『被災地支援競輪松阪競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:3月26日
 松阪競輪場を舞台に、平成28年熊本地震被災地支援・開設66周年記念「蒲生氏郷杯王座競輪(GIII)」は2日目を迎えた。今日は優秀戦をメーンに、二次予選6個レースが行われた。優秀「松阪牛賞」は、深谷知広が豪快にまくって別線を粉砕。準決勝へ弾みをつけた。明日はいよいよシリーズのベストナインが決まる。
 開催3日目は、開門時から先着350名様に利休松ば【焼き菓子】の無料配布や、荒木実氏による予想会(サブステージにて)などのイベントが予定されております。3日目も、「蒲生氏郷杯王座競輪(GIII)」をぜひ本場でお楽しみください。
<6R>
坂本健太郎選手
坂本健太郎選手
 西村光太が後ろから上昇するも、前受けの坂本周輝は突っ張って出させない。浮かされた西村は山田幸司の横で併走。隊列が短くなると、松岡貴久が打鐘の4コーナーから巻き返してライン3人で出切る。番手の坂本健太郎(写真)は車間を切って援護すると、直線で抜け出して連勝。しかし、ゴール直前で内コースを進んだ望月裕一郎と松岡が接触して落車。浮かない表情で記者の質問に答えた。
 「前が踏み合ってくれたんで、あとはどこからいっても決まると思っていました。二角まくりでもいいと。でも、早めにいってくれたんで。状態を読むためにも(早めに)いったんじゃないんですかね。残したかったけど、甘かったです。でも、(松岡の)怪我自体は軽傷そうなので。昨日も一番時計だったし、状態は悪くないと思います」
 併走していた西村光太は吉岡篤志の後位に切り替えると、3コーナーからまくって2着に入る。
 「一番最悪なのは早めに斬らされて、泳がされることでした。斬ったはずだけど(坂本に突っ張られた)。でも、脚に余裕もあったし、すぐに切り替えられました。最後も坂本(周輝)君にすくわれたけど、うまく回せました。ついていますね」
 吉岡篤志は2センターで西村に絡まれてスピードが鈍るも、しのいで3着に流れ込んだ。
 「(望月は)見えていなかったです。前に付いていくことだけ考えていました。(落車がなかったら)自分がいかれていましたね。初日から流れは良いです」

<7R>
松坂英司選手
松坂英司選手
 先に前に出た日当泰之が、岩本俊介を突っ張って主導権を譲らない。すかさず磯田旭が3番手に追い上げて岩本と併走となる。前団がもつれたところで、後方から山田庸平が反撃。小橋秀幸は、これに合わせて番手まくりを敢行するも、ゴール前で末が甘くなる。すると、磯田後位にスイッチした松坂英司(写真)が、直線で中コースを鋭く突き抜けた。
 「磯田君が引かなかったので併走になってキツい展開になったけど、冷静にコースを突けたし、たまたま伸びてくれました。岩本君が頑張ってくれたおかげですね」
 松坂後位に切り替えた江連和洋が2着。
 「磯田君は(S級)1班だし、作戦は全て任せていました。ただ、鐘のところで口が空いてしまってキツかったですね。磯田君は頑張ってくれたけど、自分も確定板に入りたかったし、松坂君に切り替えていきました。最後は松坂君が踏んでくれたぶん、自分にコースができました」
 直線で失速した小橋秀幸だが、3着に踏みとどまった。
 「山田君が来ていたので被るのは嫌だったので踏ませてもらいました。後ろももつれてくれて良かったです。日当君が出切ってくれたおかげですね。ただ、直線がめっちゃ長かったし、しんどかった」

<8R>
北野武史選手
北野武史選手
 前受けから7番手に下げた中井太祐は、2コーナーから踏み込んで佐藤一伸を打鐘の2センターで叩く。萩原操が離れてしまい、3番手は佐藤と追い上げてきた牛山貴広で併走に。番手の北野武史(写真)は、直線でタテに踏むと、2センターから自力に転じた大塚英伸との接戦を制して1着。
 「ジャンで(あおりを受けて)、口が空いてしまいました。『やばい入られる』と。最後は抜きに行ったときに、いい感じだなと思ったら、大外に黄色の服(大塚英伸)が見えて。中井君を残さないとと思ったけど、勝手に残ってくれました。強いですね。(今年は)3月の時点で2勝。いいですね」
 大塚英伸は僅かに届かず2着。連勝こそならずも、好感触をつかんだ。
 「余裕もあったし、バックでまくろうかなと迷いました。でも、中井君だから合わされてしまうかと思って。まくり追い込みならと。脚の状態はいいかもしれないですね。前回の伊東の前に2回連続で乗り込みをやって、スピード練習で仕上げたら決勝に乗れたので。今回も乗り込みを2回やって仕上げてきました。すごい余裕がありますね。でも、デキ過ぎです(笑)」
 別線に警戒されていた中井太祐だったが、強引に主導権を奪って3着に残る力走を見せた。
 「ジャンであおりもあったけど、いきづらいところを早めに巻き返せているので、状態は良いと思います。昨日は相手が強かったですね。準決につながるレースができました」

<9R>
近藤隆司選手
近藤隆司選手
 取鳥雄吾が、合わせて踏んだ近藤隆司(写真)を打鐘の3コーナーで叩いて主導権を握る。すかさず追い上げた単騎の武藤龍生は古城英之をさばいて3番手を確保。神田紘輔も後手を踏んだ畑段嵐士を捨てて追い上げる。余力を残していた近藤は満を持して、最終バックで踏み上げると、桑原大志のけん制を乗り越えてまくり切った。
 「ジャンのところで先に斬っていなければ、神田君に張られていたと思うし一瞬の差でした。武藤君が前々に行ってくれたのもあって仕掛けやすい展開になりましたね。桑原さんが外に振ってくると思って、一瞬待ってからもう一度踏んでいけたのが良かったです」
 3番手を確保した武藤龍生は、2センターから空いた内を突いて2着。前々に攻める俊敏な動きを披露した。
 「とりあえず前々に攻めて一つでも前に行ければと考えていました。緩んだら追い上げていこうと思って。ホーム前で緩んでくれたので、そこで追い上げていきました。1着があるかなと思ったけど、最後に黒いの(近藤隆司)が外からきましたね(笑)。でも、うまく動けたと思うし、余裕もありました」
 近藤を追走した成清貴之が、流れ込んで3着。
 「近藤君が踏んだりやめたりで大変でした。前に付いた時に比べて強くなっていたので、後ろはその分キツかったですよ」

<10R>
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
 北野良栄が打鐘で誘導を降ろして主導権。7番手に下げた早坂秀悟は2センターから巻き返すと、抵抗する北野を力でねじ伏せる。番手の菊地圭尚(写真)は、別線の動きを確認すると、直線で追い込んだ。
 「(早坂が)一回構えるかなと思ったけど、そのままいってしまったので、きつかったですね。昨日のうっ憤もあったから(早坂の)スピードも増したと思う。(内を突いてきた)松崎(貴久)さんも見えて、こらえられたし、残そうと思ったけど。最後はいっぱいでした」
 踏み出しで渡辺正光が離れると、菊池後位は追い上げた菅原晃と切り替えた松崎貴久で併走となる。菅原マークの馬場勇は、空いた中コースを伸びて2着に食い込んだ。
 「雨だったからこけてもいいという気持ちで走ったら、余裕がありましたね。競輪は気持ちいいですね。でも、今日は菅原さんのおかげです。前々にいってくれたので」
 早坂秀悟は、内を突いてきた松崎貴久を締めこんで3着に入った。
 「単騎の人を味方にしたかったけど、そういう展開ではなかったです。(後ろからの仕掛けになって)正光には申し訳ない。最後は締めて走った分、伸びないし、コースを空けてしまって。菊地さんが残してくれました。でも、今日のはダメですね。展開としては最悪です」

<11R>
阿竹智史選手
阿竹智史選手
 後ろ攻めの黒川茂高が誘導を降ろして突っぱり気味に踏んだ土屋壮登を制して主導権。叩かれた土屋を武田豊樹が迎え入れようとするが、阿竹智史(写真)が内を突いて拾うことはできず。連結を外してしまった前田拓也が追い上げて中団がごちゃつくと、車を引いて抜け出した武田が最終ホームから自力に転じて黒川をねじ伏せる。しかし、金子真也が続けず単騎でゴールを目指すことに。単独の5番手を確保した阿竹智史は2コーナーから武田を追うと、直線半ばで捕らえた。
 「中団は譲るつもりはなかったけど、ジャンのところで想定外の展開になりましたね。でもそこからは落ち着いて走れました。武田さんが出切ったのを見て仕掛けました。しっかり仕掛けることができて良かった」
 阿竹をマークした濱田浩司が続いて2着。
 「阿竹君がちゃんと位置を取って良いレースをしてくれました。併走になっても内で頑張ってくれました。自分自身は結構詰まる場面があって、脚に変な力が入ってましたね」
 自力に転じた武田豊樹は3着。薄氷を踏む思いので準勝へとコマを進めた。
 「厳しかったね。(黒川に)突っ張られた時点で土屋を迎い入れる準備はしていたけど、内を突かれて後ろに金子さんもいたので。仕方ないですね。ああいうレースは久し振りだけど、何とか対応できました。ただ、お客さんの期待には応えたかった」

<12R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 深谷知広(写真)が豪快な一撃で優秀戦を制した。レースは、三谷竜生が後ろ攻めから上昇して誘導員後位が入れ替わる。続いた吉田拓矢は前受けから引いた深谷知広にフタをしてから踏み込むも、三谷に突っ張られて不発。この様子を見ていた深谷は、最終1センターから満を持してまくり上げる。古性優作のけん制をものともせずに快勝した。
 「(吉田の仕掛けは)余裕をもってみていました。あの位置になったら、前を見てしっかりと。展開が向いただけです。でも、その中でモノにできたし、しっかり踏み込めました」
 深谷に上をいかれた古性優作は、浅井康太を弾いてタテに踏む。そのまま深谷を追いかける形で2着に入った。
 「竜生さんはカカっていましたね。あれだけいってくれたので、あれを止められたら。外を走っていたので、無理でしたけど、いい自在選手ならああいう止められないのを止められれば。難しいですけど。技術不足です」
 古性に張られた浅井康太は、古性を追って3着に入った。
 「深谷をどうやって交わすしか考えていなかったです。そしたら、横から(古性が)きて。油断していたのと、余裕があり過ぎましたね。バックで深谷を抜くために車間を取ろうと思っていたんですけどね」
 軽快に風を切った三谷竜生だが、深谷のまくりに屈して9着に沈んだ。
 「いいピッチで走れたと思うし、しっかり仕掛けられました。でも、深谷君があんなスピードでくるとは思わなかったですね。調子は変わらず良いです」
 主導権を奪えなかった吉田拓矢は、反省の弁を述べる。
 「深谷さんしか見てなかったです。詰めが甘かったですね。でも、2車でも動くべきところで動けています」
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