決勝戦 レース経過 | |
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号砲で浅井康太が最初に飛び出してスタートを取った。初手は浅井―坂口晃輔―志智俊夫、稲垣裕之―竹内智彦、取鳥雄吾―井上昌己、山中秀将―内藤秀久の順で並ぶ。 レースが動いたのは青板周回の3コーナーから。まずは山中がゆっくり上昇していくと、赤板で前の浅井を押さえた。少しして浅井が車を下げていくと、今度は取鳥が叩いて先頭に立ったところで打鐘が入る。山中は中団3番手で止まると、外併走を嫌った稲垣が前を叩きに出た。しかし、取鳥が合わせて踏んでこれを出させない。最終ホームを過ぎ、稲垣は番手で外併走となり、井上と激しくやり合う展開に。すると、山中が1センターからスパート。山中はジリジリと番手を上げていくと、3コーナーで取鳥を捕らえて抜き去った。さらに、その後ろから浅井が迫ってきたが、4コーナーで内藤が好ブロック。浅井のスピードは一瞬鈍り、これを尻目に山中が力強く押し切った。好援護した内藤が2着に入り、浅井は懸命に前を追ったが3着まで。
「(今年は根田空史と田中晴基がG3を優勝して)千葉が良い流れできているので、僕も流れを止めないようにと。あそこ(打鐘)で引かなければ、稲垣さんはいってくれると思って。竹内さんと競ってもしょうがないので、引いて。その後は、浅井さんに被らないように仕掛けました。その上をいかれたらしょうがないと。でも、内藤さんもいるし、そんな簡単には上をいけないだろうと。2日目もあれがなかったら、沈んでいただろうし、内藤さんさまさまです。レースが終わって、内藤さんに『良かったな』って言われて嬉しかったですね」 10月に久留米で行われた熊本記念で鎖骨骨折の大ケガ。約2カ月半の戦線離脱を余儀なくされた。しかし、その逆境をバネにして、さらなる飛躍を遂げた。 「今後は広島F1を走ってからウィナーズカップ。ケガをしないで走っていれば(ウィナーズカップは)特選だったんですけどね(笑)。でも、ケガをしたおかげで練習をする気にもなりました。ここ2場所は成績が出てなかったけど、今の方が前より良くなっていると思う」 自慢の機動力に更なる磨きをかけて復活した山中。今年は、南関の一翼として大舞台でも役割を果たす。 好援護した内藤秀久が続いて2着。山中の優勝を自分のことのように喜んだ。 「浅井が来た時に一発振って止まらなかったので。もう一丁だと思って振って、山中をどうにかと。援護して続いてめちゃくちゃ嬉しい。追加で来て良かった。今後もやることをやって、自分のチャンスがくるのを待ちたい」 地元の浅井康太は、後方からまくり上げるも3着まで。4連覇は叶わず。 「行ったと思ったんですけどね。でも、次(ウィナーズカップ)に向けて自力で動けたし、確定板にも乗れたので。この調子を維持することが大事だと思う」 取鳥を叩けなかった稲垣裕之は番手に降りようとするも、井上にさばかれて後退。8着に終わった。 「流れの中で動いたけど、内に山中君もいたので仕掛けていった。ただ、取鳥君のダッシュが良かった。叩き切れればね…」 初の記念決勝に臨んだ取鳥雄吾は、果敢に風を切るもシンガリ負け。「いくだけになってしまいました」と肩を落とす。 「稲垣さんを合わせ切るまではよかったんですけどね。その後がダメ。(繰り上がりで優出を決めて)今後は力で乗れるように頑張ります」 |