『東日本大震災被災地支援競輪 開設60周年記念富山競輪(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:8月21日


 本日は「東日本大震災被災地支援 富山開設60周年記念 瑞峰立山賞争奪戦」の2日目が開催されました。SS選手2名がまさかの二次予選敗退と波乱続きの1日となりましたが、最終レースでは村上博幸選手、深谷知広選手、武田豊樹選手の意地と意地とがぶつかりあう最高峰のデットヒートに場内のファンは酔いしれ、割れんばかりの大声援を送っていました。さて、明日の準決勝はどんな1日となるのでしょうか。
 そんな大注目の1日に花を添えるイベントも、予想会(4R発売中→久保千代志、8R発売中→山野憲一)、縁日に遊園地、選手会富山支部による人力発電電車「エコ電」が引き続き開催されていますので、どうぞお楽しみに。


<1R>
日比野敏行選手
日比野敏行選手
   愛敬マークから1着となった日比野敏行(写真)
「2日目で結果を出せて良かったですね。今日はもう理想的な展開。自分としては及川(裕奨)君が早めに捲ってくるんだと思ってたから、早めに踏んだのが反省点としてあるけど。それがなければ愛敬君も残ってたかもしれないですからね」
 その愛敬博之は末脚を欠いて5着に沈む。
「本当はもうちょっと粘れればよかったんですけどね。バックがちょっと重かったのもあって、粘り切れなかったというか。S級に上がっても僕のやることは1つなので、これからもしっかりアピールできる様に頑張っていきたいです」


<2R>
水上正二郎選手
水上正二郎選手
   逃げた窪田マーク・水上正二郎(写真)が直線で抜け出し1着。
「展開に恵まれましたね。窪田君がああいう形で駆けちゃうと強いですよね。もしかしたら差せないかななんて思ったりもしたんですけど、ギリギリとは言え交わせて良かったです。1着が取れているんで、調子はいいと思いますし、残り2日もいい結果を残せる様に頑張ります」
 窪田陽介は粘りきれずの3着。
「けっこうペースで駆けられたんですけど、今日みたいなレース展開では逃げ切れる様じゃないとダメですよね。ただ、昨日はちょっと不甲斐ないレースをしてしまったということを考えれば、今日は持ち味を出せたので、それは良かったかなと思いますし、明日に繋がるレースはできたんじゃないかなと思います」


<3R>
宮越大選手
宮越大選手
   本日からの補充参戦となった宮越大(写真)が同県・重倉との連係から地元勝利を挙げる。
「昨日は家で富山記念を見ていたんですけど、重倉君はそこで見せ場を作れずのレースをしていたじゃないですか。だから、今日はやってくれるんじゃないかなと密かに期待していたんですよ(笑)。実際、その通りになりましたね。セッティングは悪くないんですけど、まだ80点くらいという感じなので、残りの20点を埋めるためにも弟(孝治)に見てもらって調整していければ。補充参戦ですけど、自分の富山記念は今日から始まったというつもりなので、残りの2日間全力を尽くします」
 先行し3着の重倉高史は悔しさを露にする。
「自分の中では上手く駆けられたかなと思ったんですけど、ゴール線が遠くて遠くて。今日は絶対に2着までに残って、最終日の特選を走りたかったんですよ。それなのに、残れなかったのが本当に悔しい! 何にも出来なかった昨日と同じくらいの悔しさかもしれないです。この悔しさは明日、絶対に晴らします!」


<4R>
岡崎景介選手
岡崎景介選手
   こちらも補充参戦の岡崎景介(写真)が逃げ切りで快勝。
「本当は正規メンバーとして地元記念を走りたかったんですけど、とりあえず地元記念で勝つことができてホッとしてます。今のところ今期のS級点数がボーダー上にいるので、この1着でいい流れに持っていけたら。とりあえず、練習はできていますし、状態はいいんじゃないかなと思います。ただ、僕は成績にけっこうなムラがあるタイプなので、明日は余計に気を引き締めていかないといけないですね」
 岡崎マークでの2着で地元ワンツーを決めた熊無俊一
「岡崎君に付けている時も、誰かしら内から来るだろうと思って準備していたので、すぐに対応することが出来たんじゃないかなと思います。自分のやるべき仕事をやって抜けなかったので仕方ないと思うし、とりあえずラインで決めることができたので、それは良かったかなと思います」


<5R>
五十嵐力選手
五十嵐力 選手
   二次予選最初のレースで勝ち上がったのは、捲った中村後位が離れたところを追走して抜け出した五十嵐力(写真)
「予想外の展開で、完全に負けパターンでしたけど、中村さんの後ろが空いていたので、あれはもう付いていくしかないですよね。結果的に番手の望月(永悟)さんも準決勝に進むことが出来たので、本当に良かったです」
 五十嵐に交わされはしたものの、中村一将は2着で準決勝へ。
「後ろに五十嵐君が入ったのは分かりましたし、重いバンクでのレースではあったんですけど、その中で何とか2着に残れたのは良かったです。あとは明日の準決勝に向けて、今日までに溜まってしまった疲れをしっかり抜いて臨みたいと思います」
 3着入線を果たしたのは五十嵐マークの望月永悟
「今日は五十嵐の判断が良かったですね。おかげで、準決勝に進むことができましたけど、記念の準決勝は本当に久々のことなので、頑張るのはもちろんなんですけど、まずは雰囲気やレースを楽しみたいと思います」


<6R>
川口直人選手
川口直人選手
   6レースを勝利したのは、関根幸夫後位から番手捲りを放った川口直人(写真)
「こうしてみると、昨日のレースでタイヤ差で二次予選に勝ちあがれたのが大きかったですね。今日も展開に恵まれましたし。ただ、南関ラインでは僕1人だけが勝ちあがる様な形になってしまったので、正直なところ、そこまで手放しで喜べる様な状況ではないですけどね」
 落車を避けて最後方から大外を突っ込んだ吉岡篤志が「漁夫の利」で2着。
「結果論だけど、9番手で良かったっていうことやね(笑)。後ろから見ていて、田中(誠)君と兵藤(一也)君が激しく競ってたりして、落車しそうな雰囲気は感じていたんですよ。だから、ある程度心構えは出来ていたし、その結果あの落車を避けられたのが、もう全て。それしかいい様がないでしょ」
 落車した7名の中でいち早く再乗し3着となった屋良朝春が準決勝進出。
「自分の中では直線勝負に持ち込んで2~3着には突っ込めるかなと思って踏んでいたら、落車が起きて一瞬何が起きたか分からなかったですね。とりあえず、ケガもそれほど大きなものではなかったし、フレームも無事だったので、落車したのに準決勝へ進めたというツキを生かして明日も頑張ります」


<7R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
   豪快な捲りを一閃した中川誠一郎(写真)が1着。
「今回は疲れもないし、バランスも良くなってきてますね。今日は外を踏むって決めていましたし、自転車もよく伸びてくれたんじゃないかなと思います。状態は間違いなく良いと思いますよ。何より小野(俊之)さんとワンツーを決められたのが嬉しいですね」
 2着の小野俊之は中川の強さを絶賛。
「僕自身、体調はほぼベストなんですよ。だから、この状態ならまず前に離れることはないだろうと思っていたんだけど、それなのに一瞬離れてしまいましたからね。今日くらいの体調で離れたことなんてまずなかったので、それくらい誠一郎は強かったということですよ」
 3着入線の萩原操は「最後はオッサンの意地みたいなもんですよ(笑)」と上機嫌だった。


<8R>
山田庸平選手
山田庸平選手
   新鋭・山田庸之(写真)が逃げ切りでSS・佐藤友和を破る大金星。
「友和さんに前に出られたら苦しくなるので、先行にしろ捲りにしろ、友和さんより前へという組み立てだったので、ある程度考えていた通りの展開。前に出切ってからは無我夢中でしたね。それでも、バックで1番スピードに乗る様に仕掛けたので、それが上手くハマってくれたかなという感じ。友和さんを相手に逃げ切れたのは自信になりました」
 山田マークで2着の中谷渉
「あいつ(山田)は俺と連係すると強くなるんですよ(笑)。バックからさらに掛かっていたし、本当に強かったですよ。最後なんてもう一杯でしたから。本当に頼もしい若手が出てきてくれたなと。誠一郎も勝ち上がっているし、楽しみな開催になってきましたね」
 山田ライン3番手を固めた大竹慎吾がそのまま3着となり九州で上位独占。
「たまたま牽制で自転車を外に振ったら、タイミングばっちりで友和君を止めることができたっていう感じですね。山田君は本当に強かったし、踏み出しもいいですね。ただ、自分的には4コーナーでもうちょっとスピードが出てもいいかなという感じがあるので、少しサドル回りを調整します」


<9R>
金子貴志選手
金子貴志選手
   強烈なダッシュで鮮やかに捲った金子貴志(写真)が1着。
「この2日間踏んだ感じでは不安要素はないですね。結果的に有賀さんとワンツーできてよかったです。明日も力を出し切るレースで決勝、さらにはオールスターへ向けていい弾みを付けられればいいんですけどね」
 金子との連係が一度は崩れた有賀高士だが、何とか立て直しての2着に胸を撫で下ろす。
「金子は引ききってから仕掛けると思ってたから、タイミングがずれちゃったんですよね。そこからは後ろに宮越(孝治)も付いているし、追いかけないとという感じ。そうしたら、ちょうどコースが空いて金子に追いつくことが出来たんだけど、あれは富山競輪の神様が味方してくれたんでしょうね(笑)。この2日間は深谷、金子と離れてばっかりだけど、明日こそはしっかり付いていける様に気を引き締めていきたいと思います」


<10R>
藤原誠選手
藤原誠選手
   主導権奪った竹澤浩司マークから鋭い差し脚を発揮した藤原誠(写真)が1着。
「竹澤は残り2周の時点でかなり踏んでいたから、平原(康多)の捲りも止まっちゃったんだろうね。竹澤とは冬期移動で一緒に練習する機会があって、強いのは知ってましたから、信頼して任せて付いていった結果として恵まれましたね」
 2着は捲り追い込んだ須藤誠マークの内藤秀久
「須藤はA級時代から知っていて、強いのは分かっていたんだけど、今日は強気なレースをしてくれましたね。欲をいえば一緒に準決勝に進みたかったけど、こればっかりは展開もあることだし、仕方ないかなと。この2日間は恵まれた展開をしっかり生かすことができているので、状態としてはまずまず。これで今までの悪い流れを断ち切れそうです」
 中部ライン3番手を回った古田義明が3着。
「今の概定番組になってからでは初めての記念準決勝なので、やっぱり嬉しいですね。とは言っても、僕は前の2人にただ付いていっただけなんですけどね(笑)」


<11R>
村上博幸選手
村上博幸選手
深谷知広選手
深谷知広選手
   目標不在だった村上博幸(写真)が自力捲りで逃げる深谷を捕らえる。
「とにかく小嶋(敬二)さんより早く仕掛けたかったんですよね。タイミング的には自分の思っていたものと違ったけど、後ろに市田(佳寿浩)さんもいるし、多少強引でも仕掛けないとと思って。1着にはなりましたけど、やっぱり深谷君は強いですね。とくに4コーナーでの踏み直しが…。それまで進んでいた僕の自転車がピタッと止まりましたからね。それでも、微差とは言え、捲り切れたのは今後に向けて大きいですね」
 深谷知広(写真)はマークの加藤が離れ単騎先行となり、番手には武田がはまるも、それを振り切りあわや逃げ切りの2着と敗れて強しの強烈なインパクトを残す。
「ちょっと強引に叩きに行った感じになっちゃいましたけど、イメージ通り踏めたかなとは思います。踏み直しがどうこうというよりずっと踏みっぱなしでかなりキツかったですけど、2着に残れたのは良かったです」
 深谷マークにはまりながら3着の武田豊樹に落胆の様子は見受けられない。
「ホームでは僕も全開で踏んでいたんですけど、深谷君が来そうな気配はあったんですよね。見たら1人だったし、結果僕が番手にはまって、交わせずの3着というレースでしたけど、皆さんの見た目ほど僕にショックというのはないですよ。それなりに内容のあるレースをできたと思いますし、3着ということは車券にも貢献できているっていうことですからね。ただ1つ言えることは、深谷君は強いということですね」
 加藤慎平は深谷との連係が崩れ7着。
「いやぁ、ちょっと困ったね。あれは誰も付いていけないでしょう(苦笑)。本当に強すぎる。というか、もはや走ってるクラスが違う様な感じさえするよね」

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