四日市競輪場で開催された開設67周年記念「泗水杯争奪戦(GIII)」は、12月4日に最終日が行われた。決勝は関東勢がレースを支配。後方に置かれた浅井康太だったが、目の覚めるようなまくりで優勝。前回の競輪祭に次ぐ連続優勝で、通算25回目の記念制覇を地元で遂げた。また、一発勝負で行われた「レインボーカップチャレンジファイナル」では、小林泰正が直線で外を強襲して1着。2着の森田優弥、3着の小玉勇一までの上位3選手が、2班に特班を決めた。
決勝戦 レース経過
号砲が鳴り、けん制状態から浅井康太が誘導員を追いかけて前受け。園田匠が続き、岡村潤、稲毛健太-山本伸一-内藤宣彦、吉田拓矢-鈴木庸之-木暮安由で周回を重ねる。
青板の2センターから動いた吉田を見て、3番手から岡村が上昇し誘導後位に入る。吉田は、稲毛に代わって中団に入ると、後方に下げた稲毛を警戒。稲毛が1センター過ぎから仕掛けると、吉田も合わせて踏み上げて打鐘と同時に先手を奪取。一方、浮いた稲毛-山本は内藤に迎え入れられて4、5番手に降りて最終回へ。これで8番手となった浅井は1センターから反撃開始。好スピードで前団に迫ると、バックから番手まくりに出た鈴木を4コーナーで捕らえて先頭に立ち、そのまま後続を振り切って地元Vを達成した。最終3コーナーから、園田を制して浅井を追いかけるように踏んだ山本が2着で、鈴木が3着に入った。

浅井康太選手
号砲が鳴っても誰も出ない。ただひとりのS級S班で昨年のグランプリ(GP)チャンプの浅井康太(写真)が、誘導を追いかけざるを得ない。浅井にとって出だしから、楽な流れではなかった。追い打ちをかけるように、単騎の岡村潤が想定外の動きで赤板の1センターで誘導後位に追い上げた。
「誘導を追うのに脚を使ってキツくなるかと。それに岡村さんの動きが予想外だった。あれがなければ、(番手に)飛び付こうと思ってた」
吉田拓矢と稲毛健太の両ラインがカマシ気味に来て、岡村も飛び付けない。関東勢が主導権を握ると内藤宣彦が近畿の2人を迎え入れて、浅井は最終ホームであろうことか8番手に陥った。
「(最終ホームで)絶体絶命だと思った。あとは稲毛君を見て、どっちにいくかでした。ゴールするまでわからなかったけど、バックでは(前団を)とらえられる手応えがあった」
最終1コーナーから踏み出した浅井は、浮いた稲毛の内をハイスピードですり抜けて、番手まくりの関東勢を射程圏にとらえた。
「体も一番良かったんでしっかり踏めた。最終日に一番脚が回ったのが大きい」
直線の入り口では鈴木庸之に並んで、ゴールではスピードの違いで1車身抜け出していた。地元ファンの声援に応えながら手を挙げた浅井が、4度目の四日市記念Vを飾った。
「競輪祭を獲って、四日市記念を獲って、あとひとつ。グランプリを獲れば来年にもつながる。(GP)2連覇を目指してしっかり準備して、獲り切ります」
初のナイターGIで6日制に生まれ変わった競輪祭から、中4日の過密ローテ。ドームから風の強い屋外バンク、発走時間の違い。さまざまな環境の変化に一流といえども戸惑う選手は多かった。その過酷なシリーズを浅井が連続優勝。連覇がかかるGPへの期待も、いやが上にも高まっていく。
「あれがなければ僕らは終わっていた」と、内藤に感謝しきりなのは2着の山本伸一。吉田に突っ張られたが、内藤が中団に迎え入れて近畿勢が再度勝負権を得た。稲毛は不発も山本は関東ラインに切り替え、外を踏んで伸びた。
「(4番手から再度、稲毛が行ったけど)重そうだなっていうのがあったんで、関東ラインの方にいった。あれで2着までいけているし、収穫のあった4日間だった」
逃げた吉田の後ろから番手まくりに出た鈴木庸之だったが、浅井、山本に屈しての3着。
「自分が(吉田に)なにもしてあげられなかった。展開は良かったんですけど、(吉田は)もう1回流しても良かったのかもしれない。そうすれば浅井さんが、中団で内に詰まるパターンっていうのもあったかもしれない。でも、吉田君は調子がいいんでしょうね、ペースでいってたっていう言うしタレてこなかった」
飛び付きを狙っていた単騎の岡村潤だったが、吉田の強烈なダッシュにはなす術がなかった。最終ホームでは7番手、浅井のまくりには反応したが、園田匠と絡んで万事休す。
「浅井も中団にこだわるだろうし、そしたら切ったところで粘ろうって思っていた。でも、後ろで(吉田と稲毛が)レースが始まっちゃった。あれを番手に飛び付くには…」




青板の2センターから動いた吉田を見て、3番手から岡村が上昇し誘導後位に入る。吉田は、稲毛に代わって中団に入ると、後方に下げた稲毛を警戒。稲毛が1センター過ぎから仕掛けると、吉田も合わせて踏み上げて打鐘と同時に先手を奪取。一方、浮いた稲毛-山本は内藤に迎え入れられて4、5番手に降りて最終回へ。これで8番手となった浅井は1センターから反撃開始。好スピードで前団に迫ると、バックから番手まくりに出た鈴木を4コーナーで捕らえて先頭に立ち、そのまま後続を振り切って地元Vを達成した。最終3コーナーから、園田を制して浅井を追いかけるように踏んだ山本が2着で、鈴木が3着に入った。

浅井康太選手
「誘導を追うのに脚を使ってキツくなるかと。それに岡村さんの動きが予想外だった。あれがなければ、(番手に)飛び付こうと思ってた」
吉田拓矢と稲毛健太の両ラインがカマシ気味に来て、岡村も飛び付けない。関東勢が主導権を握ると内藤宣彦が近畿の2人を迎え入れて、浅井は最終ホームであろうことか8番手に陥った。
「(最終ホームで)絶体絶命だと思った。あとは稲毛君を見て、どっちにいくかでした。ゴールするまでわからなかったけど、バックでは(前団を)とらえられる手応えがあった」
最終1コーナーから踏み出した浅井は、浮いた稲毛の内をハイスピードですり抜けて、番手まくりの関東勢を射程圏にとらえた。
「体も一番良かったんでしっかり踏めた。最終日に一番脚が回ったのが大きい」
直線の入り口では鈴木庸之に並んで、ゴールではスピードの違いで1車身抜け出していた。地元ファンの声援に応えながら手を挙げた浅井が、4度目の四日市記念Vを飾った。
「競輪祭を獲って、四日市記念を獲って、あとひとつ。グランプリを獲れば来年にもつながる。(GP)2連覇を目指してしっかり準備して、獲り切ります」
初のナイターGIで6日制に生まれ変わった競輪祭から、中4日の過密ローテ。ドームから風の強い屋外バンク、発走時間の違い。さまざまな環境の変化に一流といえども戸惑う選手は多かった。その過酷なシリーズを浅井が連続優勝。連覇がかかるGPへの期待も、いやが上にも高まっていく。
「あれがなければ僕らは終わっていた」と、内藤に感謝しきりなのは2着の山本伸一。吉田に突っ張られたが、内藤が中団に迎え入れて近畿勢が再度勝負権を得た。稲毛は不発も山本は関東ラインに切り替え、外を踏んで伸びた。
「(4番手から再度、稲毛が行ったけど)重そうだなっていうのがあったんで、関東ラインの方にいった。あれで2着までいけているし、収穫のあった4日間だった」
逃げた吉田の後ろから番手まくりに出た鈴木庸之だったが、浅井、山本に屈しての3着。
「自分が(吉田に)なにもしてあげられなかった。展開は良かったんですけど、(吉田は)もう1回流しても良かったのかもしれない。そうすれば浅井さんが、中団で内に詰まるパターンっていうのもあったかもしれない。でも、吉田君は調子がいいんでしょうね、ペースでいってたっていう言うしタレてこなかった」
飛び付きを狙っていた単騎の岡村潤だったが、吉田の強烈なダッシュにはなす術がなかった。最終ホームでは7番手、浅井のまくりには反応したが、園田匠と絡んで万事休す。
「浅井も中団にこだわるだろうし、そしたら切ったところで粘ろうって思っていた。でも、後ろで(吉田と稲毛が)レースが始まっちゃった。あれを番手に飛び付くには…」




6R レインボーカップチャレンジファイナル

小林泰正選手
「中嶋さんが(最終)バックから踏み上げてくれた。自分は(嵯峨)昇喜郎に包まれそうになったけど、ああいうところでどかすのは自信があった。ここはゴールまで長いって聞いてたし、直線にかけて踏み上げようと思って脚を溜めていた。自分のなかではいい感じで出し切れた。それでも届かいないかと思ったけど伸び切れた。競技でエリミネイションとか集団競技をやってたんで、そういうところが生きましたね。A級(1、2班)は小細工しないでやっていきたい」
逃げ切りこそならなかった森田優弥だが、臆することなく風を切って2着。同県の小玉とともに、A級2班への特班は十分に価値がある。
「中嶋さんも先行したい言ってたみたいだから、先行勝負って考えてました。そしたら中嶋さんが内に詰まっているのが見えた。昇喜郎も中団に入ってたんで、(最終)ホームでは来ないだろうと。それで(最終)2コーナーから踏み上げた。逃げ切れなかったのは悔しい。今度(同期との対戦で)は負けないように」
森田マークの小玉勇一は、直線で追い込むも交わせずの3着。
「最初に中団が取れたのも大きかった。それでも森田は一気に(主導権を)取ってくれて掛かっていたし、気持ちが伝わってきた。森田はいい先行でした。一緒に(A級2班に)上がったけど、森田の方が力は全然上なんで今度は自分が引っ張れるように」
「入れてくれるかと思ったんですけど…」とは、3番手に入りかけながらも、柿本にすくわれて外に浮いた嵯峨昇喜郎。
「そのあとは脚を使ってしまっていて、自転車の出が良くなかった」

