『松阪競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:11月17日
 松阪競輪場を舞台に開催されている開設63周年記念「蒲生氏郷杯王座(G3)」は、3日目を迎えシリーズも後半に突入した。ファイナル進出を巡り、準決では熾烈なバトルが展開された。地元でただひとり準決に進んだ柴崎淳は、先行で見せ場を演出するも6着に敗れ決勝進出はならなかった。準決の3個レースでは藤木裕、池田勇人、佐藤友和がそれぞれ白星を飾り、決勝へと勝ち上がった。18日の最終日にはいよいよ第11レースで決勝の号砲が鳴らされ、63周年記念の王座が決まる。
 本場では最終日も先着300名(18日はタオル)にファンサービスのプレゼントやグルメ屋台など様々なサービスでお客様をお待ちしています。また、柴崎俊光選手、山口幸二氏によるトークショーなどのイベントも予定されています。ぜひ、松阪競輪場へ足をお運びください。
<9R>
成田和也選手
成田和也選手
萩原孝之選手
萩原孝之選手
 初日特選、優秀と2日間、セオリー通り流れの中で主導権を握っていた藤木裕にとっては、出入りの激しいレースになった。一度は南関ラインを受けて絶好の3番手を確保したものの、北日本ラインに割り込まれる厳しい流れ。最終1センターでは北日本ラインに続いた香川雄介をどかし態勢を立て直すと、最終バック手前からまくって出た。
「(組み立てが)めっちゃヘタクソでした。3番手を取ったのに、俊敏にいけなかった。同じ失敗はもうしないようにしないと。そこからは必死だったし、(脚の感じは)わからないけど。1着までいけてよかった。成田(和也)さんはすごい人なんで、絶対に突っ込んでくると思いました。1番人気に推してもらったのはうれしいし、それに応えられてよかった」
 布居寛幸が藤木を追い切れず、成田和也(写真)は難しい選択を迫られたが最終3コーナーで藤木にスイッチ。直線では藤木を猛追も、半車輪まで詰めたところがゴールだった。
「(菅田)壱道が前々に動いてくれて、頑張ってくれた。最後に藤木君が来て、本当は壱道がそれで仕掛けてくれればよかったけど…。もう(自分は)藤木君に切り替えるしかなかった。伸びてないですけど、昨日(2日目)は出し切れなかったんで。今日はそれより出し切れたかなと」
 成田が切り替えるも、萩原孝之を追って4着惜敗の菅田壱道が息を切らす。
「(3番手の)位置を取ることは取れたけど、それで結構いっぱいになっちゃいました」
 藤木の上をすかさず叩いて出た上野真吾が、打鐘の4コーナーで主導権。番手の萩原孝之(写真)にとっては絶好の流れになって、藤木、成田には行かれたものの3着をキープ。
「(展開が良くて)自分はツイているというか、本当に前の選手が頑張ってくれてありがたいです。仕掛けどころではあったけど、そこでしっかりと仕掛けて行く上野君はすごい。出てからも掛かっていました。自分は追加配分が心配だったけど、段々と良くなってきた。昨日よりも今日は調子が良かったです」

<10R>
池田勇人選手
池田勇人選手
稲村好将選手
稲村好将選手
 8番手から巻き返す守谷陽介に合わせて踏んだ柴崎淳が、最終ホーム手前で先頭に立って主導権。柴崎に突っ張られた形になった守谷は、外に浮いて万事休す。柴崎が逃げる腹を固めて絶妙なペースで後続を引きつけたが、池田勇人のまくりに屈して6着。
「打鐘の3コーナー辺りまでは、思い通りのレース運びができたんですけどねぇ…。守谷さんがあのまま踏んで、番手か3番手と思っていたら。守谷さんが(踏むのを)やめてしまったのがわかった。それでもう自分が(逃げて)行くしかないと思った」
 柴崎ラインは久米康徳が離れて、守澤太志が3番手に。柴崎の後ろで山内卓也が懸命に後続をけん制。直線の入り口では明田春喜にインから当たられたが、そこをこらえて3着で準決をクリア。
「久米さんがいなくなったのもわかったし。(最終)バックで守澤君をけん制すれば、池田勇人君もまくりづらくなるかなって思った。そしたら池田勇人君は全然、上の方を走っていた。明田君が内にいるのもわかったし。当たられて、もう自分も踏むしかなかった」
 最終ホームでは8番手になった池田勇人(写真)だったが、2コーナーから怒とうのまくりで前団をひと飲み。
「(外に浮いた)守谷さんがどっちに行くのかって思って。そこも危なかったし、3コーナーのところも危なかった。ああなっちゃうのはしょうがないけど、みんなが脚を使っての8番手ならまだなんとか。結果的に(まくりが)届いたからよかったです」
 池田勇に流れ込んだ稲村好将(写真)は、未体験のスピードに目を丸くさせながら口を開く。
「最終バックのあのスピードは、味わったことがないくらい気持ちよかった。あれならあおりがあっても大丈夫だと思いました。(池田勇は)落ち着いていたし、自分は踏み出しだけと思って。そこに集中していた。自分も4.33のギアにしていてよかったです」

<11R>
永井清史選手
永井清史選手
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 打鐘手前で出た佐藤友和の上を筒井裕哉が押さえて主導権。下げざるを得なかった永井清史(写真)は、最終ホームでは車間の空いた8番手。前にいた野田源一のまくりを追いかけながら、直線で外に持ち出した永井が3着で久々の記念ファイナルへ。
「展開は最悪でしたね。打鐘のところは(佐藤)友和さんを出すか迷ったんですけど…。そこからは車間が空き過ぎたけど、落ち着いていけた。2日目から変えたフレームの方が引っ掛かりがあるし、変えてよかったと思います。久しぶりに記念の決勝に乗れたし、明日(決勝)はみんな強いですから。今日みたいにならないように、仕掛けていきたいです」
 単騎の岸澤賢太は近畿コンビの3番手から、最終2コーナーでまくりを敢行。逃げた筒井はとらえたが、直線で後続にごっそりと行かれて7着に沈んだ。
「ちょこちょこ動くよりはと思って。展開は自分の思った通りになったんですけど。力不足ですね。佐藤さんも強いし、自分としては多少なりとも見せ場はつくれたかと…」
 4番手にいた佐藤友和(写真)は岸澤の動きを見て、一呼吸置いてからの始動。まくりで野田を振り切っての1着にも反省の弁。
「岸澤君がまくって行った時に、見てしまった。あれで俺がすんなり行ってたら、自分のラインで決まっていたと思います。昨日はあれで前が野田さんだったし、番手は今日と一緒で伊藤保文さんでしょ。昨日のことが頭をよぎってしまって…。なんか気持ち良くレースができていなんで、明日こそは出さないといけないですね」
 7番手になった野田源一は、佐藤にまくりで迫る2着も和泉田喜一が誤算。立ち遅れた理由をこう明かす。
「自分としては余裕があったんですけど。和泉田さんが離れたのに気づくのが遅れてしまった。車間がかなり空いたんで届くかなって思ったんですけど、なんとか2着だったんでよかったです。欲を言えば、もっと早めに和泉田さんが離れたのがわかっていれば。このあとは競輪祭もあるし、決勝はいい流れで終わりたいですね」
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