『松阪競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 最終日編
配信日:11月16日
松阪競輪開設60周年記念「蒲生氏郷杯王座競輪」が11月13~16日の日程で開催された。S級S班8名を始め豪華メンバーが激突したシリーズを制したのは園田匠。中団からまくった平原康多ライン3番手から直線一気に突き抜けた。この優勝で獲得賞金ランキングもS級S班争いの18位付近まで大きくジャンプアップ。初のS級S班入りへ、伊東F1、競輪祭で勝負をかける。
決勝戦 レース経過
号砲と同時に大塚健一郎が勢い良く飛び出す。目標の平原康多を迎え入れ、隊列は平原-大塚-園田匠が前団、小嶋敬二-笠松信幸-三宅伸で中団を形成、鈴木謙太郎-伏見俊昭-竹内智彦が後攻めの形で落ち着く。
赤板前から鈴木が上昇を開始。そのラインを追った小嶋が打鐘前から叩きに出るが、鈴木はそれを許さない。小嶋は7番手に車を下げ、平原がすんなり中団をキープ。打鐘過ぎ2センターで平原が仕掛けると、鈴木が合わせてスパートする。平原は踏み止めて再度、中団に入り、2コーナーから鋭くまくり上げる。車間を空けていた伏見が平原をけん制しながら踏み込むも、最終4コーナーで平原が強引にまくり切る。直線に入り、平原マークの大塚が追い込むが、その後ろから園田が強襲。大塚を捕らえて、2度目の記念優勝を飾った。2着は大塚で、鈴木を利した伏見が最内をしぶとく伸びて3着に入る。
園田匠選手
「番手のほうが楽ですけどね」としながらも今の
園田匠
にとって3番手は十分に勝負圏内だった。打鐘で上手く中団を確保した平原が1センターからまくると、番手から抜け出す大塚健一郎の外を鮮やかに伸びた。
「中団が取れた時点で平原なら絶対に行く。あとは大塚さんがどう伏見さんのところを切り抜けるかでしたね。あそこで抜くのは僕の持ち味。抜けなければ持ち味は全くないので」
これで今年6月の四日市に続いて、自身2度目の記念制覇。「1回だけでマグレと言われないように2回目が欲しかった」と笑顔がはじける。そしてこの優勝で賞金ランクも大きくジャンプアップ。S級S班が狙えるところまで上がってきた。
「まずはちょっとゆっくりして。今回はほとんどSSのなかで優勝できて自信になる。この優勝で、このあとのレースでもっと気合を入れて挑めると思うので、とりあえずSSを狙って頑張りたいですね。こんなチャンスはそう簡単に来ないですから」
連日鋭い差し脚でファンの一番人気に支持された
大塚健一郎
はゴール寸前で差されて2着。「匠が強かったです」。レース後は勝った園田を素直に称えた。
「打鐘の4コーナーで(平原が行くのをやめて)ハウスしそうになった。あれで脚を使いましたね。まくった平原が降りたし、僕もあおりを食った。あそこしかなかったので踏んだけど、ちょっと(ゴールまで)長いなと思ってた。最後は脚ですよ。匠が強かった」
逃げる鈴木謙太郎の番手を回った
伏見俊昭
だったが、平原のまくりを止め切れず。
「謙太郎はかかってたし、僕も1コーナーから車間を空けてたけどね。(平原が)来たときにはスピードが違って止まらなかった。平原は強い…」
まくった
平原康多
は6着の結果に、まず「力不足です…」とひと言。
「打鐘の4コーナーで行こうとしたけど、見られちゃった。中団で立て直してすかさず行ったけど、こんどは伏見さんと合ってしまったので。まだ次から頑張ります」
7番手から大外をまくり上げた
小嶋敬二
だが惜しくも届かず4着まで。
「ホームで行きたかったけど行けず、伏見が車間を空けるだろうから空けたら楽になると思ったら脚も溜まらず。格好悪いけど、バックで一杯だった。平原がまくってグチャグチャになったらと思ったけど、思ったよりも園田が伸びたね。て言うか園田が強い」
逃げた
鈴木謙太郎
は9着大敗の結果となったが、「良い勉強になった。面白かったです」とレースを振り返る。
「早めに行くと小嶋さんに出られて平原さんのカマシ。遅ければ突っ張られるので普通に押さえに行きました。平原さんを7番手にできたと思ったら、4番手にいるのでアレッと思って。中団を取り合ってくれるレースなら良かったんですけどね。やりたいレースはできたけど、あれで持たないようじゃ上で通用しない」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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