『富山競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:8月15日
 富山競輪を舞台に行われている開設64周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」は後半戦に突入。8月15日の3日目は準決勝をメインに争われた。3番勝負はどれも白熱。V候補の最右翼、脇本雄太はラインを引き連れ順当に決勝へ勝ち進んだが、最終レースは大波乱となり、渡邉一成、神山雄一郎はまさかの着外に。連日の死闘を勝ち抜き、ベストナインが出そろいました。
 なお、本場ではたくさんのイベント・ファンサービスで大会を盛り上げます。最終日も現役選手をゲストに迎えて山口幸二氏のトークショー(16日は深谷知広選手)と予想会、フードコーナーからゲームコーナー、プール、おもしろ自転車など盛りだくさん。また、明日の16日(日)は手裏剣戦隊ニンニンジャーショー、アマチュアエキシビジョンレース、スピーチーズライブなどが予定されております。こちらもどうぞお楽しみに。
<10R>
近藤隆司選手
近藤隆司選手
相川永伍選手
相川永伍選手
 3車で結束した中近ラインに抵抗したのは、徹底先行の相川永伍ではなく服部克久だった。後ろ攻めとなった相川の上を赤板前で服部が叩くと、赤板でその上を山田久徳が一気に踏み込んだが、服部は一歩も出させぬ構えでペースアップ。最終ホームで中近ラインが後退すると脚をためていた近藤隆司が1コーナーから車を外に持ち出して前団をひと飲み。追走した松坂は口が空いてしまいながらも、意地の踏み込みで2着に食い下がった。
 無傷の優参を果たした近藤隆司(写真)は「前受けはしたくなかったけど、服部さんと山田君がやり合っているのが見えて『よしよし』って思って見てました。2日目に少し軽く感じたのでギアを3.92に上げたのも良かったですね」。勢いは止まらず。決勝は強敵が相手も、今の力なら完全Vの記念初制覇も夢ではない。
 松坂英司は離れながらも懸命に近藤を追走。さらに、4コーナーでは相川にからまれながらも意地で2着を確保した。
 「本当に近藤君は強い。ここってところで仕掛けてくれるし、コーナーの上りもどんどん加速して…。自分は離れてしまったけど、人気にもなっていたので責任を持って走りました」
 相川永伍(写真)は嬉しい初の記念優出。
 「本当は服部さんが斬った上を叩いて先行するつもりでした。でも服部さんが動かなかったから…。叩かれた後もすぐに叩きに行こうと思って踏んだ結果、あそこの位置が取れたと思います。後ろには迷惑を掛けたけど、決勝に乗れてよかったです」
 服部克久は早めの突っ張り先行から力を出し切り納得の様子。
 「引いて中団争いをして終わるよりは、山田君を突っ張って先行した方がいいと思ったので。先行して残れなかったんだから脚がないのが分かった。でも準決勝でああいうレースができたので収穫がありました」
 大塚健一郎は「服部君があれだけ頑張ってくれたのに。自分の力不足です」と悔やむ。

<11R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
川木敬大選手
川木敬大選手
 脇本雄太(写真)が人気に応えて連勝を飾った。前受けから青板のバック過ぎに、池田勇人の上昇を突っ張る。打鐘前に再度、仕掛けた池田の後ろは離れ、脇本が番手にはまる。車間を詰める勢いで最終2コーナーからまくって快勝した。
 「早めに来られたら下げて、遅かったら突っ張ろうと思ってました。池田さんが来たのは見えなかった。ラインで決まったのは何よりうれしいです。脚は上がってきているけど体の調子が付いてこないですね。でも、徐々に良くなっているし、明日もラインで決まるように頑張ります」
 南修二がきっちり続いて2着に入った。
 「脇本君がとにかく強かった。重さがあるし、まったく詰め寄れなかった。着以上に感触は良くないですね」
 ライン3番手の川木敬大(写真)が3着に流れ込み、近畿3車で確定板を独占した。
 「ラッキーでした。ツキだけですね。ただ付いていっただけで何もしていない。付いていく分には余裕がありました。記念決勝は2回目です」
 池田勇人は和田圭が離れて裸逃げの形になってしまったが、それでも諦めずに最後まで踏み続けた。
 「1人になってしまったのは仕方ないですね。和田君との意思疎通がうまくいかなかった。でも、力を出し切っての6着なら納得。徐々に状態は上がってます」

<12R>
五十嵐力選手
五十嵐力選手
山田英明選手
山田英明選手
 渡邉一成、神山雄一郎がまさかの準決勝脱落。最終レースは渡邊が赤板過ぎから踏み上げていくと神山が離れ、岡崎智哉が番手にはまる展開に。渡邉は懸命に逃げるも、これを山田英明が鮮やかにまくり、さらに追った五十嵐力(写真)が追い込んで1着。大波乱の決着となった。
 「僕は脚を使ってなかったし、これはいけるかなと。前もいっぱいの感じだったし、山田君を追い掛けていけば勝てるかと。それにしても富山は展開が抜群に向きますね。この強いメンバーだったんでどうかと思ったけど」
 まくった山田英明(写真)が2着で決勝進出。
 「車が出てますね。昨日も気持ちばかり空回りしてたんで、今日は流れに逆らわずにいこうと思ってました。前が踏み合ってたし、神山さんが離れてたのが分かったんで、渡邉君のダッシュがすごいんだなと。自分は行けるところから落ち着いて行こうと。ダメなら途中で下りようと思ってたけどいけましたね」
 岡崎の後ろから、志智俊夫が追い込んで3着に滑り込んだ。
 「打鐘3コーナーで渡邉君をけん制できなかったので、神山さんのところと思ったらいなくて番手が空いてた。岡崎君と決勝に乗りたかったけど、山田君のスピードが違いましたね」
 渡邉一成は岡崎に使われる最悪の展開に。懸命に逃げたが、援軍を失い最後は馬群に飲まれた。
 「1人になっているとは分からなかった。キツかったけど、コーナーに入るところだったんで、神山さんがひと振り、ふた振りしてあとはラインで決まるかと思った」
 岡崎智哉は絶好の展開を生かせず悔しがる。
 「番手に入ったけど、チャンスをモノにできなかったですね…。でも、攻めた結果なんで仕方ない。次に生かせるように頑張るしかないですね」
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