勝進出を果たした。
 「自分のレースはできたんですが、ラスト半周は思うように踏めてなかったです。人気にもなっていたのに、浅井(康太)さんに仕事をさせてしまって…。ペース配分をもっとしっかり考えないといけない。重い感じがするので、明日(最終日)はもっと軽くなるように調整したいです」