『松阪競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:11月9日


 松阪競輪開設58周年記念「蒲生氏郷杯王座競輪」は2日目を終了。天気は終始曇り空で、底冷えが厳しいあいにくのコンディションとなったが、レースは激戦のオンパレードとなった。本日のメイン競走である優秀戦「本居宣長賞」は武田豊樹が制し、明日以降へ弾みを付けた。ファイナル進出を巡る争いは、引き続き熱を帯びそうだ。
 明日は、景品の当たるスピードくじを先着2000名様に配布、ほかにも「秋の演歌まつり」と題した日替わりステージ、選手会によるイベントや専門解説者によるケイリン予想会などの本場イベントはもりだくさん。明日もどうぞ松阪競輪場にお越しください。


<5R>
竹田和幸選手
竹田和幸選手
   5レースから二次予選がスタート。レースは町田勝志-永山英司が先制すると、三番手を確保した竹田和幸(写真)が二角からまくりを決めて圧勝。準決Aに駒を進めた。
「今日は展開一本でしょう。ギアをいつもの3・86に戻して正解でしたね。ただ、あんな良い位置に入ってのまくりは久々だったんで、思うように車が出なかった」
  小川勇介はヒヤヒヤの3着入線で、準決Cに進出。
  「竹田さんを押さえながら駆けようとしたら、突っ張られてしまった。昨日から、流れや想定していた展開が違うし不完全燃焼です。ただ、脚の状態は昨日より全然良い」


<6R>
松坂洋平選手
松坂洋平選手
   6レースは、松坂洋平(写真)が赤板過ぎに早々と誘導をどかすと、そのまま先行態勢に。最後まで圧倒的な力を見せ付け、別線の巻き返しを封じた。
  「昨日の吉川(誠)さんの事もあったし、(牛山と)けん制し合うのもどうかなと思って前を取りました。もし来ても突っ張る気でした。でも牛山さんが引いてくれたし、早い仕掛けがうまくいきましたね」
  松坂マークの郡司盛夫は3着に。ゴール手前で三番手の野木義規に食われてバツが悪そう。
  「松坂は踏み出し、粘り、スピードどれをとっても完璧でしたね。あえていい訳をさせてもらうと、今回風邪を引いてしまい調子が少し悪いんです。情けないけど、今の俺ならこんなもんです(苦笑)」 
  牛山貴弘は後方から巻き返しを図ったが着外に沈み、「(松坂が)突っ張る気満々だったから、引いてから立て直そうと思ったんだけど七番手じゃきついですね…」と言葉少な。


<7R>
藤原誠選手
藤原誠選手
   7レースはラインが4つに分かれる細切れ戦に。2車ながら積極的に先制した鈴木謙太郎は、末脚も良く2着に逃げ粘った。
  「昨日、消化不良のレースをしていただけに、今日は何としても先制したかった。タイミング良くカマせたし、予定通りでしたね。2車でしたけど、藤田(晃英)さんとは二人のどちらかが勝ち上がれれば、と話していました」
  勝ったのは藤原誠(写真)。バック最後方に置かれる絶体絶命の展開から、内をスルスルと辿ると、最後は中バンクを突き抜けた。
  「位置的にはもう終わったかなと思ったけど、脚には余裕がありましたから。まるで吸い込まれるようにコースができた。ギアを一枚落としたんだけど、それが正解だったのかな。同県の竹田(和幸)が勝ち上がっていたし、俺もどうにか続きたかった。準決Aはこれで2回目。嬉しいですね」
  3着の黒崎直行は「(山下は)ホームで筒井(裕哉)に鈴木ラインの三番手に入られたのが痛かったね。あれが無ければ二人で連に入れたかもしれない。でも、あいつも勉強になったでしょう」と前を任せた山下渡を気遣う。


<8R>
朝倉佳弘選手
朝倉佳弘選手
  8レースでは、朝倉佳弘(写真)が大立ち回り。長塚智広、稲村好将の関東コンビとは別線勝負を選択し、単騎での勝負なると、ホームカマシの稲垣裕之の後位に飛び付いて番手を確保。最終四角でヨコに並んだ長塚智広をどかして、直線で稲垣を差し交わした。気合が十分に伝わってくる渾身のレースだった。
  「最初からハコ狙いと言うわけではなく、ペースで踏んで、自分のスピードと合ったところで飛び付ければと。狙い通りでしたね。これが自分のやりたい競走だし、会心のレースだった。このメンバーの中で勝てたのは自分にとってものすごく自信になるし、周りにアピールができたと思う」と満足げ。ただ、「最後にどかしたのは大井(啓世)さんだと思ってたんですけど、まさか長塚さんとは…。全く気が付かなかった。本当に申し訳ないことをしてしまった」と反省も忘れない。
  稲垣裕之は「吉川もペースで駆けたらうまいから、本当なら突っ張る気もあったんですけどね…。俺自身、疲れはあるけど、日ごとに軽くなってますね」とサバサバしている。


<9R>
倉野隆太郎選手
倉野隆太郎選手
   9レースは、岡田征陽マークの飯嶋則之が直線で抜け出して快勝。
  「体調を崩していて、ちょっと状態が悪かったんだけど、徐々に戻っています。今日は展開だし、岡田が色々と動いてくれたおかげです」
  岡田征陽は「今日は細切れだったし、レースの流れに応じて動こうと。それだけに作戦は立てていなかったんです。でも自分のペースで踏めたし、最後までフィーリングが合ってました」としてやったりの表情。
  倉野隆太郎(写真)は「岡田さんを動かして、レースを作りたかった。本当なら藤野が斬ったその流れに乗っていければ良かったんだけど、踏み出しがモコモコしてしまい付いていけなかった。でも休まずに踏んで出切れたし、3着に入れたんだから良いでしょう」と冷静にレースを振り返る。
  藤野孝彦は「斬って、倉野さんが来るのを待ってたんだけど、思ったよりもスピードが出ていたんで、そのまま行ってしまった。それに見せ場を作りたかったし」と先行策に打って出た背景を説明する。


<10R>
山内卓也選手
山内卓也選手
   10レースは浅井康太が打鐘先行。城戸崎隆史のイン粘りをしのいで番手を死守した山内卓也(写真)が、番手有利に抜け出した。
  「浅井は連日、積極的に行ってるし偉いね。今日は浅井が逃げて、中団がもつれるって展開を想定したけど、赤板で谷津田(将吾)が一緒に上がってきたから、あれなら下げてカマすしかない。そうなれば(城戸崎に)粘られるのは仕方が無いでしょう。しのいでアタマだったし、展開をつかめているのは大きい」
  浅井康太は末脚を欠き着外に沈んでしまった。
  「今日は逃げてどこまで行けるかがテーマでした。打鐘で脚を使ったりしてしまい、最後まで残れなかったけど、今日のレースならいつもだと9着に沈んでた展開だし、4着なら頑張ったほうでしょう」
  2着入線は吉永好宏。城戸崎マークから、山内後位に切り替えて直線を鋭く伸びた。
  「城戸崎さんから『粘ることもあるかも』と言われていたんで、覚悟はしていました。直線では、ギアが重かったし、踏み込む時はどうかと思ったけど、そのぶん加速には手ごたえがありました」
  3着には、後方から脚を溜めて突っ込んだ谷津田将吾が食い込んだ。
  「浅井が出て行くと思ったら引いたんで…。そうしたら一気にカマされてしまった。思ってた展開と違いましたね」


<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
   11レースは優秀戦『本居宣長賞』。ここでは関東勢の結束が実り、確定板独占を果たした。1着は武田豊樹(写真)。平原康多の後位で車間を空けて徹底援護を図り、最後は直線で追い込んだ。
  「康多の踏み出しに一瞬離れそうになったけど、そこは何とか。出切ってからは、小嶋さんと荒井の動きを気にしながら車間を空けて準備していました。僕は先行選手だけど、この手のテクニックは、身につけておかないといけませんからね。しっかり援護できたと思います」
  2着の兵藤一也は「武田さんは離れかけてたけど、俺は踏み出しに付いていけてた。2センターで誰も来なかったし、この展開なら3人で決まるよね」とラインでの勝利にひと安心している。
  平原康多は積極策で別線を圧倒して3着に逃げ粘った。
  「荒井(崇博)さんが、小嶋(敬二)さんを突っ張ったのを見て、中途半端に行っちゃダメだと思い、腹を決めて目一杯駆けました。道中、風が気になったけど、しっかり(ペダルを)回せました」
  荒井崇博は5着入線で、準決A進出に。
  「小嶋さんを突っ張って、その勢いで平原に飛び付こうと思ったんだけど、スピードが違いました。小嶋さんなら(中部の選手)たくさんいるから良いけど、俺は準決Aに乗らないときつい。(準決A進出は)最低条件みたいなもんですからね」
  小嶋敬二は仕掛けどころに窮して7着と惨敗。
  「荒井たちは2車だし、駆けないだろうと思って平原の様子を気にしていたら、いつの間にか突っ張られてしまった。自分が踏んだ時にはすでに平原はカカっていたし、今日は仕方がない」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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