『福井競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:7月25日

 福井競輪開設70周年記念「不死鳥杯」は後半戦に突入。3日目は準決勝3個レースで決勝進出が争われた。脇本雄太は無傷の3連勝で決勝に進出。地元勢からは伊原克彦も決勝戦に勝ち上がった。5名が勝ち上がった近畿勢は長考のすえ、脇本、伊原が別線勝負することで決着。高橋和也との3分戦で決勝戦が争われる。

<7R>

伊原克彦選手
伊原克彦選手

高橋和也選手
高橋和也選手
 青板バックから動き出して前受けの谷口遼平に並びかけた中井俊亮と野原雅也で赤板過ぎから踏み合いになるが、野原が1センターで中バンクに上がると鷲田佳史が落車。これに稲川翔も乗り上げてしまう。落車を避けた谷口が4コーナーの下りを使ってカマすと、この動きに乗り換えた野原がバックまくり。伊原克彦(写真)とワンツーを決めたが、野原は赤板1センターの動きで失格。伊原が繰り上がっての1着となった。
 「落車しちゃったけど佳史も後ろを固めてくれて、雅也もしっかりと仕掛けてくれた。ラインのおかげですね。(作戦は)ほぼ雅也任せで、あとは後ろの2人が付いて行けるか。アイツ(野原)の勝ちパターンでと言ってました。(落車は)誰の影響かわからなかった。残りの人数を確認して、あとは雅也の仕掛けに乗ってどうしようかなって感じでした。付いてく分には余裕がありますし、レースも見えてる。状態は問題ない。上出来じゃないですか。(記念の決勝はいつ以来か)忘れましたね。だいぶ昔(2010年9月)の福井記念以来なんで」
 谷口のカマシに乗った高橋和也(写真)が2着に繰り上がって決勝進出を決めた。
 「谷口君が頑張ってくれたおかげ。落車があった後も落ち着いて駆けてくれた。(6ポイントで)準決勝にも上がれないかと思ったところで上がれて今日も繰り上がり。ツキはあるかもしれないです。昨日(2日目)もボーダーで上がって、繰り上がりも記憶にない。久々の決勝なんで頑張りたいですね。状態はいいと思います」

<8R>

坂口晃輔選手
坂口晃輔選手

松岡健介選手
松岡健介選手
 赤板過ぎに先頭に立った高久保雄介と寺崎浩平で打鐘過ぎから踏み合いに。ホームで寺崎が高久保を叩き切ると、そこをすかさず柴崎淳が巻き返して2センターで寺崎をとらえる。最後は柴崎マークの坂口晃輔(写真)が鋭く抜け出した。
 「後ろからレースが始まることも想定していたけど、グルグルと回ってタイミングいいところで、柴崎さんが仕掛けてくれた。柴崎さんのおかげで1着だけど、残らなくて残念ですね。感じは良かった。一緒に練習やっているし、高校の先輩なので、付きやすい連係。2日目のレースが終わって、シューズのヒモ切れていて、力が抜けていたのはそのせいかなと。今日(3日目)は直したので力が入った」
 高久保後位から三重コンビに切り替えた松岡健介(写真)が自ら外を踏み上げて2着に入った。
 「寺崎君に行かれてしまったが、高久保君が踏んでくれたおかげ。判断は悪くなかったと思う。切り替えるところは昨日(2日目)の修正点、一歩目が良くなっている。自分はやれることをやるだけ。日に日に良くなっている」
 坂口、松岡の中割りを狙った東口善朋だったが届かず3着まで。決勝進出は最終レースの結果待ちだったが、9Rで3着の川口聖二に前2走のポイントで上回り。決勝戦最後の椅子をゲットした。
 「3着で上(決勝)に乗れて運が良かったなと。寺崎君と高久保が先行争いになって、僕は高久保、健介さん頼みだったけど、後ろでレースは見えてたんで。最後は詰めが甘かったかなと思うけど、うまくいけた。もう1個早く入れたらベストだったけど、坂口君の動きを見てしまった。脚自体は問題ない。このメンバーで決勝に乗れたのは自信につながりますね」

<9R>

脇本雄太選手
脇本雄太選手

村上義弘選手
村上義弘選手
 打鐘前2コーナーから一気にカマした脇本雄太(写真)が押し切って村上義弘とワンツー。無傷の3連勝で決勝進出を決めた。
 「連日、同じ動きをしてるだけ。(野原雅也、寺崎浩平が決勝に勝ち上がれず)より一層、気持ちが入りましたね。自分が勝ち上がらないわけにはいかない。それ以上に村上さんとワンツーを決めたい気持ちが強かった。重かったけど、最後まで踏み切れた感じはありました」
 しっかり続いてワンツーを決めた村上義弘(写真)はあらためて脇本の強さを実感した。
 「ひとまずしっかり付いていくことがテーマだったので。このところ近畿で脇本に付いていけてるのは稲川(翔)だけなので。そういう意味では自分もひとまず最低限の要件は(満たせた)。踏み出しから最終3コーナーまでは余裕だったけど、自分以上に脇本が余裕だった。そこから一気に加速したんで。状態はあまり良くないと思いますけど、前半に関しては余裕を持っていけてるので。しっかり修正出来れば決勝でも力を出せるんじゃと思います」
 2着に入らなければ決勝に乗れない川口聖二も3番手から村上に迫ったが逆転はならず。
 「番手に飛び付くのも考えてたし、どこまで抵抗できるかと思ってた。(脇本の)仕掛けが連日より早かったですね。見てから踏んでは遅かった。2着じゃないとダメなんで抜こうと思ったけど、脚が三角形でしたね。強かったです」