『福井競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:7月26日

 福井競輪開設70周年記念「不死鳥杯」は7月26日に最終日を迎えた。最終9Rに行われた決勝戦では打鐘前からカマした脇本雄太が福井別線勝負だった伊原克彦を力で叩き切って押し切り。5度目の地元記念優勝を無傷の4連勝で飾った。

決勝戦 レース経過

 伊原克彦-村上義弘が前団に構えて、高橋和也-坂口晃輔、脇本雄太-松岡健介-東口善朋で周回を重ねる。赤板を通過しても5番手の脇本は動かず、2コーナーから仕掛ける。伊原も合わせてペースを上げるが、脇本が最終ホーム手前で主導権を奪う。脇本に松岡、東口まで出切る。4番手に入ったが伊原はいっぱいで、高橋をけん制しながら村上が切り替えるが前の3車との車間がなかなか詰まらない。脇本ライン3車で直線勝負。逃げる脇本のスピードが衰えず、そのまま押し切って地元記念3連覇。


脇本雄太選手
脇本雄太選手

 大会3連覇、無傷の完全優勝がかかる決勝戦でも脇本雄太(写真)の強さは別格だった。後ろ攻めから打鐘前2コーナーで仕掛けると、抵抗する伊原克彦をホームで叩き切る。別線の反撃、松岡健介の逆転を許さない、完勝のレースだった。
 「自分のなかでは完全優勝は意識してなかった。同じ福井で伊原さんと別で戦うのがつらい。こみ上げてくるものがあった。それと戦いながらの優勝。うれしいと思うけど、これからは一緒に戦えるように頑張らないと」
 3日間、打鐘から仕掛けての勝利。「連日、同じレースをしているし、自信をもって同じことをやろう」。決勝戦でも仕掛けに迷いはなかった。
 「伊原さんもダッシュがあるのは知ってる。これ以上タイミングを遅らせるわけにはいかないし、ジャンで力勝負かなと思った。雨が降っていたのでバンクコンディションは重かったけど、踏み切れたと思う」
 東京オリンピックが1年延期となったことでめぐってきた凱旋レース。「こうして地元で観客ありで走れるのはうれしい」。シリーズの主役は安どの笑みを浮かべると、こう続けた。
 「オリンピックが延期になったけど、決まったことはしょうがない。自分で決めた目標を変えるわけにはいかないので、それに向けて頑張るしかない。決勝はライン3車いるなかで、ラインで決められたのは価値がある。オールスターでもしっかり決めたいな」
 近畿勢からグランプリ出場が決まっているのは現時点で脇本ひとり。オールスターでは「どれだけラインで決めるか」を課題に、脇本が近畿の仲間をグランプリの舞台へと押し上げる。

 脇本の番手を主張した松岡健介。強い思いを持って脇本の仕掛けに続いたが、逆転はならなかった。
 「付け切るだけなら、(最近は)みんな付いて行ってる。(差して)タテ脚を見せたかったけど、この結果なら(番手が)僕じゃなくても良かったってなるので。みんなの想像どおりの結果になったけど、僕は抜けると思ってた。それがあのざまです。今回は7車でいい方に出たのがこの結果。これを9車でどう生かすかですね。また頑張ります」

 東口善朋もしっかりと3番手で付け切ってラインでワンツースリーが決まった。
 「付いて行かんことには話にならんし、付くことだけ意識して走りました。あんなにかかってしまったら内もいけないし、外を踏める脚もない。ナンバーワンの選手に付けて、これからどうするって課題も見つかる。そこは自分にプラスですね。今回で課題が見つかったので、これから伸ばしていきたい」

 脇本との力勝負はシンガリ負けという結果に終わった伊原克彦だが、出し切ったレースに表情は明るい。
 「脇本が遅いと思って僕も緩めてしまった。アレっ?て、ワンテンポ緩めた分、下りでスピードの差が付いた。実力不足ですね。今回で課題も見えたし、今日(最終日)みたいに前を回ったときは後ろの人のためにも力を付けつつ、番手ならしっかり仕事ができるようになりたい」





7月30日~8月2日の日程で富山競輪場にて開設69周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」(GIII)が開催されます。
今開催も7車立て9R制で、中部・近畿の2地区による優勝争いが繰り広げられます。
今年、記念を3Vしている浅井康太を擁する中部勢と、今回唯一のS班、村上博幸を軸に結束する近畿勢の争いは見ごたえ十分!!
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