『福井競輪場開設56周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:7月30日



 合志正臣、切れ味で一閃! 『不死鳥杯』をサブタイトルに開設56周年福井記念は、今日が大会二日目。優秀競走“福ノ井賞”をメインに、準決勝行きを懸けた二次予選A、Bなど激戦が繰り広げられた。“福ノ井賞”は合志が快勝、市田佳寿浩の連勝がストップ。10レースでは荒井崇博が小野俊之の追撃を振り切るなど、初日と打って変わって快晴の下、ベストコンデションで争われた1日を舞台裏からレポートします。
  明日はファイナル行きの切符を懸け、準決勝4個レースが白熱するのは避けられません。また、初代グランドスラマー・井上茂徳氏が場内ステージに登場する他、はずれ車券抽選会など、福井競輪場では様々なイベント、ファンサービスが予定されています。バンクの内外でヒートアップする福井記念を是非、本場でお楽しみください。
 

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 二次予選Bはここからスタート。玉木仁が勝利した。目標にした本村隆文の先制が決まり、四角ハコと絶好展開を生かした結果。「本村君さまさま、感謝している。良い掛かりで逃げてくれて、仕事せなアカンと思った。松岡(慶彦)君が三番手で車間を空けてくれて助かった」。記念競輪で初の準決勝A行きに、手放しの喜びようだった。
 本村は自身も驚きの2着入線。初日と同様、永井(清史)のフレームで戦い、「(フレームは)結果だけ見たら良いんでしょうね。力を出し切ることだけ考えました。合宿の成果が出ているのかな?」と、連日の快走に笑顔が絶えなかった。


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柏野智典選手
柏野智典選手
   ここから二次予選A。番手奪取し、柏野智典(写真)が鋭くアタマに抜け出した。展開は太田真一の先行一車。最終ホームで佐々木健司との番手戦を制し、ゴール寸前では太田を差し切ってみせた。喜びより、むしろホッとしたかの表情で柏野は「豊田(知之)さんに任されたし、番手しか考えていなかった。位置にこだわる姿勢を見せたかったし。ホームで太田さんを追い越したのは、バックを踏むよりは良いと思って踏んだから。その後で少しインを締め、何とか取り切れました」。
 太田は2着惜敗に悔しがった。「あー、抜かれちゃった。ただ、後ろがどういう状況であれ、自分の仕事はしたつもり。ファンや他の選手に迷惑を掛けて申し訳ないけど」。その後はグッと言葉を飲み込み、足早にクールダウンへ向かった。
 佐々木はレース内容に納得していない。当初は太田と広川、埼京スジの三番手回りを予定していたが、番手回りへ位置の変更を余儀なくされた。柏野に番手を奪われる結果に、「太田君は東日本の先行屋。広川さんが(番手を)回らないなら、自分が回るしか…。ただね、競りになるから、ギア倍数を変えるとかして対応しなくてはね…。突然だから…」。


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三ツ石康洋選手
三ツ石康洋選手
   三ツ石康洋(写真)が破壊力を実証した。中村一将の先制に、最終ホームを七番手と絶望的な位置で通過。だが、1センター過ぎに踏み出すと、四角過ぎに前団を捕らえ西田雅志に差し切るチャンスを与えなかった。「惰力を使えているし、スピード的にも余裕があった。ただ、踏み出しがね…。昨日から疲れ気味の体調に合わせて、新しいフレームを使っている。前より軽い分、踏み出してから3歩目ぐらいまで車が伸びていかない。戸惑うぐらい。寸法とかほとんど変わらないのに不思議。ただ、体調は戦える状態。明日も踏ん張れると思う」。三ツ石は大粒の汗を拭いながら現状を語った。
 西田は三ツ石の強さに脱帽した。「強い。凄いスピード。バイク誘導みたいな感覚で付いていった。七番手になったのは、作戦で想定した範囲内。冷静に対応できました」と中部近畿スジを一蹴し、してやったりの表情を浮かべた。


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荒井崇博選手
荒井崇博選手
   荒井崇博(写真)に笑顔が戻った。ペース配分を巧妙に逃げた三和英樹に対し、最終バックで六番手から逆襲開始。軽々とハナに立つと、完璧マークの小野俊之を悠々と振り切った。「やっぱ、(今までのフレームは)軽いっすね。スンナリで後ろを回った小野さんに、抜かれなかったのは初めてかも」。荒井はフレームへの迷いが消えたと同時に、手応えを確かにした様子だ。
 小野は2着にも納得? 「荒井君が強かった。ボクはあれで最高です」と、九州ワン・ツー決着に安堵した模様だ。


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合志正臣選手
合志正臣選手
   またも、合志正臣(写真)が敏捷性を見せつけた。目標にした市田佳寿浩が最終バックを前に出切ると、車間を空けて徹底的にガード。巻き返した山崎芳仁を引き付けた後で、鮮やかに市田を抜き去った。初日からの連勝に合志は「前がごちゃついて、市田さんが早めに仕掛ける気配はあった。(市田の)動きに反応できたし、自分の状態は良い。最近は番手でバックを通過できるのが多いね」。ニヤリとしながら、流れの良さをも強調した。
 市田は連勝を10へと伸ばせなかった。先制した吉田敏洋を早々と飲み込んだが、山崎の強襲に3着まで沈んだ。それでも、「お客さんにも残念なことをした。ただ、自分のレースはできている」と、気丈にレースを振り返った。
 山崎は「昨日より軽くなっているけど、少し重い。ただ、踏めているし悪くはない」。調整不足とはいえ、状態を把握している様子だ。

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