『松阪競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:5月11日
 松阪競輪開設64周年記念「蒲生氏郷杯王座競輪」は5月11日、4日間にわたる熱戦に幕を下ろした。激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が最終11レースで争われ、SS班の金子貴志が強さを見せ付けてまくり優勝。中部地区の牙城を守り抜いた。
決勝戦 レース経過
 号砲で園田匠がゆっくりと誘導員を追って出て行く。正攻法の園田に黒木誠一が付けて前団、金子貴志-望月裕一郎-土屋裕二で中団、これに単騎の鈴木誠が続き、阿竹智史-友定祐己-大薗宏が後攻めの形で隊列は落ち着く。
 赤板手前から上昇を始めた阿竹は3番手の外で止まって金子にフタをする。金子は下げず、しばらく併走が続く。打鐘過ぎの4コーナーから阿竹がスパート。ライン3車で出切り、前受けの園田は4番手を確保。単騎の鈴木は立ち遅れて6番手、下げた金子は7番手に置かれる。快調に逃げる阿竹に対し、金子が最終2コーナーからまくり発進。好回転で前団に迫ると、最終直線入り口で阿竹を抜き去って先頭に。最後まで力強く踏み切った金子が今年初優勝を飾った。離れ気味になりながらも懸命に金子を追った望月が2着に流れ込み、阿竹の先行を利した友定が3着に入った。


金子貴志選手
金子貴志選手
 地元のエース・浅井康太が準決勝で落車してまさかの敗戦。大波乱となった今シリーズだが、最後は同じ中部の金子貴志(写真)が締めた。決して万全ではなかった今節は優勝を危ぶむ声もあったが、一気のまくりを決めると、一人で中部地区の牙城を守った。
 「今日は展開だけでしたね。あれが逆だったら厳しかったかも。でも、日に日に(筋肉の)張りが良くなっていったので、うまくいけば勝てるかなと。ホームが追い風だったら引こうと思っていたけど、違ったので。あとは前のレースで(中川)誠一郎が仕掛けた位置から。1コーナーを目掛けていきました。友定(祐己)は余裕がありそうだったし、スピードが合ってしまったかと思ったけど、我慢したらまた伸びて行ってくれたのでよかった」
 前回の共同杯では珍しく大叩きしたが、短期間で立て直しに成功。今後もチャンピオンジャージーを身にまとい、課せられた責務を全うする。
 「今回は強めに練習してきたのが良い方に出た感じ。伊東の前にもやったのが今になって出てきたのかも。良いレースをして優勝できればと思っていたけど、1番良い形で終われたので良かった。今後もしっかり期待に応えられるように頑張ります」

 望月裕一郎は離れながらも意地で2着を確保した。
 「必死だったし、もう執念でした。自分でまくって行ったような感じだったね。でも今回は状態が良かったので追い付いた。金子君の番手なんてもうないだろうから、貴重な経験ができました。この2着はデカいです」

 「勢いが違った」と話すのは3着の友定祐己
 「俺も余裕があったし、金子さんはまだ来てなかったから、(金子を)止めて阿竹とゴール前勝負と思っていた。横に振る準備をしていたけど、対応できなかった」

 園田匠は上手く中団を取ったものの、見せ場なく終わる。
 「中団中団と思っていたけど、初手の位置でダメでしたね。スタートで誰も出なかったので。金子さんは遅めにくるかと思っていた。中団に入ったけど態勢が整ってなかったし、バックでまだ脚が折り合ってなかった」

 阿竹智史は力の限り逃げたが、最後は脚が一杯に。
 「金子さんを相手にまくりに回ってもチャンスがないんでね。誘導のペースが上がって脚を使ってしまい、打鐘過ぎで一杯でした。ホームで掛かり切らなかったですね」

 大薗宏はチャンスがあったものの、「(金子が)来たと思ったときにはもう行かれていた。展開は良かったけどね。友定が車間を空けてたんで何かしてくれるかと思っていたけど、前を見てて終わってしまいましたね。最後も抜けなかった」と、致し方なしといった様子。


ゴール
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