『富山競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:8月15日


 富山競輪場開設58周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」は後半戦となる3日目に突入した。準決勝A、B、Cの4個レースをメインに、熱戦が繰り広げられた。永井清史、山口幸二のSSコンビは勝ち上がりに失敗したが、木暮安由や山賀雅仁、大塚健一郎らベストナインが出そろい、明日はいよいよ決勝戦が争われる。
 最終日の16日は先着1500名様にスポーツタオル&富山競輪オリジナルクオカードが当たる抽選券を配布いたします。場内特設ステージでは前西武ライオンズ監督の伊東勤氏による競輪予想会(第7、9R終了後)が行われます。ぜひ、本場に足をお運びください。


<8R>
玉木勝実選手
玉木勝実選手
   1着権利の準決勝Cを制したのは玉木勝実(写真)だった。宮越孝治の先行に乗って番手から追い込み、4日制では初めてとなる記念優出を決めた。
 「孝治が強気だったので、安心して付いていきました。緊張感もなく、後輪だけを見て走るだけでしたね。かなりいいペースだったからトカ(高木隆弘)ちゃんにまくられることはないと思いました。今年の夏は涼しくて、練習がしっかりできているから調子もいいですね。記念の決勝は10年以上も前になるし、いつ以来か、もう覚えてないです。新制度では初めてですね」
 地元の宮越孝治は押さえ先行で2着に粘り、納得の表情を浮かべる。
 「出られたら番手に飛びつくしかなかったけど、8割ぐらい先行と決めていました。4コーナーを回って勝てるかもしれないと思ったんですけどね。力を出し切っての2着だから仕方がない。また明日頑張ります」
 まくり不発に終わった人気の小川勇介は「カマシを狙っていたんですけどね。宮越さんに番手にはまられたらどうしようとか、考え過ぎてしまった」と猛省。


<9R>
中井達郎選手
中井達郎選手
   売り出し中の中村雅仁が佐藤朋也を突っ張って赤板から先行。中団の四番手を上手く確保した中井達郎(写真)が最終3コーナーからまくり追い込み、ファンの期待に応えた。
 「このメンバーなら絶対に中団は取れると思っていました。6番(中村)も早くから踏んでいたし、最後はタレますからね。今日は展開が85%ぐらいで、恵まれただけですね。記念はあまり呼ばれないんですが、今年2月の豊橋でも決勝に乗っているし、けっこう成績はいいんですよ」
 三浦稔希は直線で中を鋭く強襲し、待望の記念初優出を果たした。
 「やっと(記念の決勝に)乗れました。こういう展開なら中しかないと思いました。レースは良く見えていたし、チャンスをしっかりモノにできて良かったです。調子もいいですね」
 佐竹和也は番手絶好の展開を生かせず3着。
 「まくって来たら番手から出て行くことも考えていたんですが、誰も来る気配がなかった。あれだけ前が駆けてくれたのに、本当にもったいない」
 中村雅仁は今日もしっかり先行して見せ場を作った。
 「後手を踏んだら八、九番手になるので、突っ張ってでも先行するしかないと思ってました。落ち着いて駆けられたし、一瞬、夢を見たんですけどね。そんなに甘くはなかったです。記念でできるだけ目立ちたいし、明日も主導権を取って、みんなに名前を覚えてもらいたいです」


<10R>
山賀雅仁選手
山賀雅仁選手 中村淳選手
中村淳選手
   吉田敏洋が筒井裕哉を叩いて最終主導権。山賀雅仁(写真)が2コーナーから豪快にまくって連勝を飾った。
 「展開が向きました。後ろに木暮(安由)君が入ったのが分かったし、かぶる前に仕掛けないとどうしようもないですからね。結果が出ているからデキはいいと思います。自分の体調と練習がかみ合ってきたし、底力も付いてきています」
 中村淳(写真)が木暮マークから2着に突っ込んだ。
 「木暮は何でもできるから信頼して任せていました。でも、あいつにしては珍しく後ろに置かれましたね。展開的に厳しかったけど、最後はいい感じで突っ込めました。あれだけ伸びているから状態はいいし、今回は気合が入っています」
 山賀のまくりを追いかける形となった木暮安由は3着で何とか決勝に進出した。
 「今日は展開が読みづらかったですね。上手く中団を取ろうと思っていたけど、前がかかってしまって…。ちょうど仕掛けようとしたときに山賀さんがまくったので、それを追って2センターか4コーナー勝負と考えました。中村さんが内から来てちょっとびっくりしたけど、3着で決勝に乗れて運がある。明日は優勝を狙って頑張ります」


<11R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手 和田健太郎選手
和田健太郎選手
   前団のもつれを松岡貴久(写真)が一気にまくって快勝。上がりタイム9秒1と今シリーズ一番時計を叩き出した。
 「(鈴木)謙太郎がけっこう早めに踏んでいたし、こういう展開は得意ですから。永井さんが大きく持っていかれたのも分かったし、レースは見えてましたね。調子は徐々に上がってきていると思います。記念決勝は2回目。優勝を意識して、しっかり頑張りたい」
 2着の大塚健一郎は松岡を称える。
 「セオリーだと永井が来る前に先まくりなんですけどね。落ち着いて走っていたと思います。いいスピードだったし、本当に強かったです。自分はただ付いていっただけ。調子はあまり良くないですね」
 単騎の和田健太郎(写真)が切り替え策から3着に食い込んだ。
 「永井の三番手とコメントしても良かったけど、単騎だと好きに走れますからね。今日はとにかく前々に踏んでいこうと思っていました。後閑(信一)さんが持っていって、踏むコースがあったし、運もありましたね」
 後閑の強烈なブロックをもらって失速した永井清史は「行けると思ったんですけどね。後閑さんのブロックは分かっていたけど、まさかあそこまで持っていかれるとは…。メンバー的にも1着を取らないといけないレースだったし、ショックです」と肩を落とした。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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