『東日本大震災被災地支援競輪 四日市競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:11月15日
 本日、「東日本大震災被災地支援 四日市開設60周年 泗水杯争奪戦」の最終日・決勝戦が開催されました。稲垣裕之選手の先行から番手捲りを放った村上義弘選手が優勝のゴールを駆け抜けると場内は大きな盛り上がりを見せていました。9月、10月と2ヶ月連続落車で調子を大きく崩していただけに、今回の優勝で競輪祭、グランプリに向けて大きな弾みが付いたことでしょう。魂の走りはまだまだ続きそうですね!
決勝戦 レース経過
 周回中は松坂洋平─鈴木誠、稲垣裕之─村上義弘─前田拓也─渡辺十夢、松川高大、新田祐大─伏見俊昭の並びとなる。赤板で上昇した新田を追走した稲垣が打鐘過ぎにその新田を叩いて主導権を奪取すると、ライン4車できっちり出切り、5番手に新田、7番手に松坂となり単騎の松川は最後方の9番手となってしまう。最終2コーナー過ぎから新田が捲って出るが、進みがいまいちで、バック過ぎに村上が番手捲り気味に早めに抜け出したことでそのまま後退。結局、3コーナー過ぎから強烈な捲り追い込みを見せた松坂を振り切った村上が1着ゴール。2着に松坂、3着には近畿ライン3番手を固めた前田が入線した。


村上義弘選手
村上義弘選手
 5月の豊橋に続き今年3回目の記念優勝を飾った村上義弘
「今日は4人並んでもらって、近畿の先輩、後輩、そして何より先頭で頑張ってくれた稲垣くんのおかげに尽きます。今日はバック向かい風できつくて、気温も下がったんで苦しかったと思うんですけど、ハイピッチで思い切って踏んでくれました。とりあえず初手は中団から攻められれば、それが稲垣の得意なレース運びだし、レース全体を見渡せるかなと思ったんですけど、上手く組み立ててくれましたね。早めの抜け出しは端からみればシビアに見えたかもしれないんですけど、僕自身9月・10月と連続落車してからずっと流れが良くなかったので、今日はその流れを呼び戻そうと勝ちに徹して走っていたので。それに、僕の後ろには2人も固めてくれていましたから。落車の影響で今もまだ股関節に変なひっかかりがあるんですけど、今はもう悲観的な気持ちはないし、むしろ開き直っている部分がありますね。こうやって、僕が頑張れるのも、皆さんの声援のおかげだと思いますので、これからも頑張っていこうと思います。これを弾みに、今年は頑張って日本一になります。応援よろしくお願いします」

 2着はパワー溢れる捲り追い込みを見せた松坂洋平
「緩んだらすかさず仕掛けようと思っていたんですけど、もうちょい早く仕掛ければ良かったですかね。それでも、番手が村上さんだし、合わされていた可能性もあるので、仕掛けとしては良かったのかな。踏んだ感じとしては悪くはなかったですよ。ただ、位置が位置(7番手)だったし、番手から出ていくのが村上さんですからね。さすがに突き抜けまでは難しかったかなと。それでも、2着には食い込めているし、いい結果だったんじゃないかなと思います」

 近畿ライン3番手で3着の前田拓也は悔しげな表情を見せる。
「1番やってはいけないことですよね、あの展開で3着というのは…。せめて2着はキープしないといけなかったですよね。そこは僕の力不足ですけど、前も強かったということで。まあ、ここ最近はギアを上げてから結果も出ていて、ある程度の手ごたえもつかめているので、収穫のある開催だったんじゃないかなとは思いますけどね」

 近畿ライン4番手の渡辺十夢は4着にも満足そう。
「本当にいい4番手を回れたと思います。2センターからシビアに行っても良かったのかもしれないけど、稲垣があそこまでのレースをしてくれた以上、僕は4番手の仕事をしっかりしないといけないですから、きっちり内だけは閉めておこうと。その後の直線勝負で確定板まで突っ込めなかったのは僕の力不足ですけど、近畿はしっかりまとまって走るんだというところをアピールできたと思うので、納得のいくレースが出来たんじゃないかなと」

 新田が不発となった伏見俊昭は懸命の追い込みも5着まで。
「スタートで後ろになった時点でちょっと焦ったんですけど、新田が上手く位置を取ってくれましたね。ただ、それでも前が2段駆けだとどうしても苦しくなってしまいますよね。しかも、それが村上さんともなると余計ですよ(苦笑)。こればっかりは任せた結果だから仕方ないですし、僕もこうして決勝まで来れているので、競輪祭やグランプリに向けていい弾みが付いた様な感じですね」

 単騎となった松川高大は9番手に置かれたことが響き6着。
「調子が良かっただけに一発狙ってはいたし、その分、脚を溜めよう溜めようとしすぎてあの位置(9番手)になってしまったのはもったいなかったですね。でも、すごくいい経験にはなったとは思います」

 松坂マークの鈴木誠は内に切り込むも7着。
「今日は任せた結果だから仕方ないですけど、松坂はよく届きましたね。僕としては脚にも気持ちにも余裕はあったんですけど、踏むコースがなかったですね。ただ、感じ的には悪くなかったので、またこういう舞台で走れる様に一生懸命頑張るだけですね」

 中団キープの新田祐大だったが、捲り不発の8着。
「展開的には上手くいったんですけど、踏み込んだ瞬間の反応がイマイチ良くなかったんですよね。今シリーズ通して日に日に体調も良くなってはいたんですけど、記念の決勝レベルではまだまだということになるんだと思います」

 近畿ラインの先導役という大役を務めた稲垣裕之は9着。
「自分にもチャンスがある位置から仕掛けられたと思うんですけど、松坂君に捲られてしまったのは僕の力不足。それでもラインから優勝者を出すことが出来たし、この4日間を通してという部分でも3・86のギアを試せたりもしたので、すごく内容の濃い4日間だったんじゃないかなと。本当にいい追加になりました」


ゴール
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