『富山競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:8月16日


 富山競輪場開設58周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」は本日16日が最終日。激戦を勝ち抜いた9選手による決勝戦が最終第11レースで争われた。レースは和田健太郎が赤板から先行。山賀雅仁が最終バック手前から番手まくりを放ち、記念初優勝を飾った。2着には中井達郎が流れ込み、南関ワンツー決着となった。

決勝戦 レース経過
 号砲と同時に松岡貴久が飛び出してSを取った。初手は松岡-大塚健一郎-玉木勝実が前攻めとなり、中団には和田健太郎-山賀雅仁-中井達郎が入り、木暮安由-中村淳-三浦稔希が後ろ攻めとなった。
 周回が進み、青板周回のバックから木暮が早めに上がって前を押さえると、赤板で今度は和田がカマして先頭に出た。和田は緩めることなく、そのままフカして強引に主導権を握った。和田が軽快に逃げる一方、松岡と木暮が最終ホームからほぼ同時にスパートする。木暮が好スピードで迫ると、山賀が木暮をけん制しながら前に踏み込み、番手まくりを敢行。両者で壮絶なモガキ合いとなったが、2コーナーで木暮が力尽きてしまった。山賀は大ギアを踏み切って1着でゴールし、嬉しい記念初優勝を手にした。続いた中井が2着に入り、木暮後位から切り替えた中村が3着となった。


山賀雅仁選手
山賀雅仁選手
 同県、同期の絆がもたらした勝利だった。自在タイプの和田健太郎が赤板から果敢に飛び出して先行すると、山賀雅仁が木暮安由の巻き返しに合わせて自力発進。4回転パワーでそのまま後続を振り切った。
 「まさか自分が優勝できるとは思っていなかった。和田君があそこまで駆けてくれましたからね。打鐘で木暮君が内から来ると思って締めていたら、前と離れてしまって焦りました。木暮君が来ていたし、かぶる前にと思って番手から出たんですが、張りながら踏んでいったので苦しかったです。和田君とは高校から一緒にやってきたし、同期で仲もいいんです。練習もよく一緒にやっています。今回は和田君のおかげで優勝することができました」
 4回転の大ギアを使うようになってから成績は急上昇中。今の勢いなら来月のオールスターでも活躍が期待できそうだ。
 「オールスターを目標に練習しているし、いい感じで調子も上がってきていますね。でも、中4日ですぐ競走もあるし、記念で優勝したから下手なレースはできない。お客さんの期待に応えられるように頑張ります」

 千葉コンビの三番手を回った中井達郎が2着に流れ込んだ。
 「前の2人に全て任せていました。惜しいと言えば惜しかったけど山賀が強かったです。でも、この状態で競輪祭の権利が取れたから良かった。次に記念を走るときは優勝できるように頑張ります」

 中村淳は目標の木暮が不発の展開からしぶとく3着に突っ込んだ。
 「木暮に全て任せていたから仕方ないですね。力不足です。でも、レースはよく見えていたし、今回の動きは悪くなかったと思います。気持ちの入ったレースはできました」

 人気を集めた木暮安由は千葉勢の二段駆けの前に屈した。
 「山賀さんのところで粘ることも少し考えたんですが、松岡さんも調子がいいので、まくられてしまうと思いました。中団をキープしたけど、あそこで行かないと松岡さんが来てしまいますからね。あと少しでしたけど、力勝負して負けたから仕方ないです」

 後方で見せ場なく終わった松岡貴久は「木暮が内で粘ると思っていた。引いてきたのが大誤算。あれで後方に置かれてしまったし、まくっていったときに、ちょうど木暮に合わされてしまった。切り替えられてしまったのも痛かったし、何もしないまま終わってしまい、消化不良です」と肩を落とす。

 先行した和田健太郎は「今日は絶対に先行するつもりでした。流すことなく踏んでいったし、バックで脚は一杯でした。山賀も楽ではなかったと思うけど、優勝するんだから、やっぱり力がありますね」と山賀を称える。


ゴール




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