『四日市競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:2月18日
 四日市競輪開設62周年記念「泗水杯争奪戦」が2月15~18日の日程で開催された。優勝は浅井康太。全日本選抜決勝の落車を仲間のアシストもあって乗り越え、無傷の4連勝で地元、四日市記念を初制覇した。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴るといち早く山田敦也が飛び出して誘導の後ろを取る。初周は飯野祐太―山田、柴崎淳―浅井康太―金子貴志―大竹慎吾、矢野昌彦―藤田竜矢―朝倉佳弘の順で並んだ。
 周回が進み、青板周回の2センターから矢野が上昇し、柴崎の外で蓋をする。そのままの隊列で進み、前の飯野が誘導との車間を斬ったところでペースが落ちると矢野が踏み込み、先頭に出た所で打鐘が入る。矢野はそのままペースを上げて主導権を握ると、中団に飯野が入り、柴崎は6番手となった。矢野が一本棒にして逃げる一方、柴崎はホームから一気にスパートする。柴崎がグングン迫ってくると、藤田は車間を詰める勢いで番手まくりを試みたが、柴崎の勢いが優り出切られてしまった。藤田は懸命に前に踏むも、外には浅井がいて踏み場なし。飯野も仕掛け所なく終わる。4コーナーに入ると、浅井が早めに追い込んで完全優勝。続いた金子がきっちりマークして2着となり、藤田の後ろから朝倉が追い込んで3着。


浅井康太選手
浅井康太選手
 全日本選抜から中1日の強行軍。さらに決勝戦では落車のアクシデントも。浅井康太にとっては、不安材料ばかりで迎えた地元記念参戦だった。落車でフレームも壊れ、急きょ新車を投入したが、初日の1着にも浮かない表情。しかし、2日目のまくりから気配で自信を取り戻した。無傷の3連勝で決勝に勝ち上がると、決勝は柴崎淳が関東勢と真っ向勝負を挑む。乗った浅井は迷わず踏み込み、地元記念初優勝。「ホッとしました」。安どの表情で決勝戦、そして4日間のシリーズを振り返る。
 「前回、落車の不安に自転車も。不安材料があったのでどうかな? と思ったけど、後輩の頑張りで。金子さんが後ろを固めると言ってくれたし、それにもしっかり応えないとと思ってたし、今回金子さんの前で走れて自信にもつながった。勉強になりました」
 落車で満足にハンドルも握れない状態だったが、「その分、肩の荷がおりた。リラックスできる」とプラスに考えた。満身創痍で勝ち取った優勝は浅井をさらに成長させるだろう。全日本選抜で優出、地元記念制覇と流れは良好だが、3月は再びあっせんが止まる。「今年はこれなら出来すぎ。3月も1月同様しっかり練習して。また4月、新年度からもう1回勝負できるのが楽しみ。次はG1、G2ですね」。1カ月の充電期間を経て4月から。浅井が今年2度目のスタートダッシュを決める。

 金子貴志が2着に続いて、2車単1.8倍というファンの期待に応えた。
 「普段は見ないけど今日はオッズを見ました。逆に集中できましたね。あんだけ淳が頑張ってたし、浅井も残してる。僕も浮かされないように外に差して回ってました。けっこうかかってたと思うし、淳はよく行きましたね。後ろに大竹さんがいたのも大きかったです」

 藤田竜矢の後ろから直線伸びた朝倉佳弘が3着に入った。
 「矢野(昌彦)君もかかってたし、藤田も出て行ったけど、浅井が強かったですね。打鐘で飯野(祐太)に踏まされたし、あれじゃ矢野も厳しい。僕の状態はまだまだなので、連日ラインのおかげです。これで競輪祭に行けるし、それまでにはもうちょい戻しておきたい」

 浅井、金子のワンツーは柴崎淳の頑張りがあってこそ。全開で逃げる矢野昌彦を力ずくで飲み込んだ。
 「(矢野は)流さないなと思ったし、(藤田に番手から)出られたらキツいなと思ってたらやっぱり出てきた。でも、後ろが優勝してくれてよかったです。今日は後ろを信頼してたし、変なプレッシャーもなかった」

 中部4番手を選んだ大竹慎吾は「2センターでバックを踏んだ瞬間に朝倉に入られた。あの踏み出しに4.42でもいけるのが分かったので、それだけでも」と4着の結果にもサバサバした表情。

 矢野の頑張りに応えられなかった藤田竜矢は「気持ちは伝わってきたけど、勢いがよすぎた。気配は感じたけど、出なかったっすね、何か…。しょうがない」とレースを振り返った。
ゴール
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