『四日市競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:2月22日
 四日市競輪場開設63周年記念「泗水杯争奪戦」の2日目は前半戦から落車、失格が相次ぐなど波乱の1日となった。二次予選でも高配当が連発したが、最終レースの「フォーリンカップ」は平原康多が人気に応えて快勝。シリーズ連勝を飾った。明日はいよいよ準決勝3番勝負。ベストナインの座を巡って激戦が繰り広げられる。
 明日3日目もガールズケイリン、中村由香里選手のトークショーをはじめ、競輪小僧のお笑いレース展望、井上茂徳氏の予想会などイベントは満載。ぜひ四日市競輪場でお楽しみください。
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荒澤貴史選手
荒澤貴史選手
 二次予選最初のレースを制したのは荒澤貴史(写真)だ。目標の高橋陽介が内に包まれる展開。最終3コーナーから外を踏み上げ、鮮やかに突き抜けた。
 「(高橋)陽介はちょっと残念でした。もう外を踏み上げていかないと届かないと思って無心で行きました。あれはロング差しですね。直線が長いので何とか届きました。四日市はやっぱりいいですね」
 先行は片寄雄己。番手回りを生かした内藤秀久が2着に入った。
 「あまりいい勝ち上がりではないですね。片寄さんがあれだけ行ってくれたのに、反省点しかない。感触は悪くないけど、あとは自分の技量不足ですね」
 南関ライン3番手の近藤俊明が3着に流れ込んだ。
 「前を信頼して付いていくだけでした。道中は楽でしたね。外に4番(藤田勝也)がへばり付いていたので、最後は外を踏めなかったですね。中にいくしかなかった。勝ち上がれて良かったです」

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大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
 竹田慎一が打鐘前から一気に仕掛けて先行態勢に。斬って中団に入った北津留翼は7番手から巻き返してきた永澤剛に合わせて、最終ホームからスパート。これに乗った大塚健一郎(写真)が直線で鋭く追い込んだ。
 「(北津留)翼が頑張ってくれたし、一緒に勝ち上がりたかった。もっと車間を切らないとダメですね。ちょっと焦っているのかな。セッティングはまだ換えます」
 うまく3番手に追い上げる形になった永澤剛が2着に続いた。
 「7番手になってしまったので、いけるところまでと思って踏んだら3番手に入れました。そこからずっと緩むところがなくて仕掛けられなかった。番手が大塚さんですからね。3コーナーで仕掛けても持ってこられそうだし、怖くて行けなかった」
 最終2コーナーで永澤の後位に切り替えた地元の柴崎俊光が3着に食い込んだ。
 「竹田さんが前で頑張ってくれたおかげです。本当は大塚さんの後ろに行きたかったけど、永澤の動きが誤算でしたね。びったり付いてきていたので、行けなかった。展開上、4番手にスイッチしただけ。まずは準決勝に乗れてホッとしています」

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坂口晃輔選手
坂口晃輔選手
 打鐘先行の矢口啓一郎に吉田敏洋が後方から早めの巻き返しで襲いかかる。あっさり前団を飲み込んだ吉田を地元の坂口晃輔(写真)が鋭く差し切った。
 「連日、前の選手に駆けてもらって、ありがたいです。吉田さんのおかげ。その一言に尽きますね。無理やり行ってくれた感じだったし、本当に強かったです。バックぐらいから落ち着いて、後ろを確認したんですけど、最後は(中川貴徳に)合わせて踏んでしまった。ゴールの距離まで計算して、ぴったり差せれば良かったんですけどね。疲れは取れてきているし、雨の割に重たく感じなかった。明日は気負わずに、(通算)100勝を狙っていきます」
 最終バックで3番手にスイッチした中川貴徳が2着に入った。
 「矢口さんの先行は作戦どおりでした。吉田さんの仕掛けが早くて、駆ける前に行かれてしまった感じですね。申しわけなかったんですが、切り替えさせてもらいました。そこから余裕もあったし、伸びたと思います」
 吉田敏洋は3着の結果にも確かな手応えをつかんだ。
 「今回は2日間、駆けているし、筋肉痛です。でも、最近はいい仕掛けができていますね。仕掛けるべきところでしっかり仕掛けられている」

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西岡正一選手
西岡正一選手
 伏兵の高橋雅之が後方から直線一気の追い込み勝ち。3連単55万円台の大穴配当を演出した。
 「最近になって急に感じが良くなって、昨日も今日もいい感じで走れました。岡田(征陽)さんは強いので、3番手でチャンスはあると思ってました。レースは見えていたし、コースも空いてくれました。よく伸びたと思います」
 筒井裕哉のまくりに乗った西岡正一(写真)が大外を伸びて2着に。
 「筒井君がよく行ってくれました。あの展開だといつも内にいって失敗するんですけど、感じも良かったので外を踏んで、いい感じで伸びました。全日本選抜のあとに調子もいいので練習したんですが、それが良かったですね」
 前受けから突っ張り気味に踏んで大西祐の番手を奪った岡田征陽が3着で準決勝に進出した。
 「突っ張るつもりで踏めば何とかなると思ってました。(高橋)大作さんと一緒に勝ち上がれなかったのは残念ですね」

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香川雄介選手
香川雄介選手
 打鐘で前に出た守澤太志がピッチを緩めたところを菅原晃が叩いて先行。絶好の番手回りとなった香川雄介(写真)が粘る菅原をゴール寸前で捕らえた。
 「菅原君は自信がないと言っていたのに、すごい強かったです。さすがですね。きつかったし、抜けるとは思わなかった。直線の長い四日市じゃなかったら差せなかったですね」
 菅原晃は先行策で2着。復調のきっかけをつかんだ。
 「中団、中団のつもりだったけど、前がバックを踏んだので出ました。あそこで仕掛ける勇気が出ただけでも大きい。こういうレースができればね。初日からフレームを換えたのが正解でした」
 守澤太志に割り込まれて前との連結を外してしまった立花成泰だが、4番手から差し返して3着をキープした。
 「3車併走になったところをしのげたのは大きかったけど、しっかり付け切らないとダメですね。バックからは前(守澤)を抜くことだけを考えていました。何とか3着に入れて良かったです。感触はいいですね」

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坂本英一選手
坂本英一選手
 坂本英一(写真)がベテランの味を発揮した。激しいレースとなったが、巧みなコース取りから鮮やかに突き抜けた。
 「恵まれました。やっと競輪になってきましたね。これで前回の成績もマグレじゃないと証明できました。もう必死で誰がどこにいるかもよく分からなかった。狭いコースに無理やり入って、誰も当たるなって思っていたけど、自分から当たってしまいました」
 人気の桐山敬太郎は2着。阿部大樹にまくられてしまったが、番手から差し返した。
 「後ろ攻めになって先行するつもりでした。出られてしまったけど、最後は抜き返しましたから。疲れは大丈夫です」
 阿部のまくりを追えなかった稲村好将だが、桐山後位に切り替えて3着を確保した。
 「阿部君と桐山君でもがき合いになって、口が空いてしまった。そのあとは桐山君の後ろをさばきにいったけど、阿部君には本当に申しわけないことをしてしまった。あんなに頑張ってくれたのに、番手がしっかりしないとダメですね」

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平原康多選手
平原康多選手
 優秀競走「フォーリンカップ」は人気の平原康多(写真)が快勝。目標の神山拓弥は単騎の黒田淳を叩けなかったが、黒田後位に切り替えると、最終3コーナーからの番手まくりで連勝を飾った。
 「(神山)拓弥の動きを見極めて、落ち着いて走れました。仕掛けは遅かったんですけど苦しかったですよ。武田(豊樹)さんとワンツーが決まって良かった。連日、展開がいいですね。気を抜かずダービーにつながるような走りをしたい」
 武田豊樹は浅井康太に激しくからまれながらも平原後位を死守して2着に続いた。
 「3番手は難しいけど、自分の持ち場は守らないとね。離れないように必死で付いていきました。動けているし、コンディションは悪くない」
 後方からまくった川村晃司は平原に合わされて不発。村上博幸は武田後位に俊敏に切り替えて3着に。
 「川村さんはいいスピードだったけど、あの上を行くのはさすがに厳しいですね。流れは見えていたし、余裕はありました。今回は疲れを抜いてきたので、自分自身の感触は悪くないですね」
 単騎の浅井康太は打鐘で最後方からスパート。神山に合わされると、武田のところに降りようとしたが、さばかれてしまった。
 「とりあえず前に出ようと思って仕掛けました。ラインがあれば、あのまま出て先行しても良かったんですけどね。平原さんのところで勝負しても自分で出ていかないといけないし、武田さんのところに行ったけど、押し込めなかったですね」
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