『四日市競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:11月8日

 四日市競輪場でナイターで開催されている開設70周年記念「泗水杯争奪戦(GIII)」は、11月7日に2日目が行われた。二次予選の7個レースで勝ち上がりが争われ、地元の浅井康太が谷口遼平とのタッグから1着で準決に進んだ。11月8日の3日目には、ファイナルをかけて準決で迫力のバトルが展開される。
 なお、四日市競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となります。検温、手指の消毒、マスク着用などのご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

泉慶輔選手
泉慶輔選手
 打鐘で先頭に立った取鳥雄吾は、すかさず叩きに来た竹内雄作を出させて3番手を確保する。取鳥後位に坂本貴史が飛び付くが最終ホームで阿竹智史にキメられて、渡部幸訓が5番手に切り替える。3番手の取鳥は空いた車間を詰めるも、いったん柴崎淳を待ってから再度まくり上げる。渡部が阿竹の内を進出して中のコースを踏むと、続いた泉慶輔(写真)が中部勢の間を鮮やかに突き抜けた。
 「坂本さんと(渡部)幸訓さんが頑張ってくれて、前2人のおかげですね。自分は幸訓さんが内に行った時に外を見てたんですけど、阿竹さんが締めなかったんで内に行きました。そのあとは柴崎さんがなかなか空けなかった。でも、タイミング良く空いてくれました。(G3は昨年10月の)松戸で1回準決に乗れそうだったんですけど、(二次予選3着でも)落車滑入でドクターストップがかかって走れなかった。明日(3日目)走れれば、(G3の準決は)今回が初めてです」
 好ポジションをキープしながらも、前の柴崎が気になった取鳥雄吾は、結果的にまくりで二次予選クリアもスッキリしない。
 「今日(二次予選)はある程度出させるパターンで行こうと思ってたので、ああなりました。(最終)バックでまくりに行けば良かった。そこでビビッてしまった。自分の弱いところが出たのが反省点です。柴崎さんも余裕があったので、詰まったら行ってくれるかなというのがあった。1回、やめてから(まくりに)行ったけど、(前を)越えられるとは思った」


<7R>

中村浩士選手
中村浩士選手
 赤板過ぎから藤井侑吾と野口裕史で壮絶な主導権争い。打鐘で外の藤井がわずかに前に出るが、コーナーに入り野口が盛り返す。最終ホームでは野口がパワーで主導権を死守して、外に浮いた藤井は1センターで力尽きる。坂口晃輔が自力に転じてまくるも、3番手の神山雄一郎の横まで。番手で好展開が訪れた中村浩士(写真)が、ゴール寸前で野口を交わした。
 「(3番手に)王者(神山)が付いていたこともあって、野口君の気合の違いを感じましたね。あとは坂口君がまくってくると思っていたけど、野口君の掛かりも良かった。今日(2日目)はみんなが苦しいレースだったと思う。準決に向けて、セッティングを修正したい」
 無謀とも思える踏み合いだったが、野口裕史はそのまま敢然と先行策で2着に粘り込んでラインの中村とワンツー。
 「青板だったら引いたけど、あそこのところは、誘導を切らないように前と車間を空けながらでしたね。全力での突っ張りではなくて8割くらいの感じで焦らずにいけました。内にいて車輪も掛けていたので、そこも確認しながらでした。(体重が戻って)夏の前のいいころの感じなので、強気な攻めができたと思う」


<8R>

井上昌己選手
井上昌己選手
 打鐘の2センターで叩き切った上野雅彦が主導権。3番手に下げた黒沢征治が最終1センター過ぎからまくりに出ると、6番手にいた嘉永泰斗も踏み上げる。が、井上昌己(写真)は嘉永を追わない。8番手の長尾拳太もまくって前団に迫る。長尾に原真司は付け切れず、井上が長尾の外を強襲して1着。
 「(嘉永がまくって行って)自分は内も気になったし、黒沢君と合った感じがあった。しっかりと付いていれば、ワンツーだったんで情けない。反省点が多いですね。初連係で息が合わなかった。そのあとは伸びたっすね。昨日(初日の北津留)翼で脚に刺激が入った。嘉永君はセンスもいいし、今度はしっかりと」
 6番手の嘉永の動きを冷静に見極めた長尾拳太は、最終バック手前で8番手からまくりを繰り出して2着。
 「嘉永君は(井上)昌己さんも付いているんで、あの位置(6番手)なら早めに行ってくれるんじゃないかと。嘉永君が踏んだら自分も踏んでと思ってた。だから、昌己さんが連係を外しても、自分がバックを踏む感じもなかった。そのあとも嘉永君が和田(健太郎)さんとこで内に入ってくれたから、自分はわりと2車併走くらいのところを踏めた。久しぶりにしっかりと自力を出せた。状態はいいです」


<9R>

岩本俊介選手
岩本俊介選手
 坂井洋が先行態勢を取り、岩本俊介(写真)は7番手で打鐘を迎える。坂井のペースは上がらず、3コーナーから巻き返した岩本が最終ホームで主導権を奪う。坂井が飛び付いて3番手が佐藤康紀との併走になる。別線もまくるが、逃げる岩本の掛かりが良く、二の足で番手の佐藤慎太郎も振り切った。
 「坂井君は前だと得意パターンなので、あえてこっちで取って脚を使わせようと思った。昨日(初日)よりスピードが上がっているなかで出られて、脚もよくもってくれた。(今回から新車で)新車特有のパリっとした感じがなくなってからが勝負ですね。昨日も今日も力を出し切れた。納得したレースをしたいし、それで結果がついてくれば。明日も力の出し惜しみをしないように」
 4分の1輪まで詰めたところがゴールだった佐藤慎太郎が、岩本を称える。
 「誕生日で1着を取りにいって全力で抜きにいったけど、岩本君が仕上がっている。イメージだと抜けると思ったが、踏み直されましたね。素晴らしかった。自分がどうこうではなく、岩本君が強かった」


<10R>

谷口遼平選手
谷口遼平選手
 赤板過ぎに谷口遼平が本郷雄三を突っ張ると、橋本智昭が内を踏んで4番手で本郷と併走。ペースを握った谷口は落ち着いて、別線の動向を見極める。打鐘の4コーナーから本郷が仕掛けるが、谷口が合わせて踏んで突っ張り切る。最終2コーナーからまくった橋本をけん制した浅井康太が抜け出して1着。橋本マークから追い込んだ大槻寛徳が2着。
 「(レース展開は)あんなはずじゃなかったんですけど。みんな橋本君の4番手がほしいところかなと。ただ、谷口君も駆ければ強いですからね。(橋本がまくっていって)自分は余裕がありました。浅井君がもっともっていくようなら、浅井君の内もってコースも見えてました。(脚の感じは)全然、悪くない。昨日(初日)よりも良かったです」
 2度に渡り本郷を突っ張った谷口遼平(写真)は、橋本のまくりもこらえて3着に残った。
 「橋本さんだったら、引いて中団で勝負と思ってました。(来たのが本郷だったので)突っ張りました。(もう一度打鐘の4コーナーから仕掛けた本郷を)うまいこと合わせられました。あそこで行かれてしまうとっていうのがあったんで良かった。(最終)バックはまだ頑張れたけど、4コーナーくらいからいっぱいでした。なんとか4(着)までと。脚を使って勝ち上がれたんで、明日(準決)につながるかなと。(脚の感じも)いい方だと思います」


<11R>

北津留翼選手
北津留翼選手
 関東勢が主導権を握り、叩かれた佐藤康紀が4番手。古性優作は前団を射程圏に入れて6番手で構える。8番手に置かれた北津留翼(写真)は、最終1センター過ぎからまくった古性ラインを追いかけて、その上をけた違いのパワーでのみ込んだ。
 「古性選手のスピードをもらってでした。(8番手になって)自分で行ってもっていうのがあって、古性選手に委ねてしまいました。強い選手に連れていってもらった。でも、あれで古性選手から一撃が入っていたら終わってたと思います。(初日から使っている新しい)クツはいいですね。踵のところがしっかりとホールドされてるんでいいです」
 古性が前団を仕留めるも、北津留の勢いが断然。稲垣裕之は、慎重に間合いを取りながら追い込んだ。
 「(古性が)早めに仕掛けてくれた。北津留君が来たのもわかってたけど、内に芦澤(辰弘)君もいたんで外にけん制するとコースに入られることもあるかなと。北津留君のスピードが違いました。自分の体は動いている。セッティングも、昨日(初日)よりも今日の方が良かった」


<12R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 赤板の1コーナーで近畿コンビを受けた郡司浩平(写真)は、すかさず磯川勝裕の動きに反応する。合わせるように切って、東京コンビを出させて3番手をキープ。磯川がそのままペースを上げて、一本棒の隊列で最終ホームを通過する。郡司は2コーナー手前からまくって、合わせて番手まくりに出た鈴木竜士をあっさりととらえて1着。
 「(誘導を追いかけるのに)脚を使ったんで、なるべく落ち着いてと。余裕があれば、山田(久徳)さんが切りに来た時に突っ張るか踏ませてと思ったけど、脚にきてたんでしっかりといい位置を取ってと。(鈴木)竜士よりも先に踏み込めたんで、(番手まくりの鈴木を)乗り越えられるかなって思った。自分のタイミングで(仕掛けて)行けたんで。(初日から使っている新車は)レースで走ってみた方がいい。練習だと、そこまでしっくりはきてないんですけど。部品を換えたりするよりも、現状はこれで手応えをつかんでいきたいっていう方向です」
 鈴木を乗り越えて郡司に続いた内藤秀久は、郡司との1車身をキープしたまま流れ込んだ。
 「(郡司が)スタートで脚を使って、本来は自分が追わないといけないんですけど。番手は狙われる位置だと思ったんでしっかりと。(出切ってからは)内と外をケアしながらでした。自分の脚の感覚も大丈夫です」