『第1回大阪・関西万博協賛競輪in福井(GIII)レポート』 3日目編

配信日:6月12日

 福井と松山のリレーGIII。「第1回大阪・関西万博協賛競輪(GIII)」は、6月12日に3日目を迎えた。好天の下、ファイナルのキップをかけて争われた準決の3個レースでは、野田源一が無傷の3連勝で優出。柴崎淳は二次予選から連勝を決めて、鷲田佳史が1着で地元勢としてただひとり決勝に進んだ。シリーズもいよいよ大詰め、13日の最終日には激戦を勝ち抜いた9選手によってリレーGIII、昼開催の決勝の号砲が鳴らされる。
 福井競輪場にご来場の際は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。本場だけでなく、テレビ、インターネット中継などでも観戦をお楽しみください。

<10R>

柴崎淳選手
柴崎淳選手

小林大介選手
小林大介選手
 中団の佐伯亮輔にフタをしてから再度踏んだ山田諒が、打鐘の3コーナーで主導権を握る。中部ライン3車で出切り、山田が一息つくと佐伯も反撃に出る。最終1センター過ぎに佐伯を振った柴崎淳(写真)は、後続との間合いを計り番手から出る。後位の伊藤正樹はキメられて続けないが、柴崎がそのまま押し切って1着。
 「(山田は)休むところがなかったと思うし、8番(佐伯)も来ていた。それで止まりそうにないと。番手から出るのも、見た目以上に脚力を使う。勢いが死んでる状態から踏み上げていくのはキツいけど、そこまで(感じは)悪くない」
 柴崎のけん制で佐伯のスピードが鈍ると、池田良が柴崎にスイッチして2着に流れ込んだ。
 「佐伯はいつも期待以上のレースをしてくれる。(柴崎にスイッチは)ちょっと早いかと思ったけど、そこしかなかった。自分も着以上に(いい)雰囲気がある」
 最終バック手前から切り替えた小林大介(写真)が、堤洋との3着争いを制した。
 「(山田に)中途半端なところで出られて、末木(浩二)も難しかったと思う。日に日に良くなってる感じもある。こういうところで(ギリギリでも決勝に乗れるのは)大きい。点数がこれ以上、上にいくか、このままかの分かれ目だから」

<11R>

鷲田佳史選手
鷲田佳史選手

吉田茂生選手
吉田茂生選手
 松岡辰泰が、4番手の吉田茂生に併せ込んでフタをした状態で赤板を通過する。2コーナーを過ぎてようやく松岡は踏み込むが、前受けの渡部幸訓が飛び付いて隊列が短くなる。すかさず吉田が仕掛ける。稲村成浩は離れて、最終2コーナーで松岡をとらえた吉田に鷲田佳史(写真)が続く。鷲田は別線の中割りを警戒しながら抜かりなく抜け出して、地元シリーズで決勝進出を果たした。
 「(吉田は)出足のスピードがいい選手なので、極限に集中していった。シゲ(吉田)は脚を使っていたけど、自分で残った感じですね。自分は振られた時に外を回る対処や、あんまり早く踏むと後ろを連れ込むこともある。そのあたりは冷静だった。(状態は)なんとか間に合いましたね」
 ロングまくりで別線をのみ込んだ吉田茂生(写真)が2着。
 「行くべきところで、すかさず行けた。自分が出切らないと、鷲田さん(の権利)もなくなってしまうので。2コーナーの下りで伸びたから、バックからサドルがささっているように踏んでだ力でどこまでもつかでした。低速からの出足は苦手だけど、スピードは出たし余裕はある」
 目標不在の渡部幸訓は、九州ライン分断策から追い込んだ。
 「同期の(吉本)卓仁のところは一番いきたくないところだったけど、松岡君が流していた。それで卓仁と併走になった。あれが逆で鷲田だったとしても、もう(横に)いくしかない。反省点はあるけど、前々に攻められた」

<12R>

野田源一選手
野田源一選手

合志正臣選手
合志正臣選手
 赤板1センターで切って出た伊原克彦は、長尾拳太の仕掛けに合わせてペースアップする。それでも長尾が叩くと、伊原は番手に飛び付く。宮越孝治が連結を外して、最終ホームでは5番手の野田源一(写真)に流れが向く。野田が2コーナーまくりであっさり前団を仕留めて、前回の岸和田FIからの連勝を5に伸ばした。
 「伊原君がヤル気だったですね。あれで(長尾を)出させるようなら、自分は一発早めに仕掛けようと思っていた。そしたらやり合っていたんで、合志さんと決まるようにタイミングをみてだった。展開上もいい形だったんでまくり返すことができました。昨日(2日目)が一番重くて、一番の山場になるかなと思っていた。今日は軽かったんで、決勝でもっと軽くなればいいんですけど」
 ソツなく続いた合志正臣(写真)は、野田に1車身差のままの2着。
 「(自分たちが)前受けさせられる可能性もあるかなと思った。そしたら後ろでレースが始まると思ったけど、伊原君が切って踏んだんで展開が良くなりました。今日で野田君の初速とか後半の掛かりがどんな感じか確認できたし、明日(決勝)は精いっぱい抜きにいきます」
 周回中から終始、九州コンビの後ろにいた単騎の磯田旭が3着に入った。
 「(作戦は)とくになかったですね。(九州ラインを追走したのは)たまたまです。疲れはあるんですけど、(決勝も)頑張ります」