『松阪競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月23日
 松阪競輪開設68周年記念「蒲生氏郷杯王座競輪」が1月24日から開幕する。S班は地元の浅井康太に武田豊樹、村上博幸の3名が参戦。渡邉雄太、吉田拓矢に山田英明らS級トップクラスの機動型が初日特選から激突する。一次予選にも井上昌己、竹内雄作ら強豪がひしめく注目のシリーズだ。
 本場では毎日、肉キャンペーンとして2番、9番選手が1、2着で入着するか、29歳の選手が1着になるごとに、抽選で3名に松阪肉をプレゼントします(抽選券は10時の開門から先着で配布)。また松阪肉が当たる未確定車券抽選会、24日は坂本勉氏による場内予想会も予定されています。ぜひ松阪競輪場へご来場ください。

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渡邉豪大選手
渡邉豪大選手
 昨年11月の川崎FIから記念も含めて、初日は5場所連続で確定板にあがっている渡邉豪大(写真)が、オープニングに気持ちを引き締める。
 「(記念の1レースは昨年の)静岡以来ですね。そん時は1着でした。怪我から(11月に)復帰して、段々良くなって戻っている感じがありますよ。(今期はS級)1班を目指したいけど、まずは怪我なく一年間しっかり走りたい。無理に先行ばっかりっていうよりも、脚と相談して勝てる競走。それでもジャンから行く時は、しっかり行きます」
 初日8連勝中だった野田源一は、前回の高知FIの初日特選を2着。連勝が途切れた。
 「準決が4、5着だったりするんで、あともう一歩っていう感じですね。(仕掛けが)ワンタイミング、ズレている。スピード的には戻ってきているし、そこまで悪くない。あとはもうちょっとかみ合ってくれれば」


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 山賀雅仁は、次のGI、全日本選抜を見据えて勝ち上がりをにらむ。
 「追加ですけど、準備はできました。全日本選抜のことを考えるといいタイミングで追加が来てくれたと思います。GIの前に勝ち上がって強い人たちと(走りたい)っていう思いがあるんで、勝ち上がらないと。(新概定は)気にしないで、思い切りよく仕掛けたい」
 地元の神田龍に前を委ねる伊藤正樹は、リラックスムードで口を開く。
 「(神田は)地元だし好きなように。あんまり無理をしないで頑張ってくれればいいですよ。ただね、内に詰まったりするようだったら…。自分も自力の練習とかはやっているんで、その時は」


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伊藤裕貴選手
伊藤裕貴選手
 伊藤裕貴(写真)は、前回の別府FIで2勝をマーク。地元シリーズの責任感をもって初日を迎える。
 「(四日市の)ホームバンクとは違うけど、地元には変わりない。だから、しっかりと期待に応えられるように。(前回の)別府まで追い込んで練習をやってキツかった。それでも1着が取れたんで。そこから中5日で初めてしっかり調整をした。それがどういう風になるかですね」
 近藤夏樹と連係経験がある丸山啓一は、信頼を寄せて一次予選突破を目論む。
 「A級の時に近藤(夏)とは乗っているし、その時は先行してくれた。(近藤夏は)キッカケをつかめばS級でも全然問題ないでしょ。展開に大きく左右されるにしても、僕も脚力的にはS級で通用すると思ってる。なんとか(二次予選)Aに乗りたい」


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竹内翼選手
竹内翼選手
 竹内翼(写真)は年末からの好調を維持。自分自身に期待しながら、今年初の記念開催を迎えた。
 「10月ぐらいから5キロぐらい体重を落とした。体が軽くなったからか反応がよくなって、ダッシュも良くなった気がします。冷静に周りも見えるようになったし。今年は位置も取っていきたいなという思いもあって、そういうこともできるようにと思ってる。前回から空いたので、長い距離を中心に練習して脚は上がってる。それが出せればいいですね。今回は楽しみにしてるんで頑張ります」
 対照的に阿部拓真は12月取手の落車から調子を落としている。
 「イマイチです。(原因は)落車ですね。上がってこない感じがある。それでも徐々にはよくなってきてると思うんですけど…。今は気持ちで何とか頑張りますとしか言いようがありません」


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皿屋豊選手
皿屋豊選手
 今期からS級に上がった皿屋豊(写真)は初めての記念が地元戦。平、奈良と大きな着が続き、S級では苦戦しているが、地元のここは奮起に期待だ。
 「まだ流れとかがつかめてないし、力を出し切れてない。力不足もあるけど、もう少しやれるんじゃって思いはありますね。今回はその辺を工夫して見せ場を作れるように。前回からだいぶ空いて、しっかり練習は出来てるし、前よりはちょっとずつよくなってるので。師匠(舛井幹雄)とは前々回、奈良の最終日で連係して2回目。今回はしっかりワンツー決められるように頑張りたい」
 地元師弟コンビの前に長島大介が大きく立ちはだかる。
 「前回(別府962着)は相手(太田竜馬)が強かった。調子自体は悪くなかったんですけどね。体は問題ないし、終わってからも軽めにやってきました。年末、年始に2本欠場して空いた1カ月でまとまった練習はできてるし、ここからちょっとずつ上がっていけば。松阪はけっこう連対しているイメージです」


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伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 震災後は松阪で練習している伏見俊昭(写真)にとっては気持ちの入る4日間になりそう。
 「調子は悪くないですね。前回(1月大垣)も悪くなかったけど、展開があまり向かなかった。ここまでも普段どおりに、1日休んでから練習して来ました。初日は(坂本)貴史がいるんでしっかり付いていきたい」
 中井太祐は競輪祭の大敗が響いて競走得点を大きく下げているが、本来の力を考えれば侮れない存在になる。
 「競輪祭のあとに腰痛と溶連菌感染症とかになってしまって、そこから崩した感じですね。まだあんまりいいって感じではないけど、課題を持ってやっているところです」


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 「冬場は苦手」と話す齊藤竜也だが、12月平塚、1月岐阜で決勝に勝ち上がるなど、その影響を感じさせない安定感を見せている。
 「ダメなときは大叩きしてますけどね。冬場は僕にとって我慢の時期だけど、例年この時期に何点か落とすのを、去年、おととしぐらいから大きく落とすことがなくなってきた。(このあとは別府、全日本選抜)そこに向けてやってきたので。ここまで3週間近く空いたので練習は十分なぐらい。あとは展開と疲れさえなければ。一番はそこですね」
 川村晃司は前回、奈良で2勝。大きな着も目立つが、着実に勝ち星は増えてきている。
 「今回はだいぶ間が空いて感じもよくなった。練習でもよかったし、上がってきましたね。これがレースにも出てくれれば。去年の後半に成績を落としたのを早く戻したいし、GIで戦えるようになりたい。また(GIに)出られるように頑張りたいです」


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 山本伸一は前回、伊東で優勝。吉田拓矢の番手にはまるなど流れも向いたが、展開をきっちりとモノにした。
 「結果が出てるんで状態は悪くないと思う。普通に練習もできたし、大丈夫だと思います。松阪のイメージも悪くないし、走りやすいかな。(予選でも)やることは変わらない。自分のレースをすることですね」
 大坪功一は立川記念のブロックセブンを制し、続く高知でも決勝に勝ち上がっている。
 「調子はいいっすよ。立川のブロックセブンのときにセッティングを変えた。詰まり気味だったので全体的に大きく乗るようにハンドルを遠くしたら(車が)出るようになった。今回も頑張りたいね」


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 佐々木豪は前回の大垣決勝でゴール後落車。年末から動きがよかっただけに、状態が気がかりだ。
 「大丈夫ではないけど、自転車には乗れるんで。フレームもねじれやへこみがあったんで修理に出して、昔のやつを引っ張り出してきました。懐かしいフレームで、サイズとかも今のとは違います。最近はようやくセッティングも出てきて、大垣の前の練習でも仕上がってると思ったんですけどね。またここから波に乗れるように頑張りたい」
 筒井敦史は追加参戦。前回、別府では準決勝、決勝と太田竜馬のまくりに3番手でしっかり続いており、状態はよさそうだ。
 「追加を受けたのは2、3日前。状態もいいし、追加は欲しかったから入ってよかったです。ダービー(の出場権)もあるので、賞金面でも大きいですね」


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 竹内雄作は12月静岡のグランプリシリーズから3連続優出。徐々にではあるが本来の力強さを取り戻しつつある。
 「地元地区だから追加を受けました。前回(1月大垣816着)は初日、最終日がダメでしたね。最近は行くべきところから行けてないので。そこが課題になってます」
 番手は師匠の山口富生。競輪祭の落車から復帰後は2場所連続で優出を逃しているだけに状態が気になるところ。
 「全然大丈夫です。絶好調とはいえないけど、普通の状態にはあると思う。雄作とは最近うまく連係が決まってないんで、初日はうまくレースしたいと思います」


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井上昌己選手
井上昌己選手
 井上昌己(写真)は予選からのスタート。久木原洋、佐々木吉徳を相手に自力で力の違いを見せられるか。
 「自力がなくなってくるから(こういうメンバーで)戦いづらいですね。それに一緒に戦ったことがないから、どうするのかわからないから。(自分に)1周ぐらい行ける力が残ってればね…。(動いてるといっても)どっぷり自力じゃないから、中途半端で難しい」
 和歌山で記念初優勝を飾るなど乗れている池田憲昭が井上の番手を回る。
 「優勝はたまたま。1回ぐらいはいいでしょ。状態はよくも悪くもない。四国の自力が頑張ってくれるだけで、正直、そんな変わってないです。セッティングとかギアを変えてたけど、(1月)岸和田で小倉(竜二)さんに『全部戻せ』と言われて元に戻した。つねにアドバイスをもらってるけど、的確ですね」


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浅井康太選手
浅井康太選手
 優勝こそ逃したが、年頭の立川記念で2112着とまずまずのスタートを切った浅井康太(写真)。地元のここもシリーズリーダーとして活躍が期待される。
 「グランプリでけっこう気をつかったところもあったし、立川は練習不足で入ったところもあった。立川の後はしっかり休みました。立川では(竹内)雄作と連係もできたし、今後にもつながったと思います。このあとはGIもあるので、そこにもつなげていきたい」
 山田英明もFIとはいえ岸和田を制すなど年始から好スタートを切った。
 「今回は相手も強いですからね。吉田(拓矢)は調子が上がってるし、渡邉(雄太)も強い。(柴崎)淳も地元ですからね。俺も頑張らな。岸和田のあとは20日空いたけど、正月でバタバタして思ったより練習はできなかった。気温の違いもあって、感じもよかったり悪かったりで何とも言えないですね。次は全日本選抜だし、そこでしっかり走れるように。今回も挑戦者なんで立ち向かっていきますよ」
 和歌山記念を9656着と今一息の成績で19年の初場所を終えた武田豊樹の状態が気になるところだが…。
 「(和歌山記念は)大敗してるんですけど、感触はよかったです。準決は関東がひとりしかいなかったんで厳しかった。ただ、もうちょっとですね。(新概定になっても)気にならないですよ、そこに合わせてやっていくというのも自分たちの仕事ですから」