『四日市競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:2月3日
 四日市競輪開設61周年記念「泗水杯争奪戦」は2月3日に最終日を迎えた。S級S班からは深谷知広、長塚智広の2名が、地元からは柴崎淳が勝ち上がりを決め、シリーズのベストナインによる決勝戦が争われました。
決勝戦 レース経過
 号砲で中川誠一郎、新田祐大が飛び出し、新田が正攻法を確保。新田-齋藤登志信-長塚智広-齊藤努-木暮安由-中川-深谷知広-柴崎淳-村上博幸の並びで周回を重ねる。
 赤板ホームから上昇を始めた深谷が打鐘前に誘導員を下ろすと、3番手から合わせて踏んだ長塚の狙いは深谷の番手。あっさりと柴崎を下ろすと単独の3番手を確保していた村上は柴崎を再度前に迎え入れる。打鐘で長塚との連結を外した齊藤努は木暮を飛ばして5番手に。最終ホームから深谷がペースを上げるが、そこに8番手から新田が襲いかかる。新田は番手の齋藤登が離れるほどのダッシュで一気にトップスピードに乗せると、グングン加速。長塚の対処も遅れ、バックで出切った新田はそのまま後続を千切る。長塚は懸命に前を追ったが追いつくのが精一杯で、会心のまくりを決めた新田が嬉しい記念初優勝を飾る。長塚に続いた柴崎後位から伸びた村上が3着争いを制した。


新田祐大選手
新田祐大選手
 新田祐大(写真)が記念競輪で初優勝。喜びがあふれて、レース後は「初ですよ」の言葉を何度も何度も繰り返し、その勝利を喜んだ。レースは深谷知広の番手で長塚智広が粘り番手の位置を奪取。深谷はピッチを上げていくと、後方8番手の位置に控えていた新田が最終ホームから一気に踏み出す。最終バックで前に出た新田へ長塚が切り替えて追走するも、その差は詰まらなかった。
 「突っ張ることも考えたけど、深谷が思い切り来てる感じだったので引きました。今回は先行でもまくりでもどっちでも良いと思っていたし、力を出し切った上で勝ちたいと思ってました。記念は、なかなか縁がなくて、ずっと獲れないのかなとも思ってましたが、今回はいろいろなことが重なって決勝の舞台に立つことができて、自分の優勝につながったと思います」
 この後は全日本選抜(G1)へ参加し、その後はトラック世界選手権へと派遣される。
 「競技のほうも、自己ベストをどんどん出していって結果を求めたいと思ってます。それが競輪にもつながってくると思う。競輪での今年の目標はG1を獲ってGPに出ること。まだ1年は始まったばかりだけど少しだけ前に進めたと思います」

 周回中は新田ラインを追走した長塚智広は、深谷の番手を奪う。その後はまくった新田へと切り替えたが差は縮まらなかった。
 「(新田が)突っ張るならそのまま追走だったけど、自分も引けないところ。新田君も(上がりタイムは)11秒2で自分も同じタイム。詰まらなかったですね」

 3着争いは長塚の仕掛けを追った柴崎淳と、柴崎マークの村上博幸とで大接戦に。村上が柴崎を4分の1車輪交わして確定板入りを果たした。
 「3番手はあまり回らないけど、柴崎君の地元だし、いつも頑張ってくれてるので。まずはラインを大事に(ドカされた柴崎を)向かえ入れて直線勝負でした。自分なりに仕事は出来た方だと思います」

 逃げた深谷知広は最終3コーナーで力尽き、9着まで沈んだ。
 「粘られないように出たつもりだったけど、レースを見すぎてしまった。風が強くて、4日目だとキツい、持たないですね。バックの向かい風で自分のスピードは止まってしまったし、新田さんのスピードが違いすぎました。手応えはつかめた開催だったし、全日本選抜にはつながると思います」

 同じ関東の長塚智広とは別線で挑んだ木暮安由。最終ホームで齊藤努のけん制をまともに喰らって車体故障、ハンドルがゆがみ力を出し切れずに終わった。
 「ああなったら落車しなかった事だけでも良しとしないと。次はG1で中3日しかないですからね。今回の3日目までは良い感じだったし、切り替えて松山に向かいます」

ゴール
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