『富山競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:8月13日
 富山競輪場開設62周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」は8月13日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。注目の決勝戦は池田勇人の先行に乗った長塚智広が番手好ガードから鋭く追い込み、昨年12月の伊東以来となる記念制覇を果たした。池田が2着に逃げ粘り、関東ワンツーを決めた。
決勝戦 レース経過
 号砲で出た小倉竜二と松岡貴久は別線の動きを確認しながらゆっくりと誘導員を追う。これで周回は松岡―小倉―池田勇人―長塚智広―柴田洋輔―山下渡―川村晃司―友定祐己―吉永和生の並びで落ち着いた。
 青板の1センターから川村が上昇を始めるが、この動きを察知した池田も合わせて車を持ち出す。そのままバック過ぎに誘導員を下ろすと、川村は車を下げる。正攻法の松岡は長塚の内で粘る素振りも見せたが、赤板ホームで下がってくる。そのまま池田が踏み上げると、中団には松岡、川村は7番手に置かれてしまう。一本棒のまま打鐘、中団の松岡が動かないと見るや、最終ホームからまず川村がまくり上げる。番手の友定が離れ、代わってバックから松岡が川村を追走。しかし3コーナーで川村が長塚のブロックを受けると2人とも外に膨らんでしまう。空いたコースを小倉が突っ込むが伸びきれず3着まで。池田をガードした長塚がゴール前で逆転し人気の関東コンビでワンツーを決めた。


長塚智広選手
長塚智広選手
 SS班の長塚智広(写真)にとっては負けられない決勝戦だった。関東勢がライン4車で結束し、池田勇人が闘志あふれる攻めでレースを完全に支配。川村晃司のまくりを強烈なブロックで仕留めると、最後はきっちり追い込んで人気に応えた。
 「恵まれました。池田君が本当に強かったです。かかっていたから川村さんもきつかったと思います。後ろにも2人いて、関東結束と言っている以上はしっかりとブロックして自分の仕事をしました。番手でこんなに苦しかったのは久しぶりですね」
 4月福井の共同通信社杯を制した後は精彩を欠く走りが続いた。今シリーズも不安を抱えた中での参戦だったが、ラインの結束力で悪い流れを断ち切った。
 「最近は調子落ちだったんですが、2日目からいい感じで走れるようになりました。今開催もそうですが、他地区が強いので関東も一本化して一つにまとまって戦わなくてはいけないと思い、後輩たちと一緒に気持ちを共有しました。これからも関東勢の結束、強さを見せていきたい」

 池田勇人はラインの長さを生かして赤板前から先行。長い距離を最後まで力強く踏み切った。
 「川村さんを出させたら厳しいですからね。33だから前々に踏もうと思ってました。赤板からちょっと早く踏みすぎましたが、カマされたら終わりですから。最後はいっぱいでしたけど、ワンツーが決まって良かったです」

 小倉竜二は巧みなコース取りから直線強襲。初日からオール3着でシリーズを走り終えた。
 「松岡(貴久)君が頑張ってくれました。前がかかってましたね。長塚君が持っていった時にちょっと見てしまった。それでも3着に入れたし、目標のオール3着は達成できました」

 川村晃司は最終ホームからまくって関東勢に襲いかかったが、長塚の厳しいブロックで失速した。
 「後ろから押さえて駆けたかったんですが、池田君が突っ張る気満々でしたからね。引いて、いけるところから仕掛けるしかなかった。長塚君のブロックも効きましたが、池田君もあれで2着に粘るんだから強い。やることをやった結果なので仕方ありません」

 川村マークの友定祐己は離れ、松岡貴久が川村を追っていったが、前のあおりで外に膨らんだ。
 「記念優勝は遠いですね。今の状態ではやっぱり厳しい。いい感じで川村さんを追っていけたが…。池田と川村さんが強かったです」


ゴール
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