『松阪競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月26日

 松阪競輪開設68周年記念「蒲生氏郷杯王座競輪」は3日目。準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。最終12Rでは浅井康太を軸に結束した中部コンビが上位独占。舛井幹雄は地元でうれしい記念初優出を決めた。村上博幸、武田豊樹のS班もきっちりと勝ち上がって、最終日の決勝戦で覇を競う。
 最終日はスピニングマスターズ OK!ヒロヤ、ヘブンアーティストパフォーマー加藤みきおの大道芸が。B-BOXのダンスパフォーマンス、KINAN Cycling Teamのプロロードレーサーに挑戦やトークショーなど様々なイベントが予定されています。注目の決勝戦をぜひ本場でお楽しみください。

<10R>

村上博幸選手
村上博幸選手

野田源一選手
野田源一選手
 中団の渡邉雄太が後ろ攻めの皿屋豊を赤板前からけん制。皿屋の仕掛けに合わせて打鐘から踏み込んだが、前受けから1センターで誘導員を切っていた山本伸一がこれを出させない。最終1センターで渡邉を合わせ切ると、番手の村上博幸(写真)が野田源一の巻き返しに合わせて抜け出し、決勝進出一番乗りを決めた。
 「流れのなかでいい位置を取ってと思っていたら後ろでレースが始まっていましたね。バンクが重くて周回中から流れるところがなかった。1着を取れてうれしいが、近畿で勝ち上がれていないので。あかんことかもしれないが、S班だけど、結果よりも自分でやってきたことをしたい。GPから乗っている感じが良くて練習とレースがマッチしている」
 しっかりと中団を確保した野田源一(写真)は2センターまくりで2着に食い込んだ。
 「山本君が先行態勢に入ったと思ったらいい感じで踏み合ってくれて。ゴチャついてよく分からなかったが、フリーの状態を作りたくて。でも最後は慌てて仕掛けた感じですね」
 渡邉が後退し、近畿3番手をキメにいった東龍之介にはぐれてしまった大塚玲だったが、目の前で仕掛けた野田を追いかける形から3着に入線した。
 「踏んだりやめたりでキツかったけど、ギアを変えてマッチして調子が良い。余裕があるのでもう1回踏めますね。展開ですよ。ゴチャついているところで外を踏んだ。前の2人が頑張ってくれたおかげ。記念の決勝は地元の川崎記念以来4、5年ぶり。ここまで戻って来れたのがうれしい」

<11R>

神田紘輔選手
神田紘輔選手

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 打鐘手前で押さえて出た柴崎淳は、すかさず反撃に出た吉田拓矢のスピードを見極めるように踏んで番手に飛び付く。最終ホームで出切った吉田が先行。後位の併走は、2コーナーで武田豊樹が番手を守る。茨城両者でのゴール勝負かに思われたが、8番手から仕掛けた川村晃司に乗った神田紘輔(写真)が中のコースを強襲して1着に届いた。
 「自分もサラ脚まではいかないけど、(川村に)うまくスピードをもらって伸びました。あれでもう外は回れないと思ってたし、(コースは)見えてました。自分の調子はいいですね」
 番手をきっちりキープした武田豊樹は、直線で別線を張りながら2着に追い込んだ。
 「雪も降って悪天候だったけど、気にならなかった。(柴崎は)飛び付き一本みたいな感じだったし、ダッシュで自分は余裕がなかった。ただ、(番手を守り切ったあとの最終)バックでは(別線を)止められるなと。吉田君と決勝に乗れるようにって思ってたんで」
 「武田さんに気を遣ってもらいました」とは、積極策から僅差の3着に踏ん張った吉田拓矢(写真)。これで昨年12月の四日市記念から5場所連続で決勝に進んだ。
 「(出切ってから)キツくてバタバタしてしまった。力んでいいフォームでモガけてなかった。感触的には重いけど叩けてはいるし、踏むべきところで踏めている」

<12R>

浅井康太選手
浅井康太選手

舛井幹雄選手
舛井幹雄選手
 決勝戦最後の切符を争った12Rでは中部トリオでワンツースリー。打鐘で切った井上昌己を最終ホームで竹内雄作が叩くと、番手の浅井康太(写真)が絶好展開をモノにした。
 「雄作が先行して、ホームでは舛井(幹雄)さんと(井上)昌己さんがからむのかなと思ったので、(井上の)横を通過したときにどうかなとチェックした。昌己さんが4番手にいるのは3コーナーでわかったし、そのときに踏んでくる動作があったので雄作を残しながら舛井さんのコースを空けた。でも前が強いんで、そのおかげですね。残すことと、3人で決めるのは番手の仕事。それをしっかりできたのは良かった。雄作が落ち着いて出し切ってくれてるし、ラインがしっかりかみ合ってるのかな。(勝負は)とりあえず決勝なんで」
 ラインで上位独占の立役者となった竹内雄作だが、レース後は決勝戦へ向けて気持ちを入れ直す。
 「自分のなかではいっぱいいっぱいでした。後がどうなってるかわからなかったけど、後ろを信じて。出切ることだけを考えてました。相手が良かった。出やすい形になったけど、打鐘で踏み遅れてたし、1個1個修正するべき点はある。あれが吉田(拓矢)だったら突っ張り切られてると思うので。アップの時点で体が重かったし、そこをケアして。ラインから優勝者が出るように頑張りたい」
 舛井幹雄(写真)が地元の意地で食い下がって、うれしい記念初優出を決めた。
 「これでアカンかったら辞めるぐらいの気持ちで。残り1周で声が出た。自分への声。ここで離れたら終わりやと思ったので。ひとまず役割を果たしたし良かった。まさか記念の決勝に乗るとは…。言葉がないぐらいうれしい」

<最終日・6R S級ブロックセブン>

志智俊夫選手
志智俊夫選手
 最終日6Rにはブロックセブンが行われる。7車による争いで圧倒的な存在感を放つのは中近コンビ。志智俊夫(写真)が稲毛健太の番手から点数最上位のキメ脚を発揮する。
 「風は問題ない。稲毛が強いので、しっかり付いていってワンツーを決められるように。このあとは(全日本選抜に記念2本、地元のウィナーズカップと)S班なみのあっせんなんで頑張りたい。まず今回はこの1走だけなので全力を尽くしたい。体調は大丈夫です。点数的に言っても自分、稲毛の順だし、人気になると思うので気を引き締めて」
 稲毛健太は年頭の岐阜で優勝するなど、今年も好調をキープしている。
 「普通に練習はしてたんですけど、正直、和歌山は風が強すぎて感触的によくわからなかった。でもモガき倒して来たので悪くはないと思う。しっかり志智さんとワンツーを決めて、次の高松記念につなげていきたい」
 佐々木則幸は1月奈良の初日にもワンツーを決めている佐藤幸治に前を託して本線撃破を狙う。
 「前回(奈良)も付きイチ、いっぱいで抜けてないからね(苦笑)。最近は予選とか成績はまとめられてるけど、一歩間違えば飛ぶ。そんな感じです。脚自体は悪くないと思うけど、いいとは言いたくない。去年の6月から決勝に乗ってないからね」