『被災地支援競輪四日市競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:2月26日
 四日市競輪場で開催中の平成28年熊本地震被災地支援・開設65周年記念「泗水杯争奪戦(G3)」は2日目を迎えた。今日は優秀の「フォーリンカップ」をメーンに二次予選6個レースが行われた。「フォーリンカップ」は竹内雄作が新山響平を強引に叩いて主導権。最後は番手の浅井康太が差し切った。明日はいよいよシリーズのベストナインが決まる。
 開催を通して本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。3日目は、山口幸二氏によるレース展望(4R、8R発売中、特設ステージにて)や、ガールズの篠崎新純選手と、杉沢毛伊子選手によるトークショー(6R、9R発売中、特設ステージにて)などのイベントを予定しております。3日目も、「泗水杯争奪戦(G3)」をぜひ本場でお楽しみください。
<6R>
稲川翔選手
稲川翔選手
 武井大介が連勝で準決勝に進出した。小川真太郎が赤板で前に出るも、一度押さえた丸山直樹に空いた内をすくわれる。それでも、打鐘で踏み上げて主導権を奪い返す。6番手で様子を見ていた稲川翔は、最終1センターから反撃を開始。抜群のスピードで逃げる小川を3コーナーで捕らえた。しかし、近畿の仕掛けを追った鈴木裕が後位から迫る。鈴木に乗った武井大介は4コーナーで内に斬り込むと、直線で中を割って突き抜けた。
 「気づいたら後ろになっていました。弱気な組み立てになっていましたね。イナショー(稲川翔)が1センターで振っていたので、これはキック(鈴木裕)もいけないだろうと。4コーナーで判断しようと思っていました。(状態は)前回よりは全然(良い)。前なら、3コーナーで見送っていました」
 稲川翔(写真)は、ゴール寸前で武井に交わされ2着。しかし、軽快なまくりを披露してファンを沸かせた。
 「あんまり人は気にせずに、しっかり流れを見てと思っていました。布居(寛幸)さんと一緒に勝ち上がりたかったので。勝ちにいきながら、力を出し切るレースが出来て良かった。3コーナーから苦しかったのは、自力を普段出していないからですかね。必死に踏んでいたので、後ろから来ているかどうかはわからなかったです」
 「あれは見えなかった」と話すのは布居寛幸。武井に中を割られてしまい反省を口にする。
 「今日は翔の感性に任せていました。7番(鈴木裕)を張って、決まったと思ったら…。中を割られないようにしないと。そういう所が甘いですね」

<7R>
坂本貴史選手
坂本貴史選手
 後ろ攻めの廣田敦士が赤板で上昇。中団から合わせた山本直を制して前に出ると、徐々にピッチを上げて先行態勢へ。中団を確保した山本は最終ホームからスパート。廣田をバックでまくり切る。しかし、最終2コーナーから仕掛けた坂本貴史(写真)が、抜群のスピードで前団を一気に抜き去った。
 「本当は昨日みたいに仕掛けて行こうと思ったけど、少し見てしまいました。踏み出してからのスピードは良かったし、昨日のレースがあったので今日のレースが生きたんだと思います。勝ち切れて良かったです。クールダウンして準決もしっかり頑張りたい」
 竹内智彦がきっちり続き、北日本ワンツー決着。
 「坂本君が強かったし、スピードも違いました。信頼して付いていきました。昨日も今日も楽だし、明日はもっと良いんじゃないですか(笑)。調子は良いので、どの番組になっても頑張ります」
 松浦悠士は北日本勢をけん制するも止められず。最後は山本後位から追い込んで3着に入った。
 「(坂本の)スピードが違いましたね。直線の部分で来られてしまったので…。せめて竹内さんを止められていれば良かったんですけど。技術不足でした」
 逃げた地元の廣田敦士は9着に沈んだ。
 「カカらなかったです。追い風になる前に行かれてしまって、レースにならなかった。いつものようにカカっていれば面白かったかなって思います」

<8R>
飯嶋則之選手
飯嶋則之選手
 金子幸央が先に斬った小川勇介を打鐘で叩いて主導権。そのまま軽快に風を切る。番手の飯嶋則之(写真)は7番手から巻き返した柴崎淳を気迫のブロックで不発に追い込む。最後はゴール前で差し切った。
 「金子にはレース前に、格下なんだから全力で走れと言っておいて、その通りに走ってくれたから気合いが入った。ヨコに振って、うまく柴崎君に当てられて力が抜けてくれましたね。形だけでも仕事ができました。初日は首が痛かったけど、痛みが和らいで集中できました」
 別線を封じた金子幸央が、逃げ粘って2着。
 「飯嶋さんのおかげです。レース前に飯嶋さんに、『おまえが頑張れば、後は俺が何とかしてやる』と言ってもらえたので、前に出て全力で踏むことしか考えていなかった。飯嶋さんと決められたし、いつになく調子は良い」
 柴崎淳が不発に終わるも、外を踏んで準決勝の切符を手に入れたのは志智俊夫
 「柴崎君がブロックを避けていたらラインで決まっていたかもしれないけど。飯嶋君の気合いがすごかったです。その中でも、自分はリカバリーができているし、まともに動けるようになってきました」

<9R>
山中秀将選手
山中秀将選手
 山中秀将(写真)が赤板の2コーナーでハナに立つと、押さえた真船圭一郎を内に包み込みマイペースで駆ける。後方に置かれた山田英明は最終ホームから反撃に出るが、内藤秀久のブロックで勢いが止まる。結局、山中が後続の援護もあって押し切った。
 「(初手で)中団が取れたのが大きかったですね。山田さんと一緒で厳しかったけど、車番は良かったので。ああいう展開になったら、駆けようとは思っていて、そこはしっかりできました。最後は踏み直すというか、みんながいっぱいになって押し切れました。感触もずっと良いです」
 山田の仕掛けに乗った井上昌己が、直線で鋭く伸びて2着に入る。
 「山田が頑張ってくれました。スピードが合ってしまって、俺も終わったと思いましたね。バックを踏んでからだったけど、ギリギリ届きました。でも、山田と決めたかったですね」
 好アシストを見せた内藤秀久が、3着で準決勝に進出した。
 「風が強すぎたし、英明を止めるので脚を使ってしまいました。直線ではフォームもバラバラ。近藤(俊明)さんまではダメでしたけど、(山中が1着で、自身も3着に入って)気持ちいいですね。でも、今日はレベルも上がっている分、きつかったです」

<10R>
朝倉佳弘選手
朝倉佳弘選手
 後ろ攻めの松坂洋平が青板の2センターから上昇。中団で併走しようとするも、取鳥雄吾は車を下げる。前受けの木暮安由が誘導との車間を大きく空けると、松坂が打鐘目がけて一気に踏み込む。すぐさま取鳥も巻き返すが、前団を叩けない。柏野智典は打鐘3コーナーで内へ斬り込んで中団を確保するも、取鳥が最後方へと車を下げて連係が乱れる。主導権を握った松坂はグングン飛ばして最終バックを先頭で通過。すると、5番手の木暮が3コーナーから踏み込む。前団を一気に飲み込むと、最後は続いた朝倉佳弘(写真)がゴール前で差し切った。
 「仕掛けるのは2コーナーかなって思ったけど、そこで行かなかったし。あとは木暮君に任せていたので、木暮君のタイミングでと。余計な事を考えずに、ゴール前に集中していました。内田(英介)君が後ろで締めていてくれたし、ラインのおかげです。前回から脚の状態は良いので、準決も隙のないレースをしたいです」
 木暮安由は2着で勝ち上がりを決めた。
 「落ち着いて走れたし、昨日よりも良いと思う。交わされたのはダメなので、準決は仕切り直して頑張る。しっかりケアします」
 取鳥雄吾は9番手からの立て直し。2コーナーから踏み込んで3着に食い込んだ。
 「柏野さんが位置を取ってくれたのは分かったんですけど…。浮いてしまって何もできなかったです。勝ち上がれたのはラッキーだったけど、後ろに迷惑をかけてしまいました」

<11R>
嶋津拓弥選手
嶋津拓弥選手
 嶋津拓弥が、突っ張り気味に踏んだ古屋琢晶を打鐘で強引に叩き主導権。稲垣裕之はすぐさま追い上げて4番手を確保する。仕掛け所を見極めてスパートすると、一気に前団を捕らえてS班の貫禄を示した。
 「前の動きを見て緩んだら仕掛けていこうと思っていました。後ろがもつれて迷惑をかけたけど、警戒される中でも周りの動きに合せてしっかりと動けたと思う。状態も問題ない」
 近藤龍徳は稲垣に離れてしまう。逃げた嶋津拓弥(写真)が2着に残った。
 「ジャンのところで古屋さんと踏み合いになるかと思ったけど、出切れて安心して流し過ぎてしまった。まくってきた時は1車だと分からなかったけど、稲垣さんが1車だったので追いかけていけば準決に乗れると思って、一生懸命踏みました。やりたいレースはできているので、状態は良い」
 嶋津拓弥を援護した江守昇が3着に流れ込む。
 「内からも(近藤が)来ていたけど、割られる感じはなかったし、あまり気にしていなかった。それよりも前を残し気味に踏んでいったら、嶋津君が徐々に加速していって強かったです」

<12R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 優秀「フォーリンカップ」は浅井康太(写真)が制した。後ろ攻めの新山響平が早めに上昇。中団の竹内雄作にフタをして、打鐘で前に出る。しかし、竹内はすぐさま巻き返して最終ホームで主導権を奪取。ライン4車で出切った時点で勝負あり。最後は番手の浅井がゴール前で交わした。
 「昨日は風が強くて、雄作のタイムが出ていなかったけど、踏み切れていましたね。雄作は仕上がっているんじゃないですか。付いていてそう思いました。(自分は)車間を空けるタイミングも、差すタイミングもバッチリ。準決勝はもっと仕事ができるように。最悪でも決勝に乗らないとダメなので。しっかり周りを見てしのぎたい」
 竹内雄作は自慢のパワーを最大限に発揮。力強い走りで別線を完封した。
 「主導権を握ろうと思っていました。(新山を)簡単に駆けさせても勝てないので。一瞬、合わせられたと思ったけど、出れて良かったです。でも、いっぱい、いっぱいでした」
 しっかり続いた坂口晃輔が3着を確保。
 「今日はただ前を信頼して。連れていってもらいました。雄作も後ろが浅井さんだし、いくと思って。自分も準備をしていました。新山をねじ伏せて強いですね」
 叩かれた新山響平は、最終2コーナーで力尽きて9着。
 「徐々に良いペースでいけたと思ったけど。竹内さんが強かったです。明日は新車を試します。ライン3車だし、先行で頑張ります」
 河村雅章は最終3コーナーから踏み上げるも、車が進まず7着に終わった。
 「思惑通りにいかなかったですね。みんな強い。引きずり回されました。チャンスがなかったです」
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