『松阪競輪場開設56周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:7月12日


 松阪競輪場開設56周年記念「蒲生氏郷杯王座競輪」は今日が最終日。激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が最終11Rで争われた。激しい直線の攻防を制し、見事優勝を飾ったのは神山雄一郎選手。七番手から大外を豪快にまくった新田康仁を鋭く差し切り、昨年の5月の宇都宮以来となる久々の記念制覇を果たした。

決勝戦ダイジェスト

 井上、北津留の九州勢は別線勝負。大薗がスタートを決めると、新田康仁―神山雄一郎―大薗宏―井上昌己―加藤慎平―松岡彰洋―北津留翼―加倉正義―前田新の並びで周回を重ねる。 赤板のホーム手前からまず動き出した中団の井上は、正攻法の新田を封じて一旦前に出る。そこを北津留が叩いて先行体勢に入ると、中団に井上、七番手に新田で残り1周半を告げる鐘が入る。中団の井上がまくりのタイミングを計ると、2コーナーから新田が先まくり。新田のスピードが良く、中団から合わせて出る井上、北津留後位の加倉を一気に飲み込んでしまう。その新田後位から最後は神山が直線一気、2着には新田が粘った。

神山
神山雄一郎選手

 地元の松岡彰洋が自力勝負を回避したことにより、想定外の並びとなった決勝戦。北津留翼の先行を新田康仁が後方から力強くまくり切り、神山雄一郎が直線で鋭いキメ脚を発揮した。
  「今日は新田君が頑張ってくれれば、自分にもチャンスはあると思っていました。いいスピードでまくり切ってくれたし、優勝できたのは新田君のお陰に尽きる。直線は交せるかどうか微妙だったけど、何とか差せました。自力から追い込みに変わっていく中で、なかなか結果が出ずに苦労しましたが、最近はレース中もかなり余裕が出てきたし、いい走りができるようになってきた。追い込み型として手応えをつかめてきたので、また特別を獲れるように頑張るだけですね」

 七番手から渾身のまくりを放って2着の新田康仁は納得の表情を浮かべる。
  「井上君が斬りに来るのは分かっていたし、何とか出させないようにと思ったんですが…。半車身ぐらい出られてしまい、仕方なく下げました。後ろの選手のこともあるし、もうあの展開になったら一か八かで仕掛けるしかないですからね。ヒヤヒヤでしたが、まくり切れて良かったです。後ろは神山さんだし、差されたのは仕方がない」

 福岡勢とは分かれて別線勝負を選択した井上昌己は、四番手キープから仕掛けて3着に入った。
  「作戦通りで、チャンスはあったんですが…。新田さんの仕掛けに合わせて踏むつもりだったけど、やっぱり逃げているのが北津留君なので、一瞬躊躇って反応が遅れてしまった」

 井上マークで4着に終わった加藤慎平はサバサバした表情。
  「展開は予想していた通りだった。やっぱり井上も逃げているのが北津留では仕掛けにくいですから。自分は内を突いたけど、北津留君もバックからタレてきているし、厳しかった。この後はふるさと富山まで配分がないので、きっちり練習して脚を作り直します」

 北津留翼は積極的に主導権を握り、見せ場を作った。
  「ちょっと前に出るのが早かったかもしれません。緩めると別線にいかれてしまうし、流せなかった。最後はバテバテになってしまいましたが、自分の力は出し切れました」
  リード役の加倉正義は反省に徹する。
  「自分の操縦ミス。北津留のかかりは今ひとつだったし、あのスピードでは止められない」

ゴール




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