『富山競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:8月30日
 33バンクの富山競輪場を舞台に開催されている開設63周年記念「瑞峰立山賞争奪戦(G3)」は、30日に3日目を迎えシリーズもいよいよ佳境。熾烈を極めた準決の3個レースに“ドリームスタジアムとやま”のスタンドは大いに沸いた。金子貴志、浅井康太、村上義弘、新田祐大のSS班4人は、すべてファイナルに進出。また、地元からは北野武史が優出を果たした。31日の最終日には乱戦を勝ち抜いた9選手により、第11レースで決勝の号砲が鳴らされ63周年記念のチャンピオンが決まる。
 本場では最終日も「仮面ライダー鎧武/ガイム」ショー、「井上マー」による吉本芸人ライブ、「スピーチーズ」のライブ、サンバショーなど盛りだくさんのイベントが予定されています。富山競輪場では様々なファンサービスで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。
<10R>
新田祐大選手
新田祐大選手
野田源一選手
野田源一選手
 竹田慎一が宮越大を連れて地元コンビの主導権。竹田の上昇に合わせて動いた新田祐大(写真)が赤板で願ってもない好ポジションの3番手を手に入れて、絶好のまくりごろ。新田があっさりまくりでカタをつけ、北日本ワンツーで人気に応えた。
 「(周回中で)原田(研太朗)君ラインが前にいたのは予想外だったんですけど、あとは道中で思った通りの展開になった。竹田さんのペース駆けがうまくて、ペースにはまってしまった感じもあった。それで自分の踏み出しが思ったよりも出なくて、危なかった。失敗というか、今日(準決)だったからよかったけど。決勝だったら危なかったですね。(仕掛けも)1回ちゅうちょしちゃったし、もう少し自分の脚に自信を持って走れれば。体の調子自体はバッチリだし、日に日に良くなってるんで」
 原田の巻き返しに新田が合わせてまくると、菊地圭尚が踏み出しに一瞬遅れた。直線では差し脚を伸ばして1輪差まで新田を追い詰めたが、交わすまでには至らなかった。
 「初日の新田君を見ているんで、とにかく踏み出しには集中していた。それでもワンテンポ半くらい、自分が遅れた。ギアもあると思うし、今日みたいな風が吹いているコンディションだったら、決勝はギアを下げることも考えないといけないですね。今日は新田君が仕掛けをちゅうちょしてくれてよかった。最終ホームで行かれたら、自分はやばかった」
 北日本勢の後ろを確保した野田源一(写真)が、そのまま流れ込んで3着で優出。
 「ジャンで前と車間が空いてしまったんで、そこで追いつくのに脚を使ってしまった。そのあとも仕掛けられてないんで、自分の脚に余裕がないってことだと思う。そのぶんも明日の決勝ではしっかりと力を出し切るレースをしたい」
 4着で地元記念の優出があと一歩だった宮越大が、悔しそうに振り返る。
 「あともう1車ラインがいれば…。真後ろから(新田に)まくられたら厳しい。力不足です」

<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
松川高大選手
松川高大選手
 赤板手前から飛び出した小岩哲也が一度は主導権を握って出るが、スピードの違いで叩いた筒井裕哉が主導権を奪取。最終ホームでは村上義弘(写真)を連れて、3番手以下をちぎる。番手の村上は車間を詰めてまくる小岩、さらにその上を行く金子貴志をけん制しながら、返す刀で松川高大の中割りを凌いで1着。
 「(筒井の)巻き返すスピードが良くて、自分は付いていくのもきつかった。筒井君はよく行ってくれたし、流さずに踏んでくれた。自分は外が(まくり)来たのも見えていたし、内も見えていた。久しぶりの富山ですけど、連日、近畿の後輩が頑張ってくれる。決勝も自分は精いっぱい、コンディションを上げられるようにしたい」
 小岩に乗った松川高大(写真)は、スピードを殺さず直線の入り口で村上に当たり中割りを試みたが2着まで。
 「(村上に)当たった時は自分が1着と思ったんですけど…。うまく当たったと思った。やっぱり村上さんはうまいですね、(内に)来るのを想定して、前に踏んでいるから。とりあえず初めての中割りにしてはまぁまぁでしょ(笑)」
 7番手の金子貴志は、最終1センターからまくり発進。直線では大外を伸びて前の2人に迫る3着。
 「今日は流れに乗り遅れないようにと思っていた。風が強かったし、きつかったですね。自分は1コーナー過ぎに踏み出して、(前が)空いていたから、そこを目標にして行った。もうちょっと早くスピードに乗ってくれればよかったけど、もうちょいでした。初日の感じではどうなることかって思ったけど、だいぶ良くなっているし。あと1日、頑張ります」

<12R>
浅井康太選手
浅井康太選手
北野武史選手
北野武史選手
 赤板過ぎに先頭に立った坂本貴史の抵抗をものともせず、川村晃司が力の違いで坂本を叩き切る。川村に浅井康太、北野武史と中近ラインの3車で出切った時点で勝負は決した。最後は浅井に差し切られたものの、川村の力強さが光った。
 「自分のもつ距離から仕掛けようって思っていた。(仕掛けて)出切れるかと思ったけど、そこから(坂本に)また踏まれましたね。浅井君は強いし、余裕があるから、自分は安心して駆けられました。決勝は村上さんに任せてもらえたんで、いつも通り行けるところから頑張ります。いいメンバーの決勝だし、力を出し切れるように頑張ります。仕掛けるタイミングを逃さないようにしたい」
 川村をスムーズに追った浅井康太(写真)が、ゴール寸前で図ったように追い込み1着。シャープな差し脚を披露した。
 「ジャン前から川村さんのすごいペースだったのが体感できた。自分としては昨日も(新車の)イメージがすごい良かったし、今日も感覚はすごい良かった。明日の決勝は自分が中部ラインの先頭で、まぁいつも通りですね。相手も強いし、次のG1のオールスターに向けていいレースができるように走りたい」
 3番手からソツなく流れ込んだ北野武史(写真)が、地元勢でただひとりファイナルへとコマを進めた。引き揚げて来ると、満足そうに口を開いてこう言う。
 「気持ちよかった、どこまで掛かっていくんだろうって。(川村は)強いですね、明日の決勝は敵ですか? 僕はあれで後ろの人に食われたくない、頼む3着って思っていました。明日は(中部ラインの)3番手で」
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