『松阪競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:5月10日
 松阪競輪場を舞台に開催されている開設65周年「蒲生氏郷杯王座(G3)」は、10日に3日目が行われた。地元のSS班、浅井康太が2日目に急性の腰椎ねん挫により途中欠場。地元でただひとり準決進出を果たした柴崎淳は、2日目に続く白星でファイナルのキップをつかみプライドを守った。4日間のシリーズもいよいよ大詰め。11日の最終日には激戦を勝ち抜いた9選手によって、開設65周年記念の決勝が行われる。
 本場では、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。『2=9⇒肉キャンペーン』、先着プレゼント(350人に『松阪けいりんオリジナルエコバッグ』)を行います。また、山口幸二氏によるトークショー、スピーチーズのライブなども予定されています。ぜひ、松阪競輪場へ足をお運びください。
<10R>
松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
 吉本卓仁を押さえて出た松谷秀幸(写真)が、岡山コンビを受けて3番手。先行態勢を取った山本直は、後続を引きつけて焦らず最終ホームから加速。願ってもない流れとなった松谷は、最終2コーナー手前から発進。友定祐己の猛ブロックを越えてまくり切ると、そのまま押し切った。
 「昨日は位置を取って仕掛けられなかったので、今日は位置を取ったらしっかりと仕掛けようと思っていた。(後ろが)来ている感じもしたんで、タイミングが取れなかったけど無理やり(まくって)行った。友定さんにいいのをもらったけど、うまく追っかけながら行けた。やっぱり自分はしっかりと位置を取んないといけないですね」
 松谷に半車輪差まで詰め寄った渡邉晴智(写真)が、2着で南関ワンツー決着。恵まれを強調しながら、松谷の走りを絶賛する。
 「松谷は本当に強い。友定に一発もらって止まったかと思ったけどね。そこから抜けなかったし、松谷はたいしたもん。自分はツイているし、(調子は)見てもらった通りです」
 5番手にいた吉本卓仁は、冷静に隊列をインプットして仕掛けを我慢。川村晃司を7番手に置くと、まくった松谷ラインを追ってその上を仕掛ける。結果的には松谷をまくれずも、直線で踏ん張って3着。
 「今日は山本君の動きがわからなかった。川村さんも俺に切らせて、その上を行きたかったのかもしれないけど。強い人(川村)をすんなりは出させられないと思って、自分も切りに行くのをやめました。松谷さんがまくって行ったけど、友定さんに振られたし。自分はそこを無理やり行った感じです。まくりの上をまくって、出ないのはわかっていたけど。かぶるならと思って行きました。絶不調のなかで決勝に乗れたっていうのは、うれしいですね」

<11R>
池田勇人選手
池田勇人選手
鈴木庸之選手
鈴木庸之選手
 山崎芳仁を押さえて先頭に立った長島大介は、別線に主導権取りの隙を与えないペース配分。最終ホームですでに全開で踏んでいた長島の番手から、池田勇人(写真)が車間を詰める勢いで最終バック手前で発進。鈴木庸之、関東勢の後ろに付けた松坂英司まで引き込んで1着。
 「もう今日は長島君のおかげですよ。いつ自分のところかノブ(鈴木)のところに(誰かが斬り込んで)来てもおかしくはないと思っていました。自分のタイミングじゃないところで(まくって)行ったんでドキドキしました。あれ以上遅いとダメだと思って踏みました」
 前2人の頑張りに感謝しながら、鈴木庸之(写真)は「差したと思ったんですけど」と、振り返り汗をぬぐう。
 「昨日も松岡(貴久)さんが来たし、(池田が)まくって行く時に松岡さんが来るかなっていうのもあった。あとは自分が内を空けなきゃ、しゃくられることはないと思った。すごい余裕はあったんですけど、(池田を)差せてないってことは自分が弱い。自分はなにもしてないし、付いていただけ。前の2人がやってくれたおかげです」
 関東勢の後ろに位置した単騎の松坂英司が、直線で池田と鈴木の間を突いて追い込み3着。
 「南関ラインで自分はひとりだったんで、後方にならないようにとは思っていました。関東勢が先手を取れば、あれでいいと思ったし。ゴチャつくようなら、また違う感じでと考えていた。3着に入れているし、脚の方は悪くないと思います」
 シンガリに沈んだ長島大介だが、果敢に風を切って積極策で見せ場をつくりレースを支配した。
 「前半のタイムとかも出ていたし、後ろが競りとかにもならなかったから。自分の走りができたと思います」

<12R>
柴崎淳選手
柴崎淳選手
白戸淳太郎選手
白戸淳太郎選手
 一ノ瀬匠がカマシ気味に出て主導権。番手の渡部哲男は逃げる一ノ瀬との車間を空けて最終2コーナー手前で後続をけん制しながら間合いを図って追い込み勝負。柴崎淳には交わされたものの、2着で前回の共同通信社杯に続いて決勝進出を果たした。
 「番手まくりっていう選択肢は、自分にはなかったです。それをしたら追い込みとしての成長がないんで。(まくりを)止めるか、飛び付くかのどっちかだと思った。(前の)スピードが落ちているところを踏む形になったし、自分はきつかった。だいぶかみ合ってきたし、やっと戻ってきた感じがします」
 一ノ瀬に合わせて踏んだ柴崎淳(写真)だったが、片寄雄己に3番手に入られて5番手に下げてからの立て直し。最終ホーム手前では笠松信幸と絡んだ佐藤友和が落車。後続のアクシデントに気をとられながらも、早めの追い込みで突き抜けた。
 「一ノ瀬君が必ず先行するっていうのも、あんまり信用せずに組み立てを考えていました。3番手の片寄さんがあんまり脚を使ってなかったし、片寄さんに期待というか、動きを見てからだと思った。(渡部)哲男さんが車間を切っていたのもわかったんで、そこは見てしまいました。踏んだ感じは悪くないし、(自転車に力が)きれいに伝わっている感じがある」
 勝負どころの打鐘で踏み遅れた白戸淳太郎(写真)だったが、インから付け直して片寄との連結を死守。しぶとく追い込んで3着に入った。
 「記念の決勝なんてなかなか乗れないですから。久しぶりだし、本当に恵まれましたよ。(片寄に)ジャンで離れてしまって、ホームで追いついたけど。また2コーナーで…。もう3コーナー過ぎに片寄が行った時には、自分はもう付いていけなかった。仲間のおかげで脚はない。もう運だけです」
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