『福井競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:7月11日

 福井競輪開設71周年記念「不死鳥杯」は7月11日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。注目の決勝戦は古性優作が豪快にまくって完勝。19年2月静岡以来、2年5カ月ぶりとなる通算6度目のGIII制覇を果たした。

決勝戦 レース経過

 スタートでけん制が入り、しぶしぶ古性優作が出て行く。古性-三谷竜生-松岡健介-村田雅一の長い近畿勢が前受けし、中団に森田優弥-郡司浩平-齋藤登志信、山口拳矢-岩津裕介が後攻めとなって周回を重ねる。
 赤板ホーム入り口で山口が上昇を開始。誘導を切って踏み上げる古性を2コーナーで叩いて前に出る。すかさず森田がカマしてくるが、山口に出させる気は一切なかった。打鐘手前から一気にペースが上がり、3コーナーからは山口、森田で車体を合せての激しい先行争いへと発展する。直線入り口では外の森田が踏み勝ちかけて、岩津は口の空いた3番手に下がるが、山口は森田にキメに来られても踏み止めない。2コーナーでは諦めた森田が山口を出させて番手に収まるも、同時に古性でまくりで襲い掛かる。察知した郡司がけん制するが、古性のスピードが違った。郡司の外をあっさり乗り越えた古性は、3コーナーで山口を捕らえて先頭に。古性には行かれた郡司も3番手から踏み出して三谷のところに飛び付く。そのまま直線に入り、三谷を何とかドカしてコースを作った郡司が追いすがるが、追撃を許さず古性がV。2着は郡司で、郡司を追った岩津が、三谷、村田との横並びの争いを制して3着に入った。


古性優作選手
古性優作選手

 山口拳矢、森田優弥の若手機動型が互いに一歩も譲らず、壮絶な先行バトルに発展。これで流れが向いた古性優作(写真)が豪快に前団を飲み込んだ。
 「スタートが予想外で、けん制になったので前からでいいかなと。山口君のスピード次第では一個、突っ張らないとって思ってました。そこからは冷静に行けました。とにかくライン4車付いているし、勝負どころで思いっきり踏み込もうと。静岡以来の記念優勝でうれしいです」
 地元地区の記念開催。近畿のエースとして、責任感を持って4日間を全力で戦い抜いた。
 「近畿地区の記念なので、地元のつもりで走ろうと思っていました。(決勝は)ラインで決められなかったのは残念。(三谷)竜生さん、松岡(健介)さん、村田(雅一)さんには短い距離の仕掛けになって申しわけない。次の目標はGI、GIIを獲ること。それだけです」
 久しぶりの記念制覇で次走の函館サマーナイトフェスティバルに弾みがついた。来月には平オールスターも控えている。勢いそのままにタイトル奪取に突き進む。

 完全優勝を狙った郡司浩平は2着。他地区でラインを組んだ森田をできる限りサポートした。
 「森田の気持ちは伝わったし、積極的に行ってくれました。切り替えて、まくることはできるけど、ラインを組んだ以上は森田の力をどう引き出すか。難しかったですね。バックを踏んで(森田を)迎え入れて、古性君を邪魔しながらと思った時には、もういいスピードで来てました。もう少し早めに古性君の後ろを取り切れていたら、抜けるところまであったかもしれない」

 最終ホームで郡司の後位にスイッチする形になった岩津裕介が3着に。
 「(山口は)2車で押さえて、突っ張るなんて格好良かったですね。引けなくて、飛び付くと思った。いい駆け引きがありました。彼の意地ですね。迎え入れる準備はしていたんですけど、そのまま行っちゃいました。ホームくらいで郡司君の後ろに切り替えて、人任せの感じになりました」

 3連勝で勝ち上がった山口拳矢は森田と激しい主導権争いを演じた。
 「後ろ攻めから切って、あとは(森田を)出すか、突っ張るかの選択でした。番手に行こうかと思ったんですが、自分が思っていたよりも来るのが遅かったので引けなかったです。バックでもういっぱいでした。先行して9着では意味がない。次はもっといい勝負ができるようにしたいですね」





7月16日~18日の日程で、函館競輪場にて第17回「サマーナイトフェスティバル」が開催されます。
今回のGIIには昨年の覇者である清水裕友をはじめとして、佐藤慎太郎、平原康多、和田健太郎、守澤太志、松浦悠士、郡司浩平のSS班7名、更に深谷知広、山崎賢人、吉田拓矢、太田竜馬、野原雅也、山口拳矢ら機動力自慢の健脚が全国各地から集結。また、併せて行われるガールズケイリンフェスティバルも好メンバーがそろっていて、見どころ満載の3日間に目が離せない!
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