『四日市競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:11月9日

 四日市競輪場でナイターで開催されている開設70周年記念「泗水杯争奪戦(GIII)」は、11月8日に3日目が行われた。熾烈なバトルが繰り広げられた準決では、坂井洋、古性優作、東口善朋が1着で優出を果たした。また、地元の浅井康太は2着で決勝に進んだ。11月9日の最終日には、激戦を勝ち抜いた9人による決勝の号砲が鳴らされる。
 なお、四日市競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となります。検温、手指の消毒、マスク着用などのご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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坂井洋選手
坂井洋選手

中村浩士選手
中村浩士選手
 打鐘手前で先頭に立った谷口遼平が、先行態勢を取る。8番手の取鳥雄吾は2センターから反撃に出る。しかしながら、谷口も腹を固めてフルアクセル。浅井康太のけん制で取鳥は不発。井上昌己が降りて、3番手の松崎貴久と併走になる。そこを最終2コーナーから坂井洋(写真)が、目の覚めるようなスピードでまくる。浅井は止められず、坂井が1着で2度目のGIII決勝進出を果たした。
 「(周回中は6番手から)先に動いて、早めに1周回そうと思いました。(取鳥)雄吾なら出切ると思った。だから、すかさず行こうと思ったけど、あおりもあって反応できなかった。あれでいつも構えて失敗してるんで、とりあえず(仕掛けて)行かなきゃと。昨日(2日目)、阿部(大樹)さんと連係してダメだったけど、アドバイスをいただいた。もっと持ち味を生かした方がいいって。(脚の感じは)腰の痛みもないのでいいと思います」
 坂井マークの中村浩士(写真)は、浅井に振られて坂井に続けずも、直線で踏ん張って3着に入った。
 「(坂井は)ああやって切って、切られて、もう1回(のタイミング)の勝負にかけていた感じだった。きれいに(空いた)空間を行ったんで良かった。とは言っても前は浅井君なんで、そこは気を付けた方がいいって思ってました。自分は(コーナーの)山を上って、遠回りしたけど。スライスしないでこらえて、最後にもう1回踏んだ。脚の状態はわからないけど、いいのかなって思います」
 谷口遼平は7着に沈んだものの、積極的に駆けたレース内容は十分に評価できる。
 「雄吾がカマしに来れば、出してもいいなって思ってたけど。雄吾も残る距離で踏んでたので、自分も腹をくくりました。押さえ先行は苦手な部類ですけど、余裕をもちながら走れた。(浅井が優出したんで)最低限ですね」

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古性優作選手
古性優作選手

稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 黒沢征治を制して野口裕史が、赤板2コーナーで主導権を握る。南関3車が出切り、黒沢が中団に入る。古性優作は一本棒の7番手で最終ホームを迎える。2コーナー手前からまくった黒沢は、嶋津拓弥に合わされて力尽きる。まくり追い込みで古性優作(写真)が前団をのみ込んで1着も、厳しい表情で振り返る。
 「最大出力もそうですし、ペダリング、自転車との一体感も、今年に入って一番良くない。初日はまだマシだったけど、日に日に良くない。(車間を)空けてるんじゃなくて、詰まらなかった。正直、このまま(7番手で)追いつかないのかと。ちょっとヤバいなって。力んだらダメなところで力んで、力んで欲しいところで(力が)抜けている。今回に関しては、人の自転車に乗っている感じです。(原因は)疲れなのはわかってる。表面的ではなくて、中に入り込んでしまっている。昨日(2日目)も最大限にケアしたつもりだけど。このあともできることをやります」
 稲垣裕之(写真)は、古性との近畿連係を外すことなく流れ込んだ。
 「早い展開になったけど、古性君を最後まで信頼していた。ゴールまで気の抜けないレースだった。(現状ではこのフレームしか使えないので)ここ1年とはまったく違うフレームなので、いい刺激にはなっています」
 黒沢を合わせるように嶋津が番手から踏んで、南関3番手の内藤秀久は佐藤慎太郎に踏み勝ち3着。
 「赤板のところで大バックを踏んで、転ぶかと思った。それでそのあとの踏み出しではいっぱいだった。野口も気持ち良く行ってくれたし、嶋津にも任せてた。僕は(最終バックで佐藤)慎太郎さんと併走してたんで、その時点でそこを死守しないとっていうことに集中していた」

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東口善朋選手
東口善朋選手

岩本俊介選手
岩本俊介選手
 赤板過ぎに出た嘉永泰斗がそのままペースを緩めずに駆けるが、橋本智昭が打鐘で強引に主導権を奪取する。最終ホームで後方にいた岩本俊介は1コーナーから踏み上げるが、前にいた東口善朋(写真)に大きく外に振られて失速。2コーナーで大槻寛徳が番手まくりに出ると、その上をまくった山田久徳がスピードの違いでとらえる。山田に東口、岩本が続く。山田マークから東口が抜け出した。
 「(岩本が)来るならここかなってタイミングで(外にけん制を)した。(番手まくりの大槻よりも山田)久徳のスピードが良かったんで、あとは僕がうまく残せればと。残ったかなと思って踏んだんですけど…。この開催で2つ勝てたのはすごく自信になります」
 大きく外に振られた岩本に切り替えることなく続いた郡司浩平は、最終バックでは最後方。それでも岩本の外を踏んで2着に届いた。
 「(岩本は)タイミング的にも1コーナーの上りのところだったし、行き切れる感じがした。僕も行ける気満々で構えてたんで、(東口のブロックで)詰まったんで内に降りました。自分も要所、要所でバックを踏んだりして、前も見えなかったところもある。(新車は)自力の時には2回走って問題なかったけど、番手の時に流れるところが違って、人のタイミングだと難しい。あとはこのフレームに合わせていければ」
 立て直しを余儀なくされた岩本俊介(写真)は、郡司との絆を強調する。
 「東口さんにナイスブロックをくらっちゃって、そのあとにグンちゃん(郡司)が切り替えないでいてくれた。そこがすべてですよね。自分を待ってくれたんで、絶対にもう1回(仕掛けようと)って思いました。内容が良くないので申し訳ない。脚の感じと新フレームは悪くない。あとは組み立てですね」