『富山競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:8月16日
 富山競輪開設64周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」(G3)は8月16日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。 激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が最終11レースで争われた。注目の決勝戦は最終2センターで落車のアクシデント。1着入線の山田英明が痛恨の失格を喫し、南修二が繰り上がって記念初優勝を達成した。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると別線の様子をうかがいながら、南修二が誘導を追いかける。前団の隊列は南が脇本雄太を迎え入れて、脇本―南―川木敬大―志智俊夫。山田英明、相川永伍と単騎の2人が続いて、近藤隆司―五十嵐力―松坂英司の南関勢が後方に待機。
 7番手の近藤は早めに上昇を始めて、青板手前ではすでに前受けの脇本に併せ込む。脇本との併走から近藤は赤板手前で誘導を降ろして先頭に立つ。近藤に五十嵐―松坂と出切り、山田、相川まで切り替え、脇本はすんなり6番手まで下げる。後続を一本棒にして近藤が打鐘からグングンと加速して逃げる。
 最終ホームを通過して、空いた車間を詰める勢いで6番手から脇本が巻き返す。中団にいた単騎の2人は合わせて出られず、脇本が前団に迫りバックを迎える。逃げる近藤との車間を切った五十嵐が、脇本に合わせて詰めるが3コーナー過ぎに近藤と接触して落車。松坂が乗り上げ、脇本は外に浮いていっぱい。落車を避けながら斬り込んだ南は、直線の入り口で車を近藤の外に持ち出して追い込む。一方、南に押し込まれた山田は近藤の内を踏み込む。近藤を挟んで南、山田の攻防は、山田に軍配が上がるも内側追い抜きで1着失格。南が繰り上がり優勝。中団から差し脚を伸ばした相川が2着に入り、逃げた近藤が3着。


南修二選手
南修二選手
 敗者戦で落車が続いて波乱の1日となったが、さらに、最後の最後に大アクシデントが待っていた。今節絶好調の近藤隆司と、V筆頭の脇本雄太の力勝負に場内は沸いたが、最終2センターの落車でレースが吹き飛んだ。さらに、1着入線の山田英明が痛恨の失格。南修二(写真)に思わぬ形で記念初Vが舞い込んだ。
 「抜けてないし、落車もあったんで実感はあまりないですね。今日はああいう展開になるのは想定してました。最後、脇本君が苦しそうにしてたんで内を行かせてもらいました。落車を避けるのはやってできるものではないけど、コースに入った時点で前に踏むしかないので。脇本君が頑張ってくれたし、3、4番手を固めてくれたおかげ。自分の力だけではないので。でも、これを機にG1、G2も頑張っていきたい。誰と言わず、近畿は皆強いんで、少しでも追い付いていかないと」

 山田追走から、相川永伍がこちらも繰り上がって2着。初優出で表彰台入り。
 「今日は山田さんは位置取りが上手いし、とりあえずそこに付いて行って様子を見ようと思ってました。自分で仕掛けられればよかったけど、山田さんも行く雰囲気があったので。ただ付いて行っただけだったけど、こういう舞台を経験できてよかったです」

 近藤隆司は果敢に逃げたが、結果は実らず。
 「早めに押さえないと突っ張られると思ったんで。赤板で(誘導を)斬ってから要所要所で上手く踏めたと思うけど、最後に飲み込まれたので。でも力を出し切れたので、次に繋がるレースはできたと思います」

 山田英明は固唾をのんで審議を待ったが、判定はアウト。記念初Vは幻と消えた。
 「バックで仕掛けようと思えば行けたけど、五十嵐さんの番手まくりと思ったんで。外を行けないし、内を行ったのは一か八かだった。厳しいけど仕方ない。自分で仕掛けられなかったことに悔いが残ります」

 脇本雄太は体調不十分のなか、力勝負をして納得の様子。
 「誘導の失格ラインの前に押さえにくるとは思わなかった。すぐに引いても巻き返しても持たないんで、ギリギリまで待ってから。切らせておいて、行けるところからのタイミングで。(落車を)避けるのでいっぱいだったし焦りました」

 川木敬大も勝負所でアクシデントでは致し方なし。
 「乗り上げましたよ。脇本君は止まった感じがしたけど、落車がなくても僕もその時点で脚はいっぱいだった。落車しなくてよかったです」


ゴール
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