『福井競輪開設74周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:7月19日
 令和6年能登半島地震復興支援競輪・福井競輪場開設74周年記念「不死鳥杯(GIII)」が、7月20日に開幕する。サマーナイトフェスティバルを制したばかりの眞杉匠や新山響平ら強敵を、絶対エースの脇本雄太、寺崎浩平らそろった地元勢が総力を結集して迎え撃つ。全国各地で梅雨も明けて夏真っ盛りの中、前検日の19日には参加全選手が競輪場に集結し、明日からの戦いに備えていた。
 記念シリーズは開催中の毎日、先着200名様に「GOLDウェットティッシュ」をプレゼントする来場者先着プレゼント、当地グルメキッチンカ―、競輪選手による縁日などが予定されています。福井競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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堀江省吾選手
堀江省吾選手
 期待枠とされるオープニングレースの1番車を任されたのは堀江省吾(写真)。前回の奈良FIシリーズで3カ月ぶりとなる決勝進出を決めるなど、状態は上向いている印象。そのあとに行われたPIST6では優勝しており、リズム良く今シリーズに臨む。
 「競輪で福井バンクを走るのは初めてですね。6、7年前の国体で一度だけ走ったことがあるんですけど、決勝に乗れたのでイメージはいいですね。調子を落としていたんですけど、だんだんと良くなってきて、今期1発目で決勝にも乗れました。PIST6を走ったあとは競輪の感覚も良くなるので。大ギアを使うためか、踏み込むよりも回す感覚がつかめるからだと思います。ラインで勝ち上がれるように頑張りたい」
 5月の函館記念ぐらいから徐々に調子を取り戻してきている印象の松岡篤哉。直前に練習した感覚も良かった様子で表情は明るい。
 「直前は大垣で誘導をしていたんですけど、ここまでの練習した感覚は最近の中ではいい方だと思います。感覚的に上がってきている感じですね。(春先は調子を崩していたが)何が原因だったかは正直、つかめていないんですけど、そのときに悪かった練習の感覚も良くなってきているので。積極的な選手が多いですけど、自分も前々に攻めて、先行でもまくりでも力を出せるように」

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 橋本瑠偉は前回の松戸サマーナイトフェスティバルを最終日のみ補充で走り、番手回りではあったが白星を挙げた。中3日とタイトなスケジュールではあるが、調整に抜かりはない。
 「補充でしたけど1着を取れて良かったです。ここまでが中3日だったので、練習もしましたけどマッサージも入れたりケアはしてきました。ここ最近のFIシリーズは準決勝が良くなくて、勝たないといけないところで勝てていないので、勝てるように走り方だったり考えていかないと。櫻井(祐太郎)君も林(敬宏)さんも逃げるイメージの選手ですけど、自分も立ち遅れないように行けるところから行けるように頑張りたいですね」
 近況の櫻井祐太郎はコンスタントに白星を挙げており、勝ちパターンに持ち込めたときは点数以上の力を発揮できている。当所は5月に走って決勝にも進出している相性の良いバンクで決して侮れない存在だろう。
 「前回から1週間以上あったので、休養も入れながら練習してきました。細切れ戦で自分だけ3車なので、ラインの厚みを生かした走りができるように。相手がいることなので、(絶対に先行というよりも)主導権を取れるようにはしたい」

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上田尭弥選手
上田尭弥選手
 今年3月ぐらいから徐々に良い頃の動きを取り戻していた上田尭弥(写真)は6月四日市で約2年半ぶりの優勝を手に復調をアピール。熊本競輪が8年ぶりに再開され、モチベーションも上がってきており、練習にも身が入っている。
 「前回の青森が終わってからはしっかりとリフレッシュして。そのあとバンクで練習してきました。自分はバンクがメインなので、(バンクが再建されて)使えるようになったのは大きいですね。(乗り方だったりを)考えながらやれているので。優勝した四日市の前に期間も空いて、そこでしっかり練習できたので結果が出て良かったです。(四日市から投入した)新車もいい感じに使いこなせていると思います」
 中嶋宣成は2月の静岡記念で落車してから調子を崩してしまっていたが、前々回の大垣、前回の小田原と積極策で初日の予選で白星を挙げており、復調の兆しを見せている。
 「静岡記念の落車で右鎖骨を骨折しました。鎖骨骨折自体が初めてだったんですけど、手術をしてPRP療法もしました。体の方もだんだんと良くなってきて、5月ぐらいからノブさん(鈴木庸之)のフレームに換えて使っているんですけど、今ある中では感覚的に一番いいですね。同期の上田君と対戦した記憶はあまりない(昨年3月の玉野記念で一度だけ対戦している)んですけど、負けないように頑張りたい」

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晝田宗一郎選手
晝田宗一郎選手
 3月に取手で行われたウィナーズカップで特別競輪に初出場した晝田宗一郎(写真)。最終日には白星を上げており、5月に行われた日本選手権競輪では鋭いまくりで一次予選を突破と確実に存在感を高めている。
 「前回から中3日なんですけど、直前に和歌山の張野(幸聖)が合宿をしにきたのでガッツリ練習しました。疲れは日に日に抜けてくれれば。自分の中でトップスピードが上がっているなっていう感覚はそこまでないんですけど。練習はそこまで良くないので。レースの方がいい感じで走れているとは思います」
 前々期はA級に陥落した伊藤裕貴であったが、特進でS級に復帰してみせると、直近4ヵ月の競走得点を104点台まで押し上げている。今シリーズの初日は松岡晋乃介に前を託して予選突破を目指す。
 「点数自体は上がってきているんですけど、自分の中ではここ3場所はあまり良くなかったですね。でも現状の底は見えたと思うので、ここからまた上げていけるようにと思っています。松岡君とは初めての連係ですけど、しっかり番手で頑張りたい」

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山岸佳太選手
山岸佳太選手
 FIシリーズではあるが山岸佳太(写真)は4月高知から白星ラッシュ中。5月当所、前回奈良と立て続けに優勝とリズムに乗れている。
 「前回の奈良は前と後ろのおかげで優勝できたので。5月のここも長島(大介)君の番手だったので。でも前回(奈良)も前々回(四日市)も初日は自分が前の番組でしたし、先行できているので状態的には悪くないとは思います。前回が終わってからは追加もこなかったので、しっかりと練習できました。でもウィナーズカップ以来の9車立てなので、不安要素はあるんですけど。同期の山本(紳貴)さんも3番手を固めてくれるということなので、内容を重視してラインで決まるような走りをしたい」
 GI戦線でも確定板入りをしている神山拓弥は安定しているように見えるが、結果と自身の感覚がかみ合っていない様子で悩みは尽きない。
 「ここ最近は本当に走っていていいなっていう感覚がまったくないですね。道中から余裕もないですし。練習では悪くないですし、体調とかもまったく問題ない。それなのにレースになると全然ダメで…。前々回の青森で新車を試したんですけど全然合わなくて、前回のサマーナイトはすぐに戻しました。今回もフレームはそのまま行きます。山岸君とはたしか(今年の)全日本選抜の初日以来の連係だったと思います。そのときはダメでしたけど、いつも頑張ってくれて相性はいいので。流れを変えたいですね」

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 道場晃規は当所参戦が3年ぶり2度目となるが、前回はA級ながら優勝しており相性の良いバンク。夏を得意としているスピードタイプで、初日から自慢のダッシュ力で魅了する。
 「前回から中3日なので、そこまで詰めた練習はできなかったんですけど。ここ最近はずっと脚の感じがいいので。(好調な理由としては)夏場が好きだからですかね。温かくなってきてから調子も上がってきているので。細切れ戦なのでしっかりとタイミングを逃さないように。竹内(智彦)さんたちと決められるように」
 竹内智彦は前回の松戸サマーナイトで346着と勝ち上がりの厳しい概定で予選敗退となってしまったが、悲観した様子は一切なし。連係実績ある道場晃規をリードして別線を迎え撃つ。
 「前回は成績ほど悪くなかったので。今回も変わらずこれているので悪くないと思います。道場君とは(地区こそ違うが)意外と連係があるんですよ。前々回小松島の準決勝でも連係して1着を取らせてもらいましたし、ラインでワンツースリーが決まったので。すごいダッシュで強かったですね。今回も信頼して任せます」

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 6月の奈良GIII初日に落車のアクシデントに見舞われてしまった山根将太は約1ヵ月の療養期間を挟んで迎えたのが前回の宇都宮FIシリーズ。初日こそ3着で準決勝に勝ち上がったが、2日目、3日目と大敗を喫している。
 「奈良で落車して左の腰回りを打撲して2週間ぐらい練習ができなかったですね。痛みが引いてから1週間ぐらい練習して宇都宮にいったんですけど、思っていたよりも走れなかったですね。なので今回もちょっとわからない部分もあるんですけど、前回よりはいいのかなって。積極的な選手が多いんですけど、自分も積極的に走れたらって思っています」
 前回久留米で久々のFIシリーズを走った園田匠であったが、苦手と公言している7車立てのレース形態に苦しみまさかの準決勝敗退を喫してしまった。今シリーズは得意な9車立てで巻き返しを狙っている。
 「前回は久しぶりのFIで、苦手な部分が出てしまったんですけど。着より感触はいいので。かみ合えばすぐに変わると思うので。たしか山根君とは一度だけ連係したことがあるんですけど、そのときはワンツーを決められなかった(自身は1着で山根は8着失格)ので、しっかりと決められるように」

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脇本勇希選手
脇本勇希選手
 今期から初のS級1班に昇格した脇本勇希(写真)は今年で4年連続4度目の地元記念に。兄でもあり、絶対的な地元のエースでもある脇本雄太との兄弟あっせんとなるが、プレッシャーを力に変えてシリーズに臨む。
 「地元記念なのでいつもと違った緊張感がありますけど、一つでも上に勝ち上がれるように頑張りたいですね。まだセッティングが定まっていなくて、現状が現状なので。できる限りのことを精いっぱいやって。なるべく1着を取れるように頑張りたい」
 相手とのパワーバランスを冷静に見極めて、自在な立ち回りで存在感を示している渡邉雅也。5月小倉FIシリーズでは単騎で大物食いに成功してS級初優勝している。
 「自在に立ち回るのが僕の走り方なので。行けるところから行くのが僕の持ち味だと思うので。しっかりとタイミングを逃さないように、得意なパターンに持ち込めるように。練習の感触的にも調子が戻ってきている感覚はあるので」

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 一時期は調子を崩していた渡邉一成であったが6月伊東からFIシリーズながら3場所続けて決勝に進出中。出走予定であった前回の西武園FIシリーズをを欠場しているが、その影響は果たして。
 「ここ最近は自分の中でも良くなってきているなっていう感覚がありました。練習メニューを変えて手応え的にも変わってきたので。でも前回が終わって熱が出て、体調を崩してしまいました。診断的には気管支炎と肺炎でした。今回は決して(良いときの感覚に)戻り切っていない状況ですけど、その中でできることをしっかり。若手の積極的な選手が多いですし、自分も一緒になって積極的に走っても体力的に厳しいと思うので。しっかりと考えて戦いたい」
 各所で鋭い決め脚を披露している大森慶一は成績が示す通り、手応えは良化中。同期の渡邉一成と呼吸を合わせて別線攻略を目指す。
 「宮杯は自分の中で悪い感覚はなかったんですけど。、周りが強すぎて力不足でしたね。あそこで戦うためにはもっと上げていかないとって思っているので。前回の西武園はもう少しやれたかなって思っていたんですけどね。終わってから中4日ですけど疲れとかは大丈夫」

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 地元の松戸で行われたサマーナイトフェスティバルでは結果を出すことができなかった根田空史ではあるが、自慢のパワーで存在感を示す。
 「(松戸)直前の青森の追加を受けたのが失敗でしたね。終わったあとに体調を崩したというか熱中症みたいになって、前回のサマーナイトは良くなかったですね。最終日はなんとかっていう感じでしたけど。もう体調は良くなったので。(今開催も35℃以上の気温の日が予想されているが)アイシングとかをしっかりして体温を上げすぎないように気を付けて。初日はA級から上がりたてでよくわからない選手もいますし、うまく組み立てないと立ち遅れてしまうので。しっかりといつも通りカマシ、まくりでいけるように」
 今期からS級に初挑戦中の松本憲斗は前回久留米の最終日にS級初勝利を手に、初めての記念シリーズに臨む。
 「正直、自分の中で前回は777とかそこまでじゃなくても大敗するのかなって思っていたので、やれた方なのかなって思っています。最終日に1着も取れましたし。でもやっぱりA級とS級は全然違いますね。仕掛けどころの前からペースが早いです。(脚質的には)地脚ですね。ダッシュは全然ないので。今回は初めての記念でどれだけやれるかはわからないですけど、仕掛けずに終わりたくはないので、しっかりと動きたい」

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岸田剛選手
岸田剛選手
 一次予選のメインは地元コンビが務める。今回が初の地元記念となる岸田剛(写真)は緊張した面持ちで共同インタビュー場に現われた。
 「(今開催に向けては)前回の向日町の前に2週間ぐらい空いていたので、練習は詰めてやれたかなって思います。地元記念なので積極的に仕掛けたいですね。後手にならないように。(地元記念は)ずっと外から見る側だったんですけど、今年は走る側になれたので。緊張もすると思いますし、楽しみ半分、不安が半分ですけど頑張りたい。FIには徐々に慣れてきたんですけど今回は記念で9車立てなので。まずは一次予選を突破できるように。そのあとはどこまでっていうよりも(師匠の)脇本(雄太)さんと連係できるように頑張りたいです」
 渡辺十夢は4月向日町の準決勝以来で岸田剛と連係となるが、練習ではいつも強い岸田剛の走りを見ているからこそ自分の仕事に徹する構え。
 「ここ2場所は練習の疲れもたまってきていて、バイオリズム的な問題で良くなかったですね。毎年、暑くなってくる地元記念の前ぐらいから調整が難しくなってくるので。もう自分は岸田君に離れないように集中して。練習の感じだったりタイムだったりは寺崎(浩平)君とほぼ変わらないですからね。岸田君も練習では10秒台中盤をバンバン出しますから。だから最近、成績がいいのは力がついてきたとかじゃなくて、レースでも力を出せるようになってきたんじゃないかな」

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寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 初日特選は近畿勢が4車で結束して強力布陣を形成した。年頭にS班の古性優作に〝今年のキーマン〟と指名され、活躍が期待されている寺崎浩平(写真)がラインの先頭を務める。今回は4年ぶり2度目の地元記念とあって、気持ちはすでに高まっている。
 「地元記念は3、4年ぶりですね。ナショナルチームにいたときは7月は世界選手権だったり合宿だったりと忙しい時期でしたし。久々の地元記念なので頑張りたいですね。前回のサマーナイトは今回もあったので、オーバーワーク気味でいつものキレがなかったですね。終わってからはしっかり練習もして調整もして。セッティングも思うところがあって変えました。最低限、決勝には乗りたいと思っていますけど、まずは初日からしっかり。新山(響平)君には前回の最終日にやられているので負けないように」
 近畿ラインの中核でもある番手を担うのは絶対的エースの脇本雄太。高知で行われた全プロ記念の『スーパープロピストレーサー賞』、岸和田で行われた高松宮記念杯の優秀競走『白虎賞』以来で、これで今年3度目の連係に。6度目の地元記念制覇を目指して、初日から別線に隙は見せない。
 「前回がナイターでしたし、中3日だったので2日休んで1日だけ調整だけの練習をしました。前回の決勝が終わったあとも(肉体的な)ダメージがあったので無理をしないように。(今開催に向けて)完全までとはいかないですけど、できる範囲のことはやってこれたので」
 サマーナイトを制した眞杉匠はリズム良く今シリーズに臨めるだろう。賞金ランキングも11位まで押し上げて、今年の後半戦へ向けて弾みを付けた。サマーナイト決勝のように、別線の仕掛け合いを見極めて一撃を見舞う。
 「(優勝できて)うれしいですね。まさか車番的にあの位置が取れると思っていなくて。(車番的に有利な南関勢が前で自分のラインが後ろになれば)南関ラインとモガき合いになると思っていたんで。あの並びは想定していなかったんですけど、その場の流れに応じて走れたと思うます。(優勝は)かなりデカいですね。(賞金ランキングは)かなり下の方にいて、上はかなり遠かったので。(初日特選は)力を出し切るレースができれば」