『富山競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:8月14日


 富山競輪開設59周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」は2日目。今日は朝から雨が降る生憎のコンディションだったが、バンク内では激しい勝ち上がり戦が展開された。激しい雨がバンクを叩いた「峻峰剱賞」は混戦をまくった木暮安由が快勝。明日は準決勝3個レースで、いよいよシリーズのベスト9が決まる。
 明日(15日)も久保千代志氏による予想会(1R発売前、5R発売中)やスピーチーズによるミニライブ(11:45~、14:30~)を引き続き開催。さらに天装戦隊ゴセイジャーショー(10:30~、13:30~)も開催されます。明日もぜひ富山競輪場へご来場ください。


<5R>
守谷陽介選手
守谷陽介選手
   2次予選から準決勝進出一番乗りを決めたのは守谷陽介(写真)だ。小谷田公則が斬ったところをすかさず叩くと、後続のモツれを尻目に押し切った。
 「一番脚を使わず駆けられた。吉永さんと宇根(秀俊)さんが付いてラインも長かったので思い切って行けましたね。もうワンテンポ、ツーテンポ遅かったら出られなかっただろうし。でも明日が勝負。しっかりクールダウンして備えます」
 1コーナーで上手く守谷後位に追い上げた松崎貴久がバランスを崩しながらも番手を奪取。そのまま2着に流れ込んだ。
 「スピードが上がりきらず番手に入るしかないと思った。バランスを崩したのは技じゃないですよ。そんなことを狙ってできたら僕は超イチです。僕は勝ち上がったけど、鷲見(逸喜)には悪いことをしました」
 番手を奪われた吉永和生は致し方なしといった表情。
 「まさか粘られるとは思わなかった。そこを処理したら、今度は松崎さんが追い上げてきて目の前でズルッと滑った。怖くて避けるしかなかったし、入られたのは仕方がないですね」


<6R>
田中誠選手
田中誠選手
   逃げる藤木裕を強引に桐山敬太郎が叩く。これで激しい主導権争いになると、待ってましたと田中誠(写真)が力強くまくりを決めた。
 「桐山さんがあんなに早く行くとは思わなかった。最後は村本さんと脚比べになったけど、勝てて良かったです。ちょっと疲れが残ってる感じだけど、シリーズの後半戦をにらんでやってきてるし、準決勝になれば動いてくると思う」
 2着で準決勝進出を決めた村本大輔だが、表情は冴えない。
 「田中を止めるのに追いかけていったら、差し込んじゃって戻れなくなった。桐山を残したかったけどね。2車でもあそこまで行ってくれたし、共倒れだけはイヤだったから踏ませてもらったけど、田中は強いね」


<7R>
乾準一選手
乾準一選手
   乾準一(写真)が打鐘先行で別線を完封。久々に挙げた勝ち上がりでの勝ち星に笑顔が絶えない。
 「周りには今日は8番車の成績がエエと言われてたけど、このメンバーやしなあ…と思ってたんです。でも発走直前にザーッて雨音が聞こえて、何だかテンションが上がってきました。勝ち上がりでの逃げ切りは久しぶり。感触が戻ってから初めてだし、これで33も好きになりました。明日も雨だったら良いんですけどね(笑)」
 番手の古原勝己もしっかりと役割を果たして乾とワンツーを決めた。
 「乾の逃げイチみたいなメンバーだし、走る前に『落ち着いて、絶対出ろ』と言っておきました。実際、落ち着いて走ってくれたから、それが良かったんじゃないかな。僕は来た奴を止めなと思ってたし、3コーナーだったら止まると思った。これで明日からゆっくり寝られますね」
 まくり不発の石山直哉後位から伸びた星島太が3着に。
 「記念の3着権利は体に悪いね。石山がまくってしまうかなと思ってたから内なんか考えてなかったけど、村田(雅一)に一発もらって遅れてしまった。ヒヤヒヤのレースでしたね」


<8R>
山内卓也選手
山内卓也選手
   内から藤田竜矢の番手を奪った松尾淳が篠塚光一の巻き返しに合わせて踏むと、松尾マークの山内卓也(写真)が中を鋭く割った。
 「叩き合いになりそうだし、緩んだところをすかさず行くって作戦でした。最悪、松尾さんが内を行く展開もあると思ってたけど、横もできるし安心してました。(阿部康雄を落車させて)松尾さんが失格になって喜べないけど、勝てて良かった。昨日が(田中誠に番手を奪われ)不甲斐なかったので、今日は気持ちが引き締まってました」
 逃げた藤田竜矢は繰り上がりで2着に。
 「最近は不甲斐ないレースばかりだったので、今日は阿部さんを連れて逃げてやろうと思ってた。内を誘ったけど、松尾さんがあそこまで来るとは思わなかった。今日は距離が長かった。もう少し短い距離を本気で踏めば、もっと粘れると思う」
 落車を避け、ホームからあわやのスピードでまくった篠塚光一は惜しくも届かず。
 「よっしやイケると思ったけど、悔しいですね。避けた時に脚に来てました」


<9R>
西徹選手
西徹選手
   逃げる稲垣裕之を西徹(写真)が豪快にまくり切って殊勲の大金星。地元記念で連勝を飾った。
 「稲垣君との対戦で95%ムリやろと思ってたけど、今日は残りの5%でしたね(笑)。6番(工藤友樹)の切り替えでタイミングが難しかったし、稲垣君に持って来られてギリギリ我慢できた。連勝で勝ち上がれてホントに良かったです」
 萩原孝之のイン粘りはしのいだが、西のまくりは止められなかった。稲垣を着外にしてしまった三谷将太は2着の結果にも浮かない表情。
 「あそこで止められたら格好良かったですけどね。内をしのいだらすかさず外を来てたのでキツかった。僕がもっと強ければ問題なかったのに、稲垣さんに申し訳ない」
 ゴール後に落車した鈴木幸紀だが、3着の知らせに痛みも吹き飛んだ。
 「引き揚げてきたらみんなに『4着だ』って言われたから痛いと思ったけど、3着で勝ち上がれたので怪我も治りました(笑)。萩原君が飛び付いても、引いてもすかさず行く。その瞬間だけ狙おうって作戦だったけど、今日は西が強かった」


<10R>
宮越孝治選手
宮越孝治選手
   逃げる岸澤賢太を浅井康太が豪快に飲み込む。番手の宮越孝治(写真)が地元ファンの大声援に応えて、SS班を差し切った。
 「レース前に『抜いたら価値があるぞ』って言われてたし、浅井を抜けてホントに嬉しい。向こうはショックでしょうけどね。すごい緊張したけど、その中で1着が取れたのも嬉しいです。駆け出しはキツかったけど、それからは余裕がありました」
 差されはしたが浅井康太も見せ場を作った。
 「今日は3着までに入れればと思ってたし、3コーナー手前では踏んでました。同期3人でのレースだったし、変な緊張感がありましたね。ギアを上げて感触はいいけど、もう少しギアを踏めるパワーが欲しい」
 岸澤の番手から3着に入った佐久間仙行は「4番(服部克久)が来て、その上を浅井に来られちゃったので対処できなかった。今日は岸澤のおかげですね。良かった」とニッコリ。


<11R>
木暮安由選手
木暮安由選手
   レース直後に激しい雨に見舞われた「峻峰剱賞」は天候同様激しいレースに。逃げる市田佳寿浩の番手で坂本亮馬が粘るが、再度追い上げた坂上樹大が番手を死守する。混戦の中で冷静に脚を溜めた木暮安由(写真)。最後は鮮やかなまくりを決めて、雨中の戦いを制した。
 「打鐘のところで3車併走になってたのでどうするかな?と思ったけど、内にいれば流れに乗れるかなと思った。坂上さんのブロックが来ると思って怖かったけど、行っちゃえと思って行きました。今日は落ち着いてレースが見えてましたね」
 坂上との連結が外れた有賀高士だったが、上手く木暮を追って2着に食い込んだ。
 「市田が一番前にいるのが分かったくらいで、自分一人だけ迷子になってましたね(苦笑)。樹大にはぐれてしょうがないから木暮に付いて行った。脚は余ってたので最後は抜いてやろうと思ったけど、木暮にハウスして転びそうになった。しょうがないですね。1着は明日、明後日に取っておいたということにしてください」
 坂本から番手を奪い返した坂上樹大だったが、木暮を止める脚は残ってなかった。
 「まさか粘られるとは・・・。展開がキツかったですね。去年の記念は競り負けてるんで、頑張って取り切った。市田さんも頑張ってくれてたし、木暮を止めたかったけどね」
 ギアを上げて臨んだ渡邉一成だったが「刺激を入れたかったけどね。明日はギアを85に戻します」。悪天候の前に、全くレースにならなかった。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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