『被災地支援競輪四日市競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:2月25日
 四日市競輪場を舞台に、平成28年熊本地震被災地支援・開設65周年記念「泗水杯争奪戦(G3)」が2月25日に開幕した。今シリーズは生きのいい機動型が多く参戦して、オープニングからスピードレースが展開された。メーンの特選3個レースは坂口晃輔、浅井康太、和田圭が勝ち名乗り。26日の2日目は優秀「フォーリンカップ」をメーンに、二次予選6個レースで準決勝への勝ち上がりを争う。
 開催を通して本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。2日目は、キックバイク体験試乗会(10:00頃~16:00頃まで、北広場にて)や、「ドラゴンゲート」によるプロレスステージ(1回目11:46頃~、2回目14:12頃~、3回目15:20頃~、ドリームステージにて)などのイベントを予定しております。2日目も、「泗水杯争奪戦(G3)」をぜひ本場でお楽しみください。
<1R>
川崎健次選手
川崎健次選手
 赤板で上昇した北川大五郎が、伊早坂駿一にフタをしてから打鐘で飛び出す。すかさず巻き返した伊早坂だが、勢いはいまひとつ。伊早坂を張りながら最終ホーム過ぎに仕掛けた大西祐が、逃げる北川をまくって最終バックを先頭で通過する。川崎健次(写真)は四国勢の仕掛けに乗ると、直線で鋭く突き抜けた。
 「(須賀和彦が離れたから)伊早坂君に切り替えようかと思ったけど、(打鐘の)4コーナーの所で北川君のダッシュの方が良かったので。大西君も被る前に仕掛けて行きたかったんだと思います。終始楽だったし、上手く運べましたね。出口(眞浩)さんにセッティング見て貰ってから良い感じですね」
 近藤俊明が川崎に続いて神奈川ワンツー。
 「展開が向きました。須賀が降りてくると思って、そこだけしっかりしようと。最後は内へ行こうと思ったけど、外を踏んで2着に入れたし、調子はまずまずだと思う」
 初の記念参戦となった伊早坂駿一は、上位との力の差を痛感した。
 「打鐘の所で内へ差してしまって。バックを踏んでから仕掛けたので、そういう所をしっかりしないと。細かい所を一つ一つ気をつけていかないと、上では通用しないですね」

<2R>
 齋藤友幸が突っ張り気味に踏んだ廣田敦士を強引に叩いて先制。4番手に下げた廣田は、態勢を整えて最終バックからアタック。三上佳孝のけん制を乗り越えて、S級初勝利を飾った。
 「(齋藤を)合わせにいったけど、踏むのが遅かったから(出させた)。4番手に入って、(前回の)小倉の時と同じ展開になって、その時はすぐ行ったらまくれなかったので落ち着いて行きました。緊張したけど、地元ファンの声援があったので、落ち着いて走れましたね。疲れは少しずつ取れているし、ワンツーが決まって良かった」
 廣田をマークした白井一機が2着。
 「先行して、八谷(誠賢)を後方に置く作戦でした。南関勢を受けてから、廣田君が落ち着いて仕掛けてくれましたね。三上(佳孝)君の振りがすごかったけど、廣田君が強かった。自分は道中脚を使っていたけど、余裕はありました」
 後方に置かれた八谷誠賢は、最終3コーナーから仕掛けるも、3着までが精いっぱい。
 「ホームで仕掛けるタイミングはあったけど、今日はアタマを狙ってまくり勝負でどこまでやれるか決めていたので。修正すれば大丈夫な範囲です」

<3R>
武井大介選手
武井大介選手
 松坂洋平、山口智弘の順で前に出る。すると、赤板の2コーナーから踏み込んだ小林史也が打鐘の2センターで最終主導権を奪取。叩かれた山口が3番手で、松坂が5番手、丸山直樹が8番手で最終ホームを一本棒で通過。松坂は2コーナーから仕掛けると、先まくりを放った山口の上をいき前団をひと飲み。最後は続いた武井大介(写真)が直線で差し切った。
 「本当は、先行か、3番手って作戦でした。いかれたらしょうがないけど、合わせられたら、そのまま先行で。でも、2つのラインに出られてしまいましたね。洋平が力でねじ伏せてくれて良かった。車の出はよくなかったけど、良い時の馬鹿力が出てくれた。(自分は)安心してコースを見る余裕もありました」
 3着にも赤井学が続き、南関勢で上位を独占。その立役者となったのは松坂洋平だ。
 「誘導が上がってきつかったですね。(赤板の1センターで前に出た時に)脚を使ってしまって。踏み出しもよくなかったし、最後は一杯になってしまいました。(山口が)先に仕掛けてくれたので、まくりやすくなっただけです」
 果敢に先行した小林史也は山口のまくりを合わせ切るも、松坂のまくりに屈して6着。
 「力は出し切りました。良かったと思うけど、もうひと伸びですね。まだまだです」

<4R>
 打鐘で山下一輝が飛び出して先行策。中団外へと追い上げた長尾拳太が、最終ホームから巻き返して1センターで先頭に躍り出る。しかし、上原龍がすかさず反撃に出て一気に前団を飲み込んだ。
 「風がキツイし、重たいですね。中団中団で立ち回りたかったけど。結局、展開がごちゃついて、展開が向いてくれました。仕掛けやすいタイミングになったし、車の出も悪くなかった。明日からもしっかり戦います」
 尾崎剛がきっちり続いて見事ワンツー。
 「この展開をモノにしないとって思って、必死でした。結構、風が強かったですね。とりあえず2着に入れて良かったです」
 直線で内のコースを踏んだ志智俊夫が、3着に食い込んだ。
 「上手くいかなかったですね。内から来られてしまうかと思って見過ぎてしまいました」

<5R>
 金子幸央が先に斬った山本直を打鐘で押さえて先制。そのまま軽快に風を切ると、望月永悟の援護もあって後方からまくってきた本郷雄三を合わせ切る。隊列が凝縮したところで山本直が最終バックからまくるが、金子が懸命に踏み直して逃走劇を完遂した。
 「3番(山本直)がずっと来ているものだと思っていたけど、8番(本郷雄三)だったんですね。とにかく踏む事だけを考えていました。3コーナーで(別線が)止まった雰囲気があったけど、最後外からまた来たからキツかった。ただ、踏み切れる感じはあったし、最近は煮え切らないレースが多かったので力を出し切れて良かったです。練習の成果が出ましたね」
 別線の踏み合いをまくり上げた山本直だが2着まで。
 「ホームで行ければ良かったけど見てしまって…。そこは反省です。でも、その後は落ち着いて仕掛けることができました」
 本郷雄三は後方からジワジワとまくり上げたが、望月永悟のけん制を受けて不発に終わった。
 「ホームで一気に仕掛けていれば出切れていたのに…。少し欲が出てしまい、一気に行けなかった。脚自体は良いので、気持ちを切り替えて明日また頑張ります」

<6R>
内藤秀久選手
内藤秀久選手
 小笹隼人が中団の嶋津拓弥にフタをした後、打鐘で前に出る。しかし、嶋津がすぐさま巻き返して、2センターで主導権を奪取。番手の内藤秀久(写真)は後方からまくってきた古屋琢晶をブロックすると、ゴール寸前で嶋津を交わした。
 「落ち着いて仕掛けてくれたし、嶋津君のおかげです。(タイヤ差の1着だが)差せなくてもいいくらいの気持ちじゃないと、仕事もできないので。(四日市は63周年記念を優出しており)気持ちでは相性が良いと思っています。(状態は)ウエイトの感覚が残っていて、日に日に良くなっていく感じですね」
 嶋津拓弥は強気な走りで、南関ワンツーを決めた。
 「風が吹き出したし、苦しかったです。(小笹の上昇に合わせるか)迷ったけど、思い切り踏めば出られるかなと。意外とすんなり出られましたね。あとはペースで回して。内藤さんなら何とかしてくれるとも思っていました。僕がカカり切らなくて、仕事をしてもらって助かりました」

<7R>
 赤板の1センターで小川真太郎が斬ると、須永優太が打鐘前に押さえて出る。一旦中団に車を下げた小川だったが、打鐘の4コーナーから一気に巻き返して最終ホームで須永を叩く。1センターで中村一将が後方からまくり上げるも、小川のカカリが良く、4コーナーで一杯に。力強く風を切った小川が、迫る佐々木則幸を振り切って白星をつかんだ。
 「(須永に)切られるだろうなって。でも、その後にすんなり出させて貰えたし、楽に踏めました。余力を持って8割くらいの力で仕掛けられました。風がキツかったけど、バックの向かい風を乗り越えれば、4コーナーからは追い風になるって思ったので。感触は悪くないし、準決勝にいく為にも明日は負けられないですね」
 絶好の展開だった佐々木則幸は、ゴール前で詰め寄るもマークの2着。
 「恥ずかしいです。脚が無さすぎますね。ちょっと車間を空けたら自分がヤバいなって。自分の脚力を見つめ直して叩き直したいです。抜けたら100点だったけど、抜けなかったので50点。小川の踏み直しが凄かったですね」
 直線で外のコースを追い込んだ布居寛幸が4着。なんとか二次予選へ勝ち上がりを決めた。
 「打鐘の所で煽りを受けて、中村君が行けなかったですね。タイミングが合っていなかった。余裕はあったし、踏み込んだ感触はググっていうものがあったと思う。でも、もうちょっと伸びるかなって思いました」

<8R>
真船圭一郎選手
真船圭一郎選手
 赤板から篠原龍馬が上昇して誘導員後位が入れ替わる。すると、続いた川村晃司が2コーナーで誘導を降ろして先行策。4番手に引いた篠原だったが、空いた内を突いて柴崎俊光の位置を狙う。前団の様子を窺っていた7番手の真船圭一郎は、最終バックから仕掛けて前団をひと飲み。最後は佐藤愼太郎がゴール前で差し切った。
 「作戦は初手で中団か後方だったけど、前になってしまったね。それでも真船君なら何とかしてくれると思った。真船君が良いところで仕掛けてくれましたね。自分の脚にも余裕があったので。今年初勝利を決められて良かった」
 真船圭一郎(写真)は、別線を力でねじ伏せた。
 「前がカカっていたし、全然緩んでなかったけど、ここでいかないとダメだと思ったので行きました。結果的には展開が向いてくれたけど、風も強くてキツかった」
 前が併走になった上田裕和だが、直線で外を踏んで3着。
 「5番(篠原龍馬)の動きは想定外でした。たまたま3番(児玉慎一郎)が遅れていたので、単独になった分、脚には余裕がありました。(柴崎)俊光はからまれていたので厳しそうだと思って、外を踏ませてもらった」

<9R>
 人気を背負った取鳥雄吾が、見事人気に応えて1着。初手中団の取鳥は、佐藤佑一の上昇を見て車を後方に下げる。一旦中団に降りた佐藤は、取鳥の動きに合わせて踏み込むと、打鐘の4コーナーで主導権。厳しいマークを受けた取鳥だったが、最終ホームから反撃を開始する。目の覚めるようなスピードで別線を粉砕した。
 「何をやっても警戒されると思っていました。ああなるなって。でも、落ち着いていけましたね。1コーナー目がけていこうと思っていたので、早めに仕掛けられて良かったです。車の出も良かったし、最後まで踏み切れました。調子も良いです。(同期が勝ち上がって)続けなかったら、楽しくないなと。レースも小さくならなくて良かったですね」
 吉本哲郎が取鳥を好追走して2着をキープした。
 「前が強かったです。まずは付いていくことしか考えていなかったですね。取鳥君が数回踏み止めて、バックを踏みました。そこ(追走)は自信があるので、離れることはないと思っていたけど、タイミングもあるので気を付けて。勝ち上がれて良かったです」

<10R>
坂口晃輔選手
坂口晃輔選手
 正攻法に構えた竹内雄作が赤板前に後方まで下げると、2コーナーから山おろしを使ってカマす。ラインで出切ると中団には山田英明、単騎の鈴木裕が7番手、木暮安由は8番手に置かれ最終ホームを一本棒で通過。バックで山田がまくり上げるが、竹内のカカリが良く番手までが精一杯。4コーナーをハコで回った坂口晃輔(写真)が、最後はきっちり差し切った。
 「バックが凄いカカっていました。山田さんのまくりも止まっている感じで。踏んだ時にクッと車が出たので、差せてとにかくほっとしました。ワンツーが決まって良かったです」
 逃げた竹内雄作が2着に粘った。
 「風がキツかったです。ラインで決められるように走ろうと。作戦通りでした。末脚が足りなかったのが課題ですね。最後伸びていれば、近藤君まで決まったのかなと思います。自分の中で修正点があったので、ケアして次も頑張ります」
 3着には山田に乗って直線で伸びた小岩大介が食い込んだ。
 「ヒデさん(山田)が、もっとスコーンと行ってしまうと思ったけど。中団を取ってからすかさず仕掛けてくれたし、最後もヒデさんが近藤君に絡んだので、2人が止まって自分が恵まれました」

<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 山中秀将が打鐘で誘導を降ろして前に出ると、その上を柴崎淳が一気に叩いて風を切る。すると、前受けから後方に引いた坂本貴史が、打鐘の4コーナーからスパート。軽快なスピードで前団に襲い掛かる。番手の浅井康太(写真)はこれをけん制するも、止まらないと判断して番手まくりを決行。坂本を合わせ切って人気に応えた。
 「坂本君がけっこういいスピードで止まり切らないと判断したので出ていきました。ホントは出るつもりはなかったし、ラインで決めたかったです。でも、勝ち切らないといけないし、出ないと出られると思って」
 浅井を好追走した東口善朋が2着に入る。
 「ラッキーだったけど内を締めていて、浅井が出るとは思わなかったですね。出ていったので慌てて踏んでいきました。対応はできているし、状態は悪くない」
 伏見俊昭は、2コーナーで坂本から東口後位にスイッチ。3着に入って優秀権利を確保した。
 「(柴崎が)駆けている上を坂本君が行くのかと。半信半疑だったので(最終ホームで)口が空いてしまった。一回、浅井が振ったときに、東口のところに降りられれば良かったけど。少し口が空いてた分、遅れてしまって、その後ろになってしまった。最低限のリカバリーはできたと思う」

<12R>
和田圭選手
和田圭選手
 後ろ攻めから上昇した新山響平が、合わせた稲垣裕之を制して前に出る。北日本勢を出させた稲垣だが、松浦悠士が4番手に追い上げて激しい位置取り争いに発展。番手の和田圭(写真)は後方からまくってきた河村雅章の勢いを止めると、直線で差し切った。
 「たまんないですね。100回に1回がきました。後ろが併走になって、河村さんが見えたからどうかなって思ったけど。余裕はなかったです。もっとしっかり止められれば良かったですね。最後は間違えて抜いちゃった(笑)」
 新山響平は後続のもつれを尻目に絶妙なペースで駆けて2着。強敵相手にワンツーを決めて自信を深めた。
 「久しぶりに良いペースをつかめました。自信になりましたね。最近はダメだったけど、セッティングをいじって良かったです。脚の感じは悪くないけど、明日はもうちょっと良くなると思います」
 勢いを殺された河村雅章だが、懸命に踏み続けて3着に入る。明日の優秀「フォーリンカップ」に駒を進めた。
 「中団で併走していたので、チャンスだと思って仕掛けました。新山君が強かったし、和田さんのブロックもききました。脚がないですね」
 松浦と併走していた稲垣裕之は2センターから内を突こうとするも、竹内智彦に締め込まれて9着。気持ちを切り替えて二次予選からの立て直しを誓った。
 「(併走は)しかたないですね。引いたら位置はないので。うまく新山君にペースで駆けられてしまいました。でも、やろうとしていることは出来ています。明日以降に修正して結果を出したい」
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