『四日市競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:11月5日
 四日市競輪場を舞台に開設69周年記念「泗水杯争奪戦(GIII)」が、ナイターシリーズで11月5日からスタートする。S班からは、既に今年のグランプリ出場を決めている松浦悠士をはじめ、賞金ランキングで上位に付けている平原康多や佐藤慎太郎、村上博幸の4名が参戦。5度目の当所記念制覇を目指す地元の浅井康太も現在13位で、賞金的にも大事なシリーズとなる。4日の前検日は翌日からの戦いに備えて多くの選手がバンクで汗を流した。

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小原丈一郎選手
小原丈一郎選手
 オープニングレースの1番車で登場するのは、積極的な仕掛けが目立つ小原丈一郎(写真)だ。
 「1レースの1番車は青森記念でもあったので2回目です。今回はナイターなので、ちょうどいい時間ですね。(前々回の松戸記念の落車は)ケガはたいしたことはなかったんですけど、立川を走ってしっくり来なかったというか、レース勘もちょっとおかしかったです。でも切り替えて中4日は練習できたし、ケアもしてきました」
 吉本哲郎は、優勝した9月防府FI後の練習中に落車。今回が復帰2戦目となる。
 「落車で肋骨を折ってしまいました。前回(高松FI)は最終日になんとか1着を取れたんで、気持ちは上向きですけど、まだ思い通りの走りはできてないですね。相手2人(小原と内山雅貴)は先行屋なんで、僕もタイミングを見て緩んだら仕掛けたいです」


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東龍之介選手
東龍之介選手
 前々回の熊本記念in久留米で決勝にコマを進めた東龍之介(写真)だが、前回の立川FIでは落車に見舞われた。
 「ここまでが中6日だったので考えましたけど、競輪祭があるので今の状態とか感触も走れば分かるかなと思って来ました。練習は普通にできたし、感じも悪くはなかったです。一日、一日が大事ですし、しっかり勝ち上がっていきたいです」
 機動型が3人並ぶ近畿勢の番手は、高久保雄介となった。
 「(前を任せる藤井昭吾とは)6月の富山で連係して以来です。その時は落車だったので、それを払しょくしたいですね。(状態面は)ちょっと疲れがあります。最近は悪くはないんですけど、忙しくて休むタイミングが分からず、ズルズル練習している感じなので体がもっさりしています」


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 山岸佳太は10月弥彦FIと、続く松戸FIを連続で優出している。
 「少しずつですけど手応えはあります。迷いなく走れているなとは思いますね。でもまだ詰めが甘いというか、レースで隙を作っちゃっているので。四日市は(昨年の6月GIIIで)優勝したことがあるバンクなので今回も頑張ります」
 9月松阪FIで優勝した不破将登は、その後も好調をキープしている。
 「調子を落としていましたけど、岐阜記念から徐々に良くなってきています。地元記念を特別、意識していたわけではないんですけど、気持ちが入っていたというか、刺激になったというか。最近はレースを走っていても気持ちが良いので、流れも良いですね」


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皿屋豊選手
皿屋豊選手
 共同通信社杯の落車後はやや調子を落としている皿屋豊(写真)だが、今回の地元記念でなんとか流れを取り戻したい。
 「ケガは良くなってきて手応えもあるんで、競輪祭に弾みを付けたいですね。9車立ては走り慣れていますし、走りやすいと思います。(前回の)和歌山のあとは1日休んで、家族で鬼滅の刃を見に行って、熱いものをもらいました(笑)」
 荻原尚人は2日目から補充の京王閣記念で白星をゲットした。
 「ずっと7車立てを走っていたので、京王閣は大丈夫かなって思ったけど、連日、前の方にいたのであんまり関係なかったです。今回もそういう風になるようにしたいですね。前回からは誘導が入っていたので、強めには練習してないです。現状維持ですね」


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藤井栄二選手
藤井栄二選手
 坂本健太郎は前々回の佐世保FIで、昨年11月前橋FI以来のVを飾った。
 「準決勝で市橋(司優人)を抜けてなかったから決勝もムリかと思ったけど展開が向きました。(前回の和歌山FIからは)普通に練習してきましたけど、今は競輪祭に向けてやっている感じです」
 7月福井FIで完全優勝を果たした藤井栄二(写真)だが、その後は準決勝敗退が続いている。
 「単純に脚がないから勝ち上がれてないですね。練習の感じはずっと変わってないので、自分のレースを続けていければなって思います。(今回は追加あっ旋だが)前回(和歌山FI)の開催中に追加の電話をいただいたので、計画的にはできました」


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 前回の京王閣記念を欠場している竹内翼の状態面はどうか。
 「(10月)10日くらいに落車をしてしまって、擦過傷と打撲があったので京王閣は欠場しました。練習はできたし、元には戻っているイメージで来たので、あとはレースを走ってみてですね。久しぶりの競走なので自力でしっかり走ります」
 その竹内をアシストする堤洋は、今回からフレームを変える決断をした。
 「今回は半年くらい前まで使っていたフレームを持ってきました。最近使っていたフレームは、軽いのは良かったけど、スカスカする感じがあるので、あたりがあるフレームに変えました。それくらいの方が後方に置かれた時に、リカバリーができるのかなと思ったので」


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柴崎俊光選手
柴崎俊光選手
 谷口遼平は前回の和歌山FIで準V。良い流れで地元記念を迎える。
 「最近は練習から感じは良いです。先行では勝てるようになってきたけど、先行させてもらえなかった時に、飛びついたり、さばいたりできるようにヨコの動きも練習し始めました。地元で緊張するけど、開き直って頑張りたいですね。最近は安定して走れているので、もう一段階上げていくためのきっかけになる開催にしたいです」
 共同通信社杯は落車で途中欠場となってしまった柴崎俊光(写真)だが、復帰戦の10月富山FIから優出に成功した。
 「体はもう大丈夫です。(前回の)和歌山で1着を取れたし、悪くはないのかなと思います。富山から和歌山が中5日で、今回も中4日だったんで、詰めた練習はできなかったんですけど、レースを走って戻していこうと思っています。(11月5日が)誕生日なので、初日を1着で飾れたら良いですね」


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 志智俊夫は、寬仁親王牌の勝ち上がり戦で2度確定板入り。上位戦でも安定した走りを見せている。
 「(寛仁親王牌からは)いろいろやっていたらすぐでした。変えていかないと刺激不足になるので。今回から新車で、流行りに乗ったイメージの自転車です。四日市は、昔は重たいイメージがあったけど、最近はそれがなくなったので活躍したいですね」
 近況は準決勝が壁となっている山形一気だが、調子は悪くないようだ。
 「9車立ては、いつぶりか分からないくらい久しぶりですね。でも自分は9車立ての方が好きなので。(目標にする木村幸希とは)何回も連係しています。相手は強いですけど、自分の調子も悪くないです」


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眞杉匠選手
眞杉匠選手
 先行基本のレースで活躍している眞杉匠(写真)は、補充の寬仁親王牌でGI初勝利を挙げた。
 「相手が強くて楽しかったし、自信になりました。主導権を取れればって感じですけど、最近は結果も付いてきているので。9車立ては後ろに置かれてしまったら前が遠いですけど、先行したら後ろがゴチャついてくれるので良いですね」
 宿口陽一は前回の松戸FIで123着。決勝は先行策で確定板入りを果たした。
 「前回は結構、内容のあるレースができたので、最後は失速してしまったけど良かったと思います。新車の感じも悪くなかったです。(前々回の)寬仁親王牌では自分的には仕上げていたつもりだったけど、周りがすごすぎました。もっと底上げをしていかないとダメですね」


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 やや調子を落としている印象があった南潤だが、10月大垣FIで今年初Vを無傷で達成。徐々に調子を取り戻している。
 「良かったり、悪かったりするので、完全に良いとは言えないですね。調子に乗ったらあかんくなるので。相手が格上の時とかは気持ちが入るけど、勝たなあかんレースの時に消極的になってしまっている。気持ちの差だってよく言われます。四日市はS級のデビュー戦で走ったっていうのもあるし、悪い印象はないです」
 稲垣裕之は、優勝した8月富山以来の記念シリーズとなる。
 「8月に右膝の半月板を内視鏡で手術して、最近になってやっとやりたい練習ができるようになってきました。(南とは)連係実績もありますし、いつも頑張ってくれるのでしっかりガードしたいです」


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 徐々に本来の動きが戻ってきていた桐山敬太郎だが、前回の松戸FIで無念の落車。今回はそこから中4日での参戦だ。
 「打撲と擦過傷があって、今回走るか迷うくらいだったけど、今年は(コロナ期間と欠場2カ月があって)走ってないから来ました。自分は9車の方が走りやすので、ちょっと楽しみです。落車の影響がどのくらいなのかは走らないと分からないですけど、来たからには落車を言い訳にはしたくないので頑張ります」
 筒井裕哉は、前回の京王閣記念から使っている新車を修正して今シリーズを走る。
 「前回はこんなに自転車って進まんのかって思うくらいだったんですけど、今回は対策をしてきました。前回のことを考えたら、これ以上は悪くならないと思うので。前回の感触と比べて、変わらなかったら考えないといけないけど、しのげたらこのフレームでもうちょっとやってみようかなと思っています」


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浅井康太選手
浅井康太選手
 トップレベルで抜群の安定感を誇っている松浦悠士は、同期同級生の原田研太朗の番手から白星を目指す。
 「本当は前でやりたかったんですけど、(原田)研太朗も新車の感触を確かめたいってことなんで、番手を回ります。自分は京王閣記念の初日に使ったフレームと、小松島記念とサマーナイトで使っていたフレームを持ってきました。初日は京王閣記念の時のを使ってみる予定です。これからセッティングで試したいことがあるので、バンクに乗って確かめてみます」
 中部勢をまとめるのは、当所記念4Vの実績がある地元の浅井康太(写真)だ。
 「今は理論的な考えをしています。四日市や競輪祭も大事だけど、そこに限らずにこれからずっと上位でいるためのことを考えている。今後につなげるためにも進化、変化をしてきたい。それで結果が出れば最高ですし、出なければ我慢するだけです。初日は良いメンバーなので、このメンバーで走って競輪祭へつなげたいし、課題も見つかるかもしれない。良いレースができれば、今後チャンスがあると思います」
 現在、賞金ランキング7位の佐藤慎太郎にとっては、気の抜けない戦いが続く。
 「(京王閣記念で準Vだが)接戦には変わりないし、どうにでも変わる賞金差だから、楽にはならないですね。(初日特選は)もちろん平原(康多)に行きます。今回は準決勝の日が誕生日。去年はお客さんが発走機のところでハッピーバースデーを歌ってくれました(笑)」