『四日市競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:8月2日
 四日市競輪開設64周年記念「泗水杯争奪戦」が7月30~8月2日の日程で開催された。決勝戦は2段駆け態勢の東日本ラインを前受けの村上義弘が突っ張ると、地元コンビに絶好の流れに。柴崎淳が中村一将のけん制をしのいでまくり切ると、続いた浅井康太がゴール前で逆転。7月前橋に続く記念優勝を飾ると同時に地元記念3連覇を決めた。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると村上義弘が一番に出てSを取った。初手は村上―中村一将、柴崎淳―浅井康太、柏野智典、近藤隆司―小埜正義―佐藤慎太郎―大森慶一の順で並んだ。
 周回が進み、近藤が早くから車間を斬ってカマすタイミングをうかがい、打鐘目掛けて一気に踏み込む。しかし、村上は出させない。誘導との車間を空けていた村上は、詰める勢いで一気にペースを上げてそのまま先行態勢に入った。叩けずと見るや、小埜は柏野の後ろに入り直す。最終ホームを過ぎ、近藤は柴崎の横で力尽きる。すると、今度は2角手前から柴崎がスパート。中村に上手く波を作られたが、柴崎はしぶとく前に迫る。最終バックで浅井はまくってきた小野をしっかり止めて柴崎を追走。柴崎が2センターで村上を捕らえると、最後の直線で浅井が余裕を持って追い込み、地元記念3連覇を達成した。柴崎は2着となり、内のコースを踏んだ柏野が3着に入る。


浅井康太選手
浅井康太選手
 「兄弟弟子としてまた絆が深まった」。柴崎淳とワンツーを決めた決勝戦を浅井康太(写真)はこう振り返る。近藤隆司をドカして柴崎がまくり上げると、「上手いことさばいたでしょ」と浅井は小埜正義の巻き返しを張りながら追走。ゴール前で柴崎をとらえて、地元記念3連覇を飾った。
 「(北日本の2段駆けに敗れた去年の)岐阜記念のときがあるんで村上さんは突っ張る可能性があるなと思ってた。そのおかげで僕らが浮上しましたね。あとは柏野(智典)さんの入りが。『内空くなよ』と思いながら外を踏みました。緊張したけど何とかワンツーでよかった」
 表彰式後には地元選手に胴上げで祝福されたが、本当に胴上げしてもらいたいのはG1の舞台。「僕はまだまだ脇役。成績をしっかり残して、最後は主役になれるように。これからもG1、GPで活躍できるようにやるだけですね」。この勢いをそのままに後半戦は浅井が競輪界の主役に躍り出る。

 浅井の優勝は柴崎淳の活躍があってこそ。中村のけん制を受けながらも意地で前団を飲み込んだ。
 「かぶったら終わるんで、かぶる前に行こうと思っただけ。タイミングもバッチリじゃなかったです。僕は僕でまくり切らんと意味がないんで必死でした。優勝とか考えてなかったけど、浅井さんはほんと強いっす」

 柏野智典は直感で地元ラインの後ろを選んだのが正解だった。
 「位置は考えてなかったんですけどね。村上さんの後ろも考えたけど、ここのほうがいいのかなと。そこは正解でしたね。でも3コーナーからが甘かった。ダメですね」

 まくり上げた小埜が浅井に飛ばされるとすかさず浅井後位にスイッチした佐藤慎太郎だったが4着まで。
 「(近藤の仕掛けが)ちょっと遅かったね。浅井の1回目(のけん制)で入ればよかったんだよなぁ。そしたら3着はあったね」

 小埜正義はバック手前から自力に転じて見せ場を作ったが、浅井から強烈なブロックをもらって失速した。
 「自力でも戦える手応えがあったから、もし前がダメでもなんとかなると思ったんですけど。浅井君のブロックが完璧で、完全にやられました。なかなか獲れないですね(苦笑)。また練習して出直してきます」

 村上の番手で懸命に仕事をした中村一将だったが、まくりを止めることができず。悔しそうにレースを振り返った。
 「村上さんがせっかく先行してくださったのに、応えることができなかった。自分の力のなさをとにかく感じました」


ゴール
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