『四日市競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:11月9日

 ナイター開催の四日市競輪開設69周年記念「泗水杯争奪戦(GIII)」は、11月8日に最終日を迎えた。最終12レースで行われた決勝戦は、番手まくりで浅井康太を合わせ切った平原康多の後ろから、直線で佐藤慎太郎が鋭く伸びてV。15年宇都宮以来、8回目の記念優勝を飾った。

決勝戦 レース経過

 号砲で1番車の佐藤慎太郎が出る。宿口陽一-平原康多-佐藤の東勢の前受けとなり、浅井康太-坂口晃輔-志智俊夫の中部勢が中団。それぞれ単騎の3人は後方に構え、松浦悠士、北津留翼、稲垣裕之の順で周回を重ねる。
 青板4コーナーから松浦が動き出す。赤板過ぎに前団を切った松浦には単騎の2人が続き、中団には平原のけん制を受けながらも浅井が入る。スローペースの中、今度は稲垣が松浦を切って先頭へ。そこを打鐘からのカマシで宿口が襲う。最終ホームで3車出切った東勢に対し、追って上がった浅井が4番手に割り込む。そして、浅井は2コーナーからまくり発進。一気にスピードに乗った浅井は東勢をきれいに飲み込む勢いだったが、平原も番手まくりで応戦する。バックからの両者の激しい踏み合いは2センターで内から盛り返した平原に軍配。志智をドカして地元コンビに切り替えていた松浦がすぐさままくり出すが外を回されて届かない。最後は平原と佐藤の一騎打ちで、差し切った佐藤がV。

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手

 昨年のグランプリ王者・佐藤慎太郎(写真)が、直線鋭く抜け出してV。今年はここまで優勝なしで賞金争いの渦中にいたが、15年5月宇都宮以来、5年半ぶりの記念優勝を果たし、2年連続のグランプリ出場へ大きく近づいた。
 「優勝できてめちゃくちゃうれしい。自分の力っていうよりは、地区が違うのに宿口(陽一)と平原(康多)が頑張ってくれて。結果としては、賞金を上積みできて良かったけど、やっぱり記念で優勝というのはお客さんも応援してくれていたし、期待に応えられて本当にうれしいです」
 レースは、前受けから下げた宿口が打鐘手前の2コーナーから一気にスパート。最終1コーナー過ぎから仕掛けてきた浅井康太に合わせて、平原が番手まくりを放ち、最後は佐藤に絶好の展開が向いた。
 「(埼玉勢が)前から攻めたいってことだったので、前を取りに行きました。浅井は気になったけど、宿口が良いスピードでカマしてくれて、ありがたかったですね。良いレースでした。浅井が仕掛けて来て、スピード差がすごかったから、もしかしたら行かれてしまうかなって思ったけど、平原はやっぱりさすがでした」
 次走は今年最後のGI・競輪祭。最後まで気を抜けない戦いが続く。
 「状態は良いです。ずっと悪くないけど、今回は体が動いた。お客さんの声援のお陰だと思います。グランプリもあるし、次の競輪祭もある。グランプリはまだ決まっていないけど、一戦、一戦、全力で頑張ります」

 浅井を合わせ切った平原康多が2着に粘った。
 「レースは支配できたんじゃないですか。浅井が強くて、合わせるのが大変でした。意地でなんとかですね。踏むタイミングが少し遅れたけど、最終的には踏み勝てました。(宿口は)とにかく練習の力を出し切ってくれたと思うし、あれだけの勢いで浅井に行かれたってことを経験して、次の強くなるためのきっかけにしてほしいですね」

 最終2センターで佐藤の後ろに切り替えた地元の坂口晃輔が3着に入った。
 「(浅井は)バックですごいスピードでした。最後は外を踏む脚はなかったので、最短距離を行きましたけど、優勝するのは難しいですね。競輪祭に向けての足掛かりにはなったので、次に向けて頑張ります」

 単騎の松浦悠士は最終1センターで志智俊夫をさばき、地元コンビ追いかけて3コーナーから踏み込むも、4着までだった。
 「単騎で動きづらいっていうのもありましたけど、あと1周のところで浅井さんにスイッチできなかったってところがポイントでしたね。(その後は)浅井さんが平原さんを越えそうだったから、そこを見てからになるなと思ったら、ワンテンポ遅れてしまいました。でも今日(決勝)が一番、脚の感触が良かったから、次の競輪祭が楽しみだなって思える決勝でした」

 平原に合わされた浅井康太は5着でゴールした。
 「競輪祭につながるレースはできたのかなと思います。平原さんとモガき合って、競輪の魅力は見せられたのかなと。(平原の上を)行き切る安心感はなくて、平原さんは絶対に復活してくるだろうなと思ったら、やっぱり復活してきました。まあ、そこはサラ脚の平原さんなら当然ですし、自分は自力の脚もあるってところは見せられたので、深谷(知広)とか(竹内)雄作の番手に付けた時にどう走るかですね」

 平原に前を任された宿口陽一は力を出し切った。
 「仕事はやれました。すごい緊張感の中で走れましたね。自分があと50メートル踏めて、バックを取れるくらいのレースができていれば、平原さんの優勝だったかもしれないですけど、後ろがワンツーでなによりです」





次回のグレードレースは11月18日~23日の日程で、小倉競輪場にて第62回朝日新聞社杯競輪祭が開催されます。
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