『松阪競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:11月17日
 松阪競輪開設62周年記念「蒲生氏郷杯王座競輪」が今日から始まった。朝から小雨がぱらつく生憎のコンディションとなったが、オープニングレースから激しい勝ち上がり戦を展開。メーンの特選は高橋陽介、吉田敏洋に浅井康太が制してシリーズの好スタート。明日は「本居宣長賞」をメーンに2次予選6個レースで準決勝進出をかけたサバイバルレースが繰り広げられる。
 明日はドラゴンゲートが松阪競輪場に襲来! 11時頃からはリングで遊ぼう(お子様のみ)、12時20分頃、13時20分頃、15時10分頃からはドラゴンゲートによる試合も予定されています。競輪予想会などのイベントも引き続き開催。明日もぜひ松阪競輪場へご来場ください。
<1R>
溪飛雄馬選手
溪飛雄馬選手
 同期2人を従えて、湊聖二がホームからカマシ先行。番手の溪飛雄馬(写真)が絶好の展開をモノにした。
 「まさかあそこで行くとは思わず離れてしまった。抜きすぎたかな? 湊さんは? (勝ち上がれる)4着に残ったなら良かったです」
 後方からまくり上げた中村美千隆が2着に食い込んだ。
 「湊君が行ったので展開が向きました。自分の状態は良いけど、欲を言えば1着に行きたかったですね」
 3着の藤田和彦は「今回は自分で踏めてる感じがある。(3場所前の落車で)ここ2場所は他人の自転車に乗ってるみたいだったからね」と復調を実感していた。

<2R>
 大瀬戸潤一郎が強引に叩くと小原太樹が番手に。6番手に置かれた稲川翔だったが、バック過ぎからまくり上げると鮮やかに前団を飲み込んだ。
 「7番手になるのが嫌っていうのが出すぎた。考えすぎましたね。ホームで転びそうになって危なかったし、気持ちの整理がつかずにバックで詰まったところで行けなかった。あそこで行けてれば3人で決まったでしょうね。早いレースが久しぶりで焦ってました」
 2着には小原後位で立て直した吉永和生が。
 「大瀬戸はダッシュがいいと分かってるので緊張した。3番手に入ったけど内が空かず、最後直線で当たったけどダメでした」

<3R>
内村泰三選手
内村泰三選手
 先行態勢に入った菅田和宏が流したところをホームから中国コンビが一気にカマす。この仕掛けがまんまとはまり、内村泰三(写真)が押し切った。
 「苦しかった…。これで4日分(の力を)使いましたね。あれはつねに狙ってるんで。出切ってから小川さんを確認して踏みました。脚はずっとあるので、あとは展開が向いたらね。今日は展開が向きました」
 2着の小川巧は笑顔が絶えない。
 「(内村が)強いわ。僕は踏みっぱなしでエラくて抜けなかった。バックで苦しかったですね。(後ろから)来るな、来るなと思ってたけど恵まれました」
 離れた3着は斉藤正剛がキープした。
 「予選は緊張するね。(菅田が)なかなか追いつかないし、追いつく前にタレてきたからドキドキしたけど、良かったです」

<4R>
吉村和之選手
吉村和之選手
 打鐘から安部貴之と山田庸平で踏み合いになったところをホームから一気に竹澤浩司がカマす。これで綺麗に中部3車が出切ると、最後は番手の吉村和之(写真)が抜け出した。
 「9割5分、竹澤君のおかげです。最近、流れがいいのは前の選手が調子がいいだけで、自分でやると散々。今日もそういう展開でしたね」
 2着の竹澤浩司もラインでの上位独占に貢献して納得の表情。
 「カマシ頃になりましたね。踏み出しで思い切り踏んで、あとはペースで行けました。ラインで決まってよかったです」

<5R>
 藤田竜矢が打鐘からフカし、筒井裕哉は車間の空いた7番手。そこから好回転でまくると、番手の藤原誠が直線一気。今年の6月以来、久々の1着をゲットした。
 「勝ち方を忘れた感じで、1着はどれくらいないか覚えてない。ホームでは厳しいなあと思ったけど、筒井君はバックからかなりいい勢いで、行き切るなと思った。付いて行けば2着はあるなと思ったけど、僕も4.25のギアで余裕があったね。松阪は何年か前の記念で決勝に乗ってるし、ここから流れが変わるといいですね」
 筒井裕哉も点数以上の脚を見せた。
 「車間が空いてヤバイと思ったけどね。川村(晃司)さんにもらった『最近はギアがかかってるから車間を空けて一発行ったほうがいい』ってアドバイスを思い出しながら行きました。まくれてよかったです」

<6R>
小林則之選手
小林則之選手
 小林則之(写真)が7番手からホームまくり。逃げる高橋和也を飲み込むと、力強く押し切った。
 「先行したかったけど誰も出なかったので。今日は早めでも行こうと思ってたし、ラインで決まってよかった。前のレースで筒井(裕哉)がひとまくりしてたのも参考になったね。ちょっとオーバーワーク気味なので、今日はちゃんと休みます」
 2着には須藤誠が続いた。
 「今日は恵まれただけ。脚は大丈夫だし、仕掛けのタイミングも取りやすかったですね。今日は前で頑張ってくれた則さんと、江守(昇)さんのおかげですね」

<7R>
 東矢昇太が主導権を握ると中団の笹倉慎也が先まくり。しかし、その外を井上嵩が一気に駆け抜け後続を千切った。
 「(東矢に)斬らせてカマしたかったんですけどね。流さず踏んでたので、まくりでもいいかなと。神開(浩士郎)さんに一発もらってヤバイかなと思ったけど、そこからもう1回踏めた。最近はレースも見えてますね。明日からは相手のレベルも上がるし、チャレンジャーなので頑張りたいですね」
 笹倉のまくりに乗った疋田敏が2着に食い込んだ。
 「井上君が強かったね。僕らは理想的な展開になったけど、スピードが違って、どうしようもなかった。やっつけてやろうと思ってたんだけどなあ(苦笑)」
 井上の踏み出しに離れた戸邉裕将だったが、立て直して3着に。
 「すごい踏み出しでしたね。人気に応えられなかったけど、何とか立て直せてよかった。練習の成果が出たかな」

<8R>
 先行一車の山中秀将が前を取った時点でほぼ勝負はついていた。芦澤辰弘が押さえて山中が車を下げると、ホームから一気の発進。あっさりとラインで出切った。最後は山中が飯田辰哉を振り切って、堂々の逃げ切り勝ち。
 「今日は中団か後ろを取って(飯田が)からまれるなら、前を取って引いてカマそうと思ってました。芦澤君は押さえてから流してましたね。出切ってからは2コーナーから3コーナーまで流して、あとはどこまで粘れるか。4コーナーまでまくられないような感じのペースで行きました」
 飯田辰哉は後輩に感謝しきり。
 「山中君が上手く駆けてくれたね。僕はだた付いていくだけだったんで。強かったですね」
 芦澤辰弘は飛び付きに失敗したものの、4着でかろうじて二次予選行きを決めた。
 「初手で前を取ろうと思ったけどね。中団でいいやと思ってたら野本(翔太)さんにも主張されてしまって。押さえてからはホームから目一杯踏もうと思ってたけど、(山中が)来てましたね。ホームで踏んで、2コーナー山おろしで行けば飛び付けると思ったけどスピードが違いました。初手は誤算だったけど、それでも崩さないとダメですよね」

<9R>
高橋陽介選手
高橋陽介選手
 中団外併走から松坂洋平を叩いた高橋陽介(写真)が主導権を奪う。渡部哲男や村上義弘のまくりを封じると、そのまま力強く押し切った。
 「松坂にはよく潰されてるのに今日は上手くいった。このメンバーで勝ったのは奇跡ですよね(笑)。順番が来たら行こうと思ってたけど、いいタイミングで回って来ました。配分が詰まってるけど、ギリギリまで練習してたので、(日に日に)軽くなると思います」
 番手の兵藤一也は高橋の走りを絶賛した。
 「松坂も出させない感じで踏んでるのに、その上を楽に行っちゃった。すごいダッシュだったし、強いよね。もう後ろから来れないと思ってました。僕は付いてただけ、状態は普通ですね」
 3着の大薗宏はこれで準決勝が確定した。
 「出切れない雰囲気もあったけどね。出切ったし、バックで見たら後ろは離れてたので。最後は外が見えたので張り気味に踏んだら内を来られたかなと思った」
 上手く東日本ラインを追った渡部哲男だが、まくりは不発に。
 「詰めて4コーナー勝負をしたかったけど、前がタレて来たのでそのまま行った。最近のなかではレースになったと思うし、また明日から頑張ります」

<10R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 吉本卓仁を鈴木謙太郎が強引に叩くと、離れながらも山崎芳仁が追走。これで東日本で決まったかに見えたが、7番手から吉田敏洋(写真)が好回転でまくりを決めた。
 「前回の平も動いて攻めた結果だし、今回は来る前から不安より期待のほうが大きかった。ここは相性がいいですね。名古屋がバンクの塗り替えで1カ月くらい使えないので、最近は一宮で練習してる。今日は風が強いなかで練習した成果が出たかな? 引き続きこういう気持ちで走れるようにしたいね」
 番手の濱口高彰は追走が一杯。
 「吉田はワンテンポ置くかなと思ったし、あんなにスッと行くとは。でも良かった、ライン3人で決まったからね」
 北野武史は離れながらも何とか3着をキープした。
 「ナメとったなあ。1コーナーで口が空いてヤバイと思った。『追いつけ、タケシ!』と思ったら追いつきましたね。僕の状態は悪くないし、準優が決まったのが大きいね」
 山崎芳仁は久々の実戦をこう振り返る。
 「(鈴木謙太郎の番手に)入って、後ろを見たらもう(吉田が)来てた。追わないと謙太郎を単騎にしちゃうし、追いかけて吉田を連れてきた感じでしたね。久々の実戦でワンテンポずつ遅れてる感じはします」

<11R>
岩見潤選手
岩見潤選手
 地元コンビがファンの大声援に最高の形で応えた。浅井康太がすんなりと中団をキープすると、2コーナーまくりで快勝した。
 「状態は楽な展開すぎて分からないですね。今日は展開がすんなりだった。(神山)拓弥が思い切り行ってるし、番手まくりもあるかなと思ったけどね。明日は4回転にギアを上げるか考えます」
 岩見潤(写真)は浅井のスピードに何とか食い下がり、ホッと胸をなでる。
 「前回、(中川)誠一郎や北津留(翼)の後ろに付いて練習になってた。それでも今回優勝してGPを狙うやつはやっぱり違うな。今日は浅井のケツだけは離さんようにとだけ思ってた。今日は4コーナーから離れたので、明日はギアを一枚上げます」
 中部3番手の北川紋部をさばいた中村淳が3着に。
 「気持ち車間を空けて備えたけど、スピード的に厳しかったね。避けながら行かれたので、3番手に飛びつくしかなかった」
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