『四日市競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:10月28日


 25日から開催された四日市競輪開設58周年記念「泗水杯争奪戦」は28日をもって全日程を終了した。決勝は中部勢が大挙して勝ち上がり、中部6名VS平原康多の様相に。柴崎淳が率いる地元勢と、永井清史を先導役とする岐阜勢で別線勝負となり、双方の出方が注目された。レースは中部の連係が決まり、岐阜勢のお膳立てを受けて柴崎淳が連覇を果たした。

決勝戦 レース経過
 号砲と共に山口幸二が飛び出し永井清史を迎え入れる。ここに伊藤正樹が続き前団を形成すると、柴崎淳―萩原操―古田義明の地元勢は初手は中団から。以下、単騎の新田康仁が続き平原康多―諸橋愛の関東勢が後ろ攻めとなった。
 青板周回で、まず平原が動く。上昇を開始し、いったん柴崎に蓋をすると打鐘手前から再度踏み込んで先頭を窺う。しかし、誘導を外していた永井が合わせて突っ張り平原を封じる。平原は外に浮きながらも懸命に踏み込むが、最終二角で伊藤のブロックを受けて力尽きる。すると脚を溜めていた柴崎が、最終バックから満を持してまくりを放ち前団に襲い掛かる。番手の萩原は離れてしまうが、柴崎は三角で山口のブロックをかいくぐると直線で一気に突き抜け、地元記念2連覇を達成した。


柴崎 淳選手
柴崎 淳選手
 中部勢の巧妙な作戦が見事にはまった。永井清史が突っ張り先行で平原康多をつぶすと、満を持して柴崎淳がスパート。鮮やかにまくって地元記念連覇を果たした。
 「今日は全て先輩方のおかげです。あまり来るのが遅かったら突っ張るとは聞いていたけど、なかなか踏まない感じだったし、ジャンで前が詰まったからバックを踏んで内に差し込んでしまった。そこからペースが上がったから、外の平原さんを全く見ないで、永井さんの動きだけをしっかり見てました。今日はカマシ、まくりしか考えていなかったし、作戦通りにいってよかった」
 今節は前検日から終始、控えめなコメントで通した。体調に不安を抱えての地元戦だっただけに、喜びよりもホッとしたというのが本音だ。
 「今回は状態が悪かったし、自信はあまりなかった。でも、レース内容だけは良かったんで、それだけを頼りにしていた感じです。優勝できたのは奇跡というくらい。勝ててホッとしました」

 諸橋愛は目標の平原が突っ張られると巧く中団を確保。最後は直線で意地を見せた。
 「中部の作戦は想像していた。それでも平原は外併走して頑張ってくれたでしょう。後ろから柴崎のまくりが来るし、行ってくれた心意気に応えるために、バックで『康多ゴメン!』と思いながら横を通り過ぎました。優勝できなかったのは悔しいですね。でも、今日は康多の気持ちが嬉しかった」

 地元優勝の一番の立役者となった永井清史。平原を突っ張って不発に終わらせ、しかも3着に粘り込む強さを見せた。
 「いつもやられているんで、今日は平原さんよりも前にいて、自分達がやり返してやろうと思っていた。向こうが全開でくれば自分も踏んだけど、思い切って踏んでしまうと巧く中団に入られてしまうので、平原さんがギリギリ見える位置を保って巧く駆けました。あれだけモガいて3着なんで納得はしているけど、次はGIの決勝でやれるくらいの力を付けたい」

 山口幸二は結果的に地元勢を気遣ったレース運びとなり4着に終わる。
 「今日はとりあえず形だけは作って、あとは力勝負という作戦だった。思い切って1番(柴崎)に当たればよかった」

 萩原操は柴崎に付け切れず6着に沈んだ。
 「柴崎が内に差し込んだときに、自分も大バックを踏まされた。ホームが物凄く苦しかった」

 新田康仁はギアを3.85に上げて一発を狙ったが、仕掛け所なく終わる。
 「中部の作戦があるだろうから、初手は中団のラインに付いてタイミングを待っていた。柴崎は早めでも行くかなと思ったけど落ち着いてたね。自分も一か八かホームで行く勇気があれば良かったんだけどね。一車後ろに付いていれば行ったけど、前を見過ぎてしまったし、今日は気持ちで負けたね」

 平原康多はサバサバした様子で引き揚げてきた。
 「今日は厳しいレースになると思っていた。いつも自分が逆のことをやっているから、今日は自分がヤラれ役になりました。仕方ないでしょう」


ゴール




↑ページTOPへ


情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved.