『四日市競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:6月19日


 四日市競輪開設59周年記念「泗水杯争奪戦(G3)」は本日(19日)に開幕。今回はSS班が6人参加と豪華メンバーがそろったほか、地元の柴崎淳の大会3連覇に期待がかかるなど見どころの多い開催となりそう。  なお、明日(20日)も四日市記念クオカードが当たるスピードくじが先着入場2400名様に配布されるほか、アントキの猪木さんによるスペシャルステージ(1回目、10:15~、2回目9R発売中)や選手会三重支部主催の検車場ツアー(10:00~10:30まで女性子供コーナー付近で先着50名様に抽選券を配布し、当選された方限定)などもありますので、この機会に是非競輪場でのレース観戦をお楽しみください。


<1R>
 オープニングレースを制したのは細川貴雄。前団のもがき合いを豪快にまくった花村直人を利すと、直線鋭く抜け出した。
 「とにかく必死! 花村のダッシュが鋭すぎて踏み出しに離れそうになったし、付いていくだけで精一杯でした。最後も花村を抜ける感じはなかったし、外からは藤田君や浦川君が来ているのが見えたから、ダメだと思っていたので、結果を見るまで勝ったとはわかりませんでしたよ。それにしても花村君は強かったね」
 一方、豪快なまくりで見せ場を作った花村直人はゴール寸前で力尽き、4着で勝ち上がりを逃す。
 「悔しいねー。初手で後ろ攻めだと作戦がバレバレだし、わざと前を取ってみんな焦っていたと思うんだけどね。前がもがき合ったし展開は最高だった。気合が入っていた分、本当に悔しいよ」


<2R>
 大井浩平の先行を、最終バックから巻き返した辻力がまくり快勝。後続を引き連れラインで上位独占を決めた。
 「新村君が強引に叩きに行ったおかげで、大井君もかなり踏んでくれたし、結果的に良いスピードに乗れました。三浦さんにも『好きに走れ』って言われていたし、余裕を持ってレースができましたよ。沼川さんのブロックも上手くかいくぐれたし、思い通りのレースができましたね」


<3R>
 山田庸平が打鐘から押さえ先行に出ると、直線で番手の宮路智裕が抜け出し1着となったが、レース後はゴール後落車の山田を気遣う。
 「山田は点数がかかっているから、カマシで行くと思ったけど、打鐘から押さえて頑張ってくれた。僕も成清君の内狙いが怖かったので、ずっと内を締めたままのレースでした。本当は山田君とワンツーを決めたかったけど、3番手に入った成清君が早めに追い込んできたから最後は厳しかった。それにしても山田のゴール後落車は残念だね。あいつは今回がS級点が懸かった勝負の開催だったし、あそこまで頑張ってくれていたのにね」


<4R>
 中園和剛が好気合を見せた。いったん先頭に立つと、最終ホームからカマした片寄ラインに飛び付き番手を奪取。最後は後ろの倉岡慎太郎に交わされるも2着で勝ち上がりを決めた。
 「倉岡さんも好きに走れと言ってくれていたので、何も考えずにリラックスしてレースができました。打鐘で前を斬ったのも、飛び付き策もとにかく身体が勝手に反応した結果だし、動けているってことは調子も良いんでしょうね。ただ、今日は2度脚を使っていたので、最後は倉岡さんをしのぎ切れませんでした」


<5R>
 前受けの永田修一が叩きに来た佐藤幸治を突っ張って先行すると、最終3角から山田和巧が番手まくりを敢行。そのまま押し切り1着をもぎ取った。
 「まさか永田が突っ張るとは思っていなかったのでびっくりしたけど、弟弟子(永田)が強い佐藤君を相手に、あれだけ頑張ってくれたことは本当に嬉しかった。今回はS級の点がかかっているので、この勝ち上がりは大きいですよね。ただ、まだ今日の点数では足りないので、明日からは自分の力で勝ち上がって行きたいです」


<6R>
佐竹和也選手
佐竹和也選手
   岸澤賢太が打鐘から突っ張り先行に出ると、追い上げた佐竹和也(写真)が最終ホームで深井高志に競りこみ岸澤のハコを奪取。直線で追い込み今年初勝利を飾った。
 「僕にはまくる脚はないからハコ勝負しかない。後ろにはいつもお世話になっている児玉さんが付けてくれていたし、あそこで追い上げなければ8、9番手確定だから前々に勝負しました。結果、いい着に結びつきましたね。今年はずっとボロボロで悔しい思いをしてきたから、今日の1着をきっかけに流れが変わってくれればいいですね。僕も1班の点数がかかっているし、明日からも頑張りますよ」
 佐竹和也に番手にハマられ万事休すかと思われた岸澤賢太だが、直線でも末を保ち2着に粘った。
 「最終ホームで後ろに佐竹さんが入っていたことはわかったけど、流すともう一度スピードに乗せるのは厳しいし、あまり休むことは出来なかった。それでも最終ホームで藤田さんのまくりにも合わせて踏み直せたし、それで2着だからデキも悪くないでしょう。明日は相手も強くなりそうだけど、今の状態なら楽しみですね」


<7R>
神開浩士郎選手
神開浩士郎選手
   レースを制したのは神開浩士郎(写真)。最終ホームからカマした坂木田雄介の3番手から直線で鋭く伸びた。
 「内の鈴木君と併走になっていたので、少し早めのタイミングだったけど4角から踏ませてもらいました。ゴール前は横一線になっていたし、最後はとにかく必死。がむしゃらにもがきましたよ。3番手から突き抜けたし、最後も伸びていたし、脚はいいんじゃないですか」
 後手を踏んで後方に置かれた篠原忍は3着に食い込むもレース後は反省しきり。
 「高城さんはギアを一枚下げていたので中団狙いだと思っていたのに、斬られたのが誤算でしたね。普段なら後方に沈むパターンで最後は3着まで巻き返せているのだから脚自体は悪くないけど、後ろの人には迷惑を掛ける競走になってしまいました」
 豪快にカマした坂木田雄介は末を欠き6着。
 「雨やマシントラブルで直前の調整メニューが狂ったことで、今日は調子がイマイチでしたね。本来なら3着までには粘れる競走だった。レース勘や仕掛けのタイミングはドンピシャだったから見せ場は作れたけど、持久力が足りなかった。でも、今日これだけモガけば明日はきっと今日より良くなるはず。勝ち上がりのチャンスは残った訳だし、明日はもっと頑張りたいね」


<8R>
中村敏之輔選手
中村敏之輔選手
   最終バック7番手の中村敏之輔(写真)が先まくりの佐藤亙のさらにその外をまくり、直線で大外を突き抜けた。
 「四日市バンクの直線の長さに助けられましたね。本当は打鐘の4角から仕掛けようと思っていたけど、逆にそこで仕掛けたら志村さんのスピードに合ってしまっていたと思う。先まくりの佐藤さんが、止めずに結構踏んでくれたことで、良いスピードに乗れました。気温が上がったことで、周回中から身体は軽く感じましたね」
 佐藤の番手から抜け出した松岡彰洋だったが、中村の強襲に屈し2着まで。
 「ギアを掛けているぶん、道中は余裕があったんだけどね。理想としては、前ともう少し車間を空けて詰める勢いで直線を踏みたかったけどね。3角で車間がつまりバックを踏んだぶんスピードが落ち、最後は中村君にやられてしまったね」


<9R>
園田匠選手
園田匠選手
   最終ホームからカマし先行に出た木暮安由に対し、いったん車を下げた安東宏高が最終バックで巻き返すと、スピードをもらった番手の園田匠(写真)が鋭脚を炸裂。直線で前団をまとめて抜き去り1着。失格欠場に終わった高松宮記念杯のうっ憤を晴らした。
 「安東君はいったん山口(幸二)さんに競り負けているのに、良くそこから立て直して、すかさず仕掛けてくれた。僕は必死に付いていったけど、おかげで良いスピードがもらえました。ずっと流れが悪かったので、この1着は良いきっかけになりそう。最近は同門の小川(勇介)君が調子良いし、刺激になっている。僕も負けてられないし、良い所が見せられましたね」
 カマした木暮安由も3着に粘り、納得の表情でレースを振り返る。
 「打鐘で安東さんが永井さんの後ろで粘ってくれたことで、僕もカマしやすい展開になりました。先頭に出切ってからは、すかさずペースに持ち込み、いいペースで駆けられましたね。最後は少しタレたけど、こういうメンバーの中で先行を見せられたことは、良いアピールにもなったはずです」
 2着には木暮後位から抜け出した飯嶋則之が入線した。
 「木暮が出切ったあとは、内で永井に粘られたけど、そこまで気にならなかったし、うまく対処できた。疲れが心配だったけど、特に問題はなさそうですね。それにしても木暮はいつも本当に良いレースをしてくれるね」
 木暮のカマしに、内で粘った永井清史だったが最後は力尽きシンガリに沈む。
 「木暮は出切った後、一気にペースを落としたからきつかった。おかげで僕もバックを踏みっぱなしでしたから…。もっと前に踏んでくれれば、僕もすんなり下げて巻き返せたんですけどね。状態は良いだけに悔しいですね」


<10R>
五十嵐力選手
五十嵐力選手
   先行した柴崎淳に対し、最終バック7番手から巻き返した五十嵐力(写真)がまくり快勝。優秀競走へと駒を進めた。
 「伊藤(保文)さんが先まくりを打ってくれたので助かった。そこを目がけて踏み上げました。バックが追い風で、柴崎君もスピードに乗ってしまい、なかなか車間が詰まらなかったけど、逆にホームの向かい風で前が止まってくれました。結果的に良いタイミングで仕掛けられたのが勝因ですね」
 3連覇の懸かった柴崎淳は打鐘から果敢な先行策に出るも、直線でタレて4着まで。
 「藤木さん、伊藤さんまでは対処できたけど、さすがに五十嵐さんまでは厳しかったですね。でも、実は去年も初日は飛んで、優秀には乗れていないんですよ。全く同じ流れだし、踏んだ感触は去年よりも良い感じです」
 2着に食い込んだ加藤慎平もレース後は悔しさを滲ませる。
 「あれだけ近畿勢とやりあった後に、五十嵐君にあのタイミングでまくり追い込みで来られてはさすがに止められない。(柴崎)淳と一緒に優秀に行きたかったけどね」
 五十嵐マークの渡邉晴智が1/4車輪差で柴崎を制し3着に食い込んだ。
 「僕は五十嵐に付いていっただけで、追走一杯。今日も厳しいレースだったけど、宮杯に続き、良い流れできているね。それにしても3着と4着の差は大きい。優秀競走に進めたことは価値がありますね」


<11R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手 柴崎俊光選手
柴崎俊光選手
   伏見俊昭を連れた五日市誠が打鐘とともに全開で飛び出すと、中団確保の松岡貴久(写真)が最終バックから仕掛け、上がり10.8の好ラップで鮮やかにまくり切った。
 「大塚さんにも好きに走れって言われていたけど、流れに乗ってうまく中団が取れました。あとは小嶋さんの仕掛けのタイミングに合わせて仕掛けました。伏見さんのブロックを受けずすんなり走れたことも大きかった。今日は脚をきれいに回せていたし、バンクも軽く感じましたよ」
 柴崎俊光(写真)は前の小嶋敬二がまくり不発と見るや、すかさず九州勢にスイッチ。直線怒涛の追い込みで、大塚を交わし2着入線と地元ファンの前で好気合を見せた。
 「ずっとここに向けてやってきていたし、地元戦はやっぱり気合が入りますね。小嶋さんが大塚さんのブロックを受けて外に浮いたのをみた途端に、身体が勝手に反応した感じです。最後も良く伸びたし、何より今日の展開で、最後に大塚さんを抜けたことは何よりも自信になりますよ」
 柴崎に屈した大塚健一郎は反省しきりだ。
 「松岡もサラ脚からの仕掛けだったから、抜くのは厳しいかなと思っていたけど、抜けないのはともかくとして、後ろに食われてはいかんね。柴崎君が来ているのはまったく気付かなかったけど、最後はすごい勢いで来たね。あれは強いよ」
 松岡に合わされ、まくり不発に終わった小嶋敬二は淡々とレースを振り返る。
 「突っ張り先行も考えていたけど、五日市君がすごい勢いで来たから車を下げた。最後も、松岡のまくりに伏見がブロックしていれば僕の展開になったのかもしれないけどね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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