『四日市競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:2月2日
 四日市競輪開設61周年記念「泗水杯争奪戦」は3日目が終了。準決勝3個レースが争われました。S級S班からは、深谷知広、長塚智広の2名が順当に勝ち上がり、地元の三重からは柴崎淳が決勝へと駒を進めました。
 最終日も先着入場者1000名様にクオカード、大入袋が当たるスクラッチカードを配布します。場内では、ウルトラヒーローと遊べるウルトラミニ運動会を午前・午後に2回実施。東海情報レース展望(10:15~10:30)、決勝戦出場選手特別インタビュー(バンク内、6R発売中)、中部競輪レース展望(5R、9R発売中)、ふあふあこにゅうどう、おもしろ自転車で遊ぼうなど様々なイベントを用意しております。最終日も四日市競輪場にて、レースとともにお楽しみください。
<9R>
村上博幸選手
村上博幸選手
木暮安由選手
木暮安由選手
 金澤竜二、渡邉一成と機動型が並んだ福島勢。打鐘で福島ラインの上昇に合わせるように前に踏んだ木暮安由は番手の渡邉をドカして金澤後位をキープ。渡邉は最終2コーナーから自力で巻き返すが、木暮をマークした村上博幸(写真)のブロックで失速。村上は直線でしっかりと追い込み、まくった木暮を交わして決勝一番乗りを決めた。
 「スタートだけ自分で位置を取りに行って、あとは木暮君の動きに任せてました。前に踏みながら番手をさばいて、難しいところは全部彼がやってくれた。木暮君がまくりを出したところでのブロックだったので、怖さはあったけど、なんとかできました。自分にとってはあのまくりを交わせたことが一番大きいです」
 木暮安由(写真)は二段駆け態勢の福島勢を分断した。
 「狙った動きではなく、前に前にと自分の競走をした結果ああなった。状態が良いから併走でもなんとかなると思ってました。4倍を超える大きいギアで自分らしい競走が出せるように頑張っているところです」
 正攻法の中川誠一郎は最終ホーム過ぎで4番手の位置へすっぽり。そのまま木暮、村上の動きを追って3着で決勝戦進出を決めた。
 「前を取らされたので、木暮が粘らなければ自分が粘っていた。一成ももう一度仕掛けるだろうけど、木暮も仕掛けるだろうし、そっちへ期待した。前を取らされて、難しいレースになると思ったけど、結果的にいい展開でしたね。ガツンと踏んだのは2歩くらい。余裕を残して走れました」
 競り負けた渡邉一成は自ら巻き返すが、村上のブロック、その後は中川にも身体を当てられ伸びを欠いた。
 「金澤君にはもう少し早く行って欲しかったが、それは結果論なので。競り負けた自分が悪いです。巻き返したけど、(3コーナーで)村上さんのヒジがかかってしまい、もうそこで一杯でした」
 鈴木裕は後方に置かれ、巻き返しは4着まで。
 「打鐘で金澤君が上がって来た時に自分も踏み出せば、前のほうでもっと良い勝負が出来たと思う。今回はまだ身体に自信がないのかレースを見ちゃってる自分がいて、後手後手でだめですね。でも最後は外を踏んで前に迫れてるし、悲観するほどの状態ではないです。最終日は勝って帰れるように頑張りたい」

<10R>
長塚智広選手
長塚智広選手
新田祐大選手
新田祐大選手
 打鐘の2センターで前を叩いた新田祐大が主導権取り。後方の様子を見ながらピッチを上げていく。新田をマークした長塚智広(写真)は何度も後方を確認しながら最終3コーナーで車間を空けて後続をけん制。直線で鋭く追い込みゴール寸前で新田を捕らえた。
 「風が強くてキツかったが、新田君が強くて自分に展開が向きました」
 逃げて2着に粘った新田祐大(写真)は長塚の仕事に感謝する。
 「今日は風が強くて本当にキツかった。バックはとんでもないほどの向かい風。後ろを確認したら、長塚さんが間を空けてて、仕事をしてくれてるのが分かった。直線は全力で踏み直したけど、伸びる感じはなかったです。脚力がある長塚さんが番手だから、自分を残せてもらえた感じだと思います。自分は連日動けているし、実戦の感覚はつかめていると思います」
 3着争いは長塚に続いた齊藤努と、その直後から追い込んだ吉本卓仁の横一線の争いに。齊藤がタイヤ差の接戦を制した。
 「自分が弱くてあんな接戦になった。ゴールを通過した時は脚が一杯で4着だなと思ったけど、残れてよかったです。毎日課題が見つかって面白いですね。決勝戦も気持ちを強く持って走ります」
 吉本卓仁は齊藤との接戦に涙を飲んだ。
 「ダメ元でまくっても良かったのかな。でも新田がもの凄くカカってて、番手も長塚さんだし、追い込みに絞った。1車も拾えないのはダメですね」

<11R>
深谷知広選手
深谷知広選手
柴崎淳選手
柴崎淳選手
 細切れ戦となったが、最終的に新田康仁がカマシ先行で主導権を奪う。その動きを追った深谷知広(写真)は、空いた4番手の位置で一度脚を休め、2コーナーから再度踏み込む。3コーナーで新田を捕らえるとその先は深谷マークの柴崎淳と二人で後続を離し、ゴール線を駆け抜けた。
 「(4番手の位置が)空いてなかったら展開はキツかったと思います。少し休んで態勢を整えられた。今日は踏み出した感じがもの凄く良かったし、4.08倍のギアもマッチしてきた感じがします。今回は先行、まくりをレースで試せたし、追加を受けて良かった。あと1レース(決勝が)残ってるし、しっかり走り切るだけです」
 柴崎淳(写真)は深谷をぴったりと追走。地元から唯一決勝戦へと勝ち上がった。
 「(深谷の仕掛けは)バイクですよ。強すぎるし、あいつのケツだけ見て集中してました。バックの風も強くて、あのタイミングでよく行けるなと思いました。決勝も、もちろん付いていきますが、あれを抜くのは難しいですね」
 3着は新田康仁後位から直線で追い込んだ齋藤登志信が入線。
 「連日、前を回った人が頑張ってくれてます。レースに来る前は不安もあったけど、気持ちを引き締めて走れてますね。決勝に乗れたし良い流れをつかめてると思います」
 守谷陽介は力量の差を痛感して悔しい表情。
 「深谷君は下げて後方と思ったけどすぐに巻き返すんだから本当に強い。自分は内に詰まった感じでなにも出番がなかったです」
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