『四日市競輪開設56周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:7月16日


 四日市競輪開設56周年記念「泗水杯争奪戦」は台風4号の影響により一日順延し、本日16日に決勝戦が行われた。台風一過となった本日は、気温は30度を超え蒸し暑い一日となるなか、バンク内ではこの熱気を上回る熱いレースが繰り広げられた。小嶋敬二に、井上昌己、佐々木則幸、成田和也の細切れ4分戦となった決勝は、小嶋敬二が圧倒的な力で敵陣を完封し、逃げ切り優勝を飾った。

決勝戦ダイジェスト
 スタートで渡辺晴智が飛び出して誘導員後位へ。佐々木則幸を受けて、佐々木―渡辺の即席ラインが前受け。井上昌己―前田拓也のこれまた即席コンビが続き、人気の小嶋敬二―岩見潤―山内卓也は中団から。成田和也―有坂直樹が後方待機で周回が進んでいく。
 赤板前のバックから成田が上昇を開始。佐々木を押さえると佐々木は車を下げていく。すかさず小嶋が踏み上げて誘導後位に入り、後続の出方を窺う。中団は内に成田、外に井上で併走。佐々木は後方となる。打鐘過ぎの四角から井上がスパートし、小嶋に襲い掛かるが、小嶋も井上を出させずに突っ張って先行態勢に入る。出切れない井上と岩見が併走状態になり、小嶋の番手はもつれた。小嶋が全開でスパートすると、岩見、井上共に千切れる。岩見が第二先行の形で懸命に追い掛けるが一杯、一杯。小嶋がパワーにものをいわせて押し切った。前団のもつれを見極めた佐々木がまくり上げて小嶋に迫るも2着まで。佐々木追走の渡辺が3着に入った。


小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
 二強の一角であった山崎芳仁が欠場した時点で、今節は小嶋敬二が不動の本命となった。その期待通り、連日危なげなく勝ち進み、決勝は見事に逃げ切って見せた。
 「ジャンで成田を押えてから誰も来なかったからね。踏んだのは(井上)昌己がカマしてきたとき。出られたら厄介だし、その上を行かれてしまう展開になるからね。後ろが離れているのは分かっていましたよ。(岩見)潤が持っていって、バックで成田にシャくられた展開になっていたね。最後は一杯だったけど、レースが早めに動いたでしょう、だから周りも皆しんどかったと思う。四日間、人気に応えられてよかったし、最後に先行逃げ切りと最高の内容で締めくくれたのは大きい」
 この優勝でちょうど40勝目、年間70勝に向け今後も小嶋の快進撃はまだまだ続く。
 「月5勝を目安にしているから、今月はこれでおしまいかな? (台風の順延で)中2日になったけど、松戸のサマーナイトも頑張りますよ。1着権利だから仕掛けが遅くなると思うから、その辺をよく考えて走ります」
 落車明けで今節は本調子ではなかった佐々木則幸だったが、蓋を空けてみれば準Vと嬉しい結果となった。
 「昌己が叩くと思ったんだけど行かなかったね。その上を自分が叩いて先行しようと思っていたんだけど。予想した展開と違ったけど、ちょうどもがき合いになったからまくりに作戦変更しました。2センターでいけると思ったし、最後にタレてくると思ったけど、さすがは小嶋さん。並の先行屋ではないし強すぎます。今回は練習ができていなかったからダメだと思ったから2着は上出来ですよ」
 3着には渡辺晴智が入った。
 「佐々木君のラインに切り替えて付いていっただけだけどすごくキツかった。佐々木君は長い距離を踏んでいたから、最後は自分の方が車が出ると思ったんだけどね。あれは抜けないけど、欲を言えば(佐々木を)抜いてみたかった」
 準決勝でワンツーを決めた岩見潤だったが、大一番の決勝戦では小嶋と連係は決まらず。
 「井上に2コーナーの山おろしで行かれてしまったらマズイからね。その前に止めておかないと。すぐに戻ったけど、あれだけ張れば前と離れてしまう。連日、小嶋さんが強かった」
 一方、敗れた井上昌己は「全てが中途半端だった。1回、前を斬っていればノリ(佐々木)がきて三番手に入れたかもしれないね。小嶋さんが踏んだから、もしかしたら番手が離れて空くかなと思った。そこに入ろうとしたんだけど…。動かないといけないところで行かなかった自分のミス。凡走です」と肩を落とす。

ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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