『四日市競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:6月20日


 四日市競輪開設59周年記念「泗水杯争奪戦(G3)」も二日目を向かえ、準決勝進出を掛けた二次予選が行われました。また、メーンの優秀競走「フォーリンカップ」は、大塚健一郎が直線で加藤慎平に踏み勝ち制した。
  なお、明日(21日)も四日市記念クオカードが当たるスピードくじが先着入場1200名様に配布されるほか、選手会三重支部主催の競輪クイズ(6レース発売中)や、「LOVE9」によるステージ(5、8レース発売中)などもございますので、ぜひ、こちらのほうもお楽しみに。

<5R>
朝倉佳弘選手
朝倉佳弘選手
   追い上げ策が功を奏し、先行した坂木田雄介の番手にピタリとハマった朝倉佳弘(写真)が直線で抜け出し準決A一番乗りを決めた。
  「最初からハコ狙いだった訳ではないけど、飯尾さんが口を空けていたところに、うまく入れました。『最悪、先行でも』くらいの覚悟で前々に攻めたことが良い結果を生みましたね。最近はずっと流れが悪かったからこの1勝がきっかけになってくれれば。準決AはG1クラスの選手がゾロゾロいるけど、なんとかその間に割って入って、自信を付けたいですね」
  逃げた坂木田雄介はゴール寸前で4着に沈み、準決進出を逃した。
  「本当はスタートで前を取って、引ききってからカマすつもりだったけど、初手で3番手となり逆に動き辛くなってしまった。朝倉君の追い上げにも過敏に反応しすぎたのかな。せっかく1,2着を狙えそうなメンバーだったし、今日は昨日よりも断然身体が動いていただけに残念ですね」


<6R>
志村太賀選手
志村太賀選手
   中団確保からまくった志村太賀(写真)が圧巻のスピードで前団をひとまくり。後続を5車身千切る圧勝で格の違いを見せつけた。
  「自分が一番得意な展開に持ち込めたし、思い通りのレースができた。倉岡さんと中団争いになると思っていたけど、向こうがすぐに諦めてくれたし、サラ脚から自分の思い通りのタイミングで仕掛けることができました。まだ、踏み出しで、体幹に若干のズレはあるけど、たまには記念の決勝にも乗りたいですし、明日も頑張りますよ」
  片寄ラインの4番手から直線で鋭く追い込んだ藤田昌宏が2着に食い込んだ。
  「脚には余裕があったし、直線でも最後まで踏み切れていた。前回の取手記念で落車があったけど、その後、競走間隔が空いて3週間しっかり治療に専念できたことが逆に良かったのかな。決して脚が仕上がっている感じではないけど、ベダリングはしっくりきている分、最後も伸びました。ただ、最後に前を任せた(近藤)修康さんと踏むコースが被ってしまい、申し訳ないことをしましたね」


<7R>
佐藤瓦選手
佐藤瓦選手
   ライン2車の赤井学が最終ホームから飛び出す展開となったが、まくりに回った佐藤瓦(写真)が後方から巻き返すと最終4角で先頭に踊り出て、直線もしぶとく粘って押し切った。
  「後ろは競りだったけど、(鈴木)幸紀さんが『俺がなんとかするから気にせず好きに走れ』と言ってくれていたし、自分の好きなようにリラックスして走れた。本当はカマし先行を考えていたけど、赤井さんが先に行ってしまったので、割り切ってまくりに構えました。昨日は地元勢が後ろに二人付いたことでメチャクチャ緊張したけど、今日は落ち着いてレースが見えていたし、動きも悪くはないですよ」
  3着には赤井学の番手から抜け出した亀井雅斗が食い込んだ。
  「作戦は前を取ってからのイン粘りだったので、まさか赤井さんが先行してくれるとは。びっくりですよ。赤井さんも全開で飛び出して、後ろと車間が開いた分、まくりもすごいスピードで来られてしまった。ライン2車だし、あれは止めようがないですね。ただ、僕も連日、先行のハコ回りと展開は抜群だし、感覚的にも日に日に上向いてはきてますよ」


<8R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   小嶋敬二(写真)のパワー溢れるまくりが炸裂! 先行した篠原ラインを最終バックから瞬く間に飲み込むと、そのまま押し切る圧勝劇で準決Aへと勝ち上がった。
  「篠原君の先行はわかっていたけど、五日市君がどう動くかが、最後まで分からなかった。先に叩いて斬ってくれればその上をカマすつもりだったけど、動かなかったので打鐘でも内に行くしかありませんでしたね。今日はきれいにまくれたけど、明日はメンバーももっと強力になるので、もう一度気を引き締め直さないとですね」
  五日市誠は小嶋敬二の番手を奪取。小嶋に続きまくり追い込み気味に2着入線を果たした。
  「本当は打鐘で叩きに行くつもりだったけど、出切れなさそうだったのでやめたら、小嶋さんの後ろが離れていたので、すかさず降りました。すんなり番手に入れたのが大きかったし、小嶋さんの後ろは安心感がありますね。最終3角もブロックを何とかしのげたし、悪くはないんじゃないですか」
  先行した篠原忍は3着に粘り準決Aへ。
  「前を斬られたところを小嶋さんに行かれたら、僕もあっという間に7、8番手なので、小嶋さん以外は誰が来ても突っ張るつもりでいました。結果的に3着に粘れたわけだし、前々に踏んだことが正解でした。今回は、デキ自体は普通だけど、今日は展開にも恵まれましたね」


<9R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   前受けの永井清史に対し、赤板で岸澤賢太が押えに行くも永井もゆずらず1周ほど併走を続けると、最終ホームで岸澤後位の伏見俊昭(写真)が自らスパート。そのまま1周全開でもがき、見事に逃げ切った。
  「結果的には岸澤君がもう少し早いタイミングで押えに行けば、突っ張られることもなかったのかな? でも結局、あの展開になってしまったので、最終ホームでは、自分で仕掛けなくてはと思っていました。あそこで行かないことには、僕の着もありませんからね。なんかチームスプリントのようなレースになってしまったけど、さすがに1周全開はきつい。最後はかなりタレましたよ」
  岸澤を突っ張りきった永井清史だが、伏見の自力策は誤算だったようだ。
  「さすがに2周半だったら、厳しいけど、その後は、岸澤君がどこから来ても突っ張るつもりでした。僕らが併走なら湊さんが仕掛けてくれると思っていたし、そうしたらその3番手に飛びつこうと思っていたんですけどね。まさか1周前から伏見さんが仕掛けるとは…。結果的には僕ももう少し踏んでペースを上げといたほうが良かったのかな」
  永井に翻弄された岸澤賢太は完敗宣言。
  「押えに行くタイミングも決して遅くはないと思っていたんですけどね。組み立てが甘かったです。併走になってからも、ペースは緩かったけど、僕が踏めば永井さんも踏むし、僕が下げれば永井さんも下げるで、全く出させてもらえなかった。技量の差を痛感させられました」
  前団がもつれ、絶好の展開かと思われた湊聖二も仕掛けが遅れ4着まで。
  「前団にピッタリくっついていった事が失敗でした。前のペースが緩むたびにバックを踏まされ、結局仕掛けるまでに脚を使ってしまった。もっと余裕を持って車間を空けておけば、良いタイミングで仕掛けられたんでしょうけど」


<10R>
山口幸二選手
山口幸二選手
   3ラインが目まぐるしく入れ替える乱戦となったが、柴崎淳が最終ホームから腹をくくって先行策に出ると別線を完封。最後は山口幸二に交わされるも2着に粘り3連覇へと夢をつなげた。
  「後ろが幸二さんだったので、何の心配もなかったし信頼して自分のレースが出来た。道中であれだけ入れ替わって脚を使ったので最後は一杯になってしまったけど、身体は反応できているし、動きも良い。明日が勝負所なのでもう一度集中しなおして頑張ります」
  1着に輝いた山口幸二(写真)は柴崎の強さを絶賛する。
  「今日の柴崎はレース勘が冴えていたね。勝負のポイントになるところでは、ことごとく身体が反応していたし、僕は安心して付いていくだけだった。あいつは調子が悪い時はここまで動くタイプではないし、今回はかなりデキが良いんじゃないですか」
  柴崎に屈した藤木裕は悔しさを隠し切れず。
  「決して本調子じゃなく、仕掛けるタイミングをひっぱっていたら、先に柴崎君に行かれてしまった。もっと強い気持ちで攻めれていれば結果は違ったのかもしれないですね。それでも6着は大きいですよ。まだ、チャンスは残せたわけだから、明日こそ思い切ったレースでアピールしていきたいですね」


<11R>
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
   九州勢が結束力を見せ付けた。最終ホームから先行した松岡貴久に対し、最終バックから柴崎俊光がまくるが、これは番手の園田匠が強烈ブロック。すると空いた内にすかさず加藤慎平が切れ込むが、これを3番手の大塚健一郎(写真)がすぐさま押し返し、そのまま踏み込んで1着に輝いた。
  「(松岡)貴久は良いスピードで駆けてくれたし、園田もしっかり仕事をしていたから、僕も前の二人に応える競走をしたかったので、何としても(加藤)慎平だけには勝たなくてはと思っていました。結果的に早く踏み込むことになったけど、今日はラインの勝利ですよ」
  内が空くやいなや、瞬時に飛び込んだ加藤慎平は大塚に屈するも2着入線を果たした。
  「今日の展開で連にからむとしたら、この戦法だけ。考えるよりも身体が勝手に反応した感じです。宮杯ではファンの皆さんに迷惑をかけたので、今日は何とか車券にからむ競走がしたかった。今回は気持ちの入ったレースができているし、状態も確実に上向いてきていますよ」
  好ブロックを見せた園田匠だが、引き上げてくるなり、内を大きく空けたことへの反省の弁が口を突く。
  「柴崎君のまくりを止めることだけに集中していたし、良いブロックが決まったことで一瞬油断しましたね。気付いたら、もう内に慎平さんと大塚さんが入ってきてました。何とか立て直して3着には入れたけど、こういうメンバー相手では一瞬の油断も許されないことを思い知らされました。これからは人の後ろを回ることも増えてくるだろうし、そういうことも学んでいかないと」
  園田のブロックに屈した柴崎俊光は9着に沈んだ。
  「今日はスンナリの展開にもかかわらず周回中から脚が溜まらず、余裕がなかった。もっと落ち着いてレースが見れていれば、園田さんのブロックも対処出来たんでしょうけどね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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