『四日市競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:6月21日


 四日市競輪開設59周年記念「泗水杯争奪戦(G3)」も今日(21日)で三日目。準決勝戦は、SS班の伏見俊昭が磐石なレースで勝ち上がったほか、地元期待の柴崎兄弟もともに優参を果たし、決勝戦では初の兄弟連係を組むことになった。
 なお、最終日となる明日(22日)も四日市記念クオカードが当たるスピードくじが先着入場1800名様に配布されるほか、伊藤克信さんによるトークショー(4、9R発売中)やLOVE9によるエキシビジョンレース(6R発売中)など、楽しいイベントが用意されていますので、是非、決勝戦も本場でご観戦されてはいかがでしょうか。


<8R>
柴崎俊光選手
柴崎俊光選手
   1着権利の狭き門をくぐり抜けたのは、柴崎俊光(写真)。最終ホームから桁違いのスピードでカマした永井清史にピッタリ付けきると、直線で鋭く抜け出し地元で記念初優参を決めた。
 「すごく緊張したけど、地元ファンの期待に応えられましたね。去年は悔しい思いをしているし、直前の壮行会でも『絶対に決勝に乗る!』と宣言していたので有言実行になって良かったです。今日は永井さんの競走があってこその結果だけど、僕も去年より、点数も脚も上がっているので明日もどうにか頑張りたいですね」
 最終ホームから一気にカマした永井清史は納得の表情でレースを振り返る。
 「今日は絶対にカマせる自信があったし、内で粘られるのも嫌だったので、初手は前攻めからと決めていました。僕も結構掛かっていたし良い感じだったけど、その分、後ろの二人も楽だったのかな。欲を言えば俊光とワンツーを決めたかったんですけどね」
 藤木裕は永井のカマしの前に為す術なく敗れ去った。
 「後ろ攻めからしっかり押えたし、自分のやるべきことをやった上での結果だから仕方ない。力負けってことですよ」


<9R>
松永晃典選手
松永晃典選手
鈴木幸紀選手
鈴木幸紀選手
   レースを制したのは松永晃典(写真)。最終バック8番手から内を突くと、直線で鋭く伸び、ゴール寸前で突き抜けた。
 「後ろになっても落ち着いてレースが見えていましたよ。前の晴智さんが、かなりの勢いで突っ込んで行ったので、僕も内に行くしかないと思い、落車覚悟で踏み込んだらきれいにコースが空きました。ゴチャ付いたところに勇気を持って突っ込めたし、久々に自分らしいレースができましたね」
 横一線に広がった2着争いは地元の鈴木幸紀(写真)が制し記念初の決勝を決めた。
 「最近は、浅井(康太)や柴崎兄弟と一緒に練習することで、自分なりには手応えをつかんでいたし、昨日のレースで地元なのに競られたことも燃える要因となりました。山本さんが強いことはわかっていたし、今日は山本さんに助けられましたね。前のレースで俊光も決勝に乗っていたし、僕も続くことができて良かったですよ」
 藤田昌宏はタイヤ差で決勝進出を逃した。
 「ゴールした瞬間は2着だと思ったんだけどね…。決勝に乗れなかったことは残念だけど、脚自体はかなり良い感触だったから明日も楽しみですよ」
 終始、内に包まれた五十嵐力は何もできぬまま9着に沈んだ。
 「初手で湊さんが中団だったから、内に包まれるのは覚悟していたけど、ホーム過ぎでは仕掛けてくれると思っていた。晴智さんもどうにかしようといろいろ動いてくれていたみたいだけど、僕自身、全くレースが見えていなくて気付かなかった。力を余らして終わったし、本当にもったいない」


<10R>
園田匠選手
園田匠選手
松岡貴久選手
松岡貴久選手
   木暮安由の先行に対し、中団に入った松岡貴久が最終バックから10秒7の快ラップでまくると直線で番手の園田匠(写真)が抜け出し1着をもぎ取った。
 「やっと流れが向いてきたね。ここに来るまではサマーナイトに向けて追い込んでいたので、状態は未知数なところもあったけど、その成果が結果となって出てくれることは素直に嬉しいです。今日もそうだけど、連日(松岡)貴久が頑張ってくれているおかげで展開にも恵まれているし、やっと僕にも流れが向いてきましたね。明日はチャンスさえあればもちろん狙っていくし、最低でも3着は死守して地元・競輪祭の権利を獲得したいですね」
 驚異的なスピードでまくった松岡貴久(写真)。体はキレにキレている。
 「木暮が良いタイミングで先行してくれたし、小嶋さんも引いてくれたことですんなり中団に入れました。仕掛けてからも、朝倉さんのヨコに並んだあたりから、徐々に掛かっていったし、その時点で3着までに残れる確信はありました。今回は3日間ともに、きれいに脚を回せているし仕上がりは良い。ただ、それだけに最後に園田さんに抜かれたことが悔しいです」
 九州ラインの3番手からレースを進めた谷津田将吾は、松岡の踏み出しにいったん離れかけながらも、懸命に前を追い3着を死守した。
 「3番手を回ることは慣れてないので、どうしてもワンテンポ反応が遅れてしまい離れてしまった。最後は関東勢の中を割って近道した分なんとか3着に届きましたよ。今回は決して調子が良いわけじゃないけど、どうにか流れに恵まれて決勝に乗ることができました」
 大きく後手を踏んだ小嶋敬二は5着に敗れ、決勝進出を逃す。
 「赤板で木暮より先に動いたことが失敗でした。結局、木暮の引き出し役になってしまったし、7番手になってからも、大きく口が空いてしまったことが痛かった。あれだけ車間が空くと、自分が先行しているのと変わりませんからね」


<11R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
柴崎淳選手

柴崎淳選手
   五日市誠が先行策に出ると、番手の伏見俊昭(写真)は大きく車間を空けて五日市を援護。最後は鋭く追い込む磐石なレースで危なげなく決勝へと勝ち上がった。
 「昨日しんどいレースをした分、今日は身体が軽かった。自分のデキも悪くないと思いますよ。ただ、できれば五日市とワンツーを決めたかったね。かなり車間を空けて援護したけど、僕もあれ以上踏みだしを遅らせたら後ろから来られてしまうし、なかなか難しいですね。明日は若い選手相手に自力の競走だけど、何とか頑張りたいですね」
 前と大きく車間が空き絶体絶命かと思われた柴崎淳(写真)だったが、ゴール寸前で五日市を捕らえ3着入線。薄氷を踏む想いで決勝へと勝ち上がるも、レース後は反省しきり。
 「篠原さんの動きが気になって、ずっと内を警戒していたら前と大きく離れてしまった。後ろの人にも迷惑かけたし、今日は全然ダメですね」
 北日本ラインからレースを進めた大塚健一郎が伏見に続き2着入線を果たした。
 「伏見さんは強かったね。僕も4角からは思いっきり交わしにいったけど抜けませんでした。それにしても今回は流れに恵まれているね。コンディション自体は徐々に上向いてきているけど、まだ、宮杯の時のデキにはもう一歩かな」
 ゴール寸前で決勝進出を逃した五日市誠も、レース内容には納得の様子。
 「考えていた展開とは違ったけど、思い切った競走はできた。欲をいえば3着までには残りたかったけど、良いアピールにはなったと思うし、これが今後に活きてくれれば。最後は必死に頑張ったけど、柴崎相手じゃ仕方ないですね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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