『松阪競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:11月3日


 松阪競輪開設59周年「蒲生氏郷杯王座競輪」は11月3日に4日間の熱戦に幕を下ろした。優勝したのは中川誠一郎。逃げる地元勢をバック八番手から豪快にまくって、初出走の松阪競輪場で嬉しい記念初優勝を飾った。

決勝戦 レース経過
 スタートで豊岡哲生が飛び出し中川誠一郎を受けて九州コンビが前団。神山拓弥-太田真一、吉田敏洋-有賀高士、浅井康太-岩見潤-松坂英司と細切れの四分戦に。青板バックで吉田が上昇すると、神山のアウトで止まり牽制する。吉田はしばらくフタをしていたが、打鐘を迎えると誘導を交わしてハナに立った。吉田はペースを上げず流していると、浅井が巻き返し、最終ホームでは全開で先行態勢に入る。三番手は内に吉田、外に神山となったが、神山が踏み勝ちキープも、中団はごちゃついた。最終バックの手前で、後方から中川がまくり上げるとグングン加速して前団に迫る。岩見の牽制を乗り切った中川がゴール前で一気に突き抜け記念初Vを決めた。豊岡も好追走して中川に続き九州ワンツー。浅井を利した岩見は3着まで。


中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 以前の中川なら違った結果になっていたかもしれない。
 「デキはいいみたい。あとは出すだけ」。
 迷わず前受けしてレースを組み立てると、下げた八番手から力の限りに踏み込んだ。
  「4、5年前は記念を獲りたいだった(獲りたい気持ちが先走っていた)けど、歳を取るのも大事ですね。今日はあまり焦りもなく、落ち着いて走れました。位置にもこだわらず、開き直って力を出し切れればいいかなって」
  相手は強力な中部勢だったが、今日も中川のスピードは違った。
  「前は遠かったけど、バックでまくったら順調に進んだ。2センターではイケる。絶対、行ってしまうだろうから、岩見さんごめんなさいと思った。獲れるときはこんなにあっさり、出来過ぎですね」
  これが今年初優勝だが、今まで優勝してきたFI戦とは価値が違う。この後は千葉FIを走って競輪祭。
 「次はGI優勝が目標になりますね。とりあえず早くGIの決勝に乗りたいです」
 中川の視線はすでに次のステージに向いている。

 記念の準決勝が初めてなら、当然決勝進出も初めての豊岡哲生。連日の中川マークからついには競輪祭の権利もゲットしてしまった。
  「やり過ぎましたね、今回は。中川さんのおかげです。準決勝で仕掛けのポイントとかは分かってたけど、やっぱり抜けない。準決勝Aでも十分だったのに競輪祭なんて…、十分すぎます」

 岩見潤の地元記念連覇はならなかった。
  「あれは色々作戦があるなかのひとつ。でも誠一郎が前を取ったのが誤算だったね。ホーム八番手の誠一郎にまくられたら力不足。しゃーないですね」

 逃げた浅井康太は5着に。ファンの一番人気に応えることはできなかった。
  「早めに踏み上げて神山くんが来たのに合わせればと思ってました。アカンですね。キツかった…。中川さんはすんなりのまくりだしね」

 地元ライン三番手に続いた松坂英司は「自分で選んだ三番手。そのラインが先行した時点で僕は三番手の仕事をしようと思ってました。待った分、あの着になってしまいましたね」とサバサバした表情でレースを振り返った。


ゴール




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